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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ひねる理由

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昨年の夏、オーストリアのドルンビルン川に架かるSchanerloch橋というかっこいいコンクリート橋を見に行った。桁下面がねじられた造形になっていたのだが、現地を観察してもその理由がよくわからなかった。もしかしたらエンジニアリング面での理由はなく、オランダのVlaardingse Vaart橋のように、ひねりたいからひねったんじゃないかと思う節もあった。

その件を友人が設計者に尋ねたところ、橋台部の斜面における微妙な地盤強度が関係しているとのことだった。つまり、良好な地盤側の断面を大きくしていると言うわけだ。それを聞いてちょっとホッとした。なにしろオーストリア人には、構造的合理性を尊重する人々だと勝手に思っているので。ちなみに、オランダ人にはコンセプトに対する合理性を尊重する人々だと勝手に思っているので、ひねりたいからひねった先ほどの橋は個人的に受け入れられる。

オーストリアのコンクリート橋は3兄弟。昨年の夏は、末弟がもうすぐ桁の打設に入ろうとしている段階だった。仮設桁の上に支保工が組まれ、橋軸直角方向にスチールの形鋼が載せられ、さらにその上に橋軸方向に細長い木板が載せられていた。この上に薄い合板を載せて双曲面のような造形の型枠を構成するようだ。こうした施工段階が見られたことは、たいへんラッキーだったな。

 


生活の中の高速道路

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交通手段の速度が上がるにつれて、道路は必然的に人の生活との関わり合いが減っていく。両者の時間と空間のスケールは、どうしても乖離する方向に行くからね。ところが、関わり合いをなくす努力をした結果、一周回って高速道路を人の生活に取り込んじゃったのが大橋ジャンクションだ。見た目にもグルグルしているけど、意味合いもグルグルしているのだ。

ヒューマンスケールに則った人のための空間が、自動車のための空間の上に重ねられたことが象徴的だよね。これは、約70mもの高低差がある高速道路同士の接続をこれ以上どうにもならないくらいコンパクトに凝縮された上に、騒音や排気ガスといった悪影響を最小化するために「覆蓋化」されたことで実現した。東京という高密度都市ならではのアクロバティックな解き方だよねえ。まあそれでも構造物の存在感は、尋常ではない強さなんだけど。

先日、写真家の空撮に同行させていただくというたいへんラッキーな状況で、空中から空中庭園の様子を眺めることができた。極めて楽しい体験だったよ。上の写真の右側はセスナ機のパイロットの後頭部、左側はシートのヘッドレストである。このように何度も大きく旋回したこともあり、体にかかった負担は予想を遙かに上回るものであり、この後の数日間はボロボロの状態だったな。

 

 

帝国軍のホーム

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帰宅してみるとスター・ウォーズ外伝の「ローグ・ワン」のBDが届いていたのだが、観るかどうか迷っている。年度初めの疲労感がピークに達しているため、途中で寝てしまうことが容易に想像されるためだ。この映画は極めて切ない気分になるので、そのまま夢に突入してしまうと、ろくなことにならないだろう。と言いつつも、我慢できずにすぐ観ちゃうんだろうな。

取り急ぎ、反乱軍のみなさんが潜入した帝国軍のデス・スター建設基地の惑星スカリフの一部が、ロンドンのカナリー・ワーフ駅のホームであることを、あらためて確認した。劇場では一時停止することなんてできなかったので。自分が行ったことがある場所がスター・ウォーズ・シリーズのロケ地になっているなんて事実に、軽い興奮を憶えるね。

なお、この駅はノーマン・フォスターにより設計されたもので、空間の構成からディテールに至るまで、たいへんかっこいい。映画ではその表層がばっちり偽装されているけど、もともと極めてSF的な雰囲気が漂っている。特にエスカレーターの様子は必見だよ。