はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

初セスナ

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ある雑誌の原稿を書いた流れで、航空写真の撮影に同行させていただいた。なんと、4人乗りのセスナ機の助手席に。助手席と呼ぶのかは知らないけど。役得ってこういうことなんだね、30分間のフライトをみっちり楽しんじゃった。

晴天に恵まれて撮影はバッチリだったが、やや風が強かったので上下左右に激しく揺さぶられた。これまでの人生で、経験したことがない挙動と言ってもいいだろう。上空にいるときは大興奮状態だったのであまり感じなかったが、着陸後に一度椅子に座ってしまうと、脳や内臓が慣性を感じているのか、自分の体が固定されたことでフラフラした感覚が襲ってきた。事前にたっぷり脅されていたので多少は覚悟はしていたものの、侮れないもんだ。

今回ご一緒させていただいた写真家は、セスナ機での撮影に慣れているとのことだったが、やはり着陸後はぐったりされていた。車の運転は大丈夫ですかと尋ねたところ、「車なんて所詮、二次元の動きでしかない」という、妙にかっこいい一言をいただいた。これには僕も実体験を通じて深く同意するとともに、紅の豚の名ゼリフを理解できた気になった。たぶん間違ってるけど。

雨中の大型新人

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先月の熊本旅行では、三角ノ瀬戸を跨ぐ「新天門橋」(仮称)の仮設現場を見に行った。鋼中路アーチ構造とPCラーメン構造を複合させた、とてもかっこよくなりそうな長大橋だ。

完成はアーチリブをつくるための斜吊タワーとケーブルクレーンタワー、架設が済んだばかりの鋼補剛桁、PC桁の片持張出架設作業車、アプローチ部の枠組み支柱群、もう見どころ満載で大興奮!という予定だった。実際には、ちょうど見物しはじめたときに風雨が強くなってずぶ濡れになってしまい、じっくり堪能することができなかったのだ。

トボトボと三角駅に戻る最中にチラリと晴れ間が出てきて、後ろ髪をぐんぐん引っ張られた。結果的に雨は断続的に降ったので戻らなくて正解だったんだけど、なんとも残念な気持ちだったな。再訪しなければならない場所がまた増えちゃった。

南国の空中歩廊

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今年の年始に行った2度目のシンガポールでは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの上空に架かる吊橋「スカイウォーク」を体験することができた。前回は意気込んで現地まで行ったのに、風雨のため直前で閉鎖されてしまったため、ようやく念願が叶ったことになる。

この橋の構造がなかなかエグい。「スーパーツリー」と呼ばれる紫色の樹木的巨大装置の枝のようなパイプに定着された、無数のケーブルによって吊られているのだ。構造計算や張力管理をどうやっているのかさっぱり想像ができないが、まあケーブルの数が多いので全く問題ないってことなんだろうな。

視点場としての役割はそれほど期待しないで行ったのだが、とても楽しかった。とてつもないスケールの植物園、ベイ・サンズをはじめとするおかしなビル群、コンテナターミナルのキリンたち(これは早々になくなるらしい|抜け殻になったコンテナターミナル)などからなるシンガポールらしい混沌かつ過激な景観が、絶妙な揺れとともにたっぷり堪能できるよ。個人的なオススメ観光ポイントとして紹介しようと思ったのだけど、僕がしゃしゃり出るまでもない有名物件だったね。すんません。