はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

防災観光

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「地下神殿」で有名な首都圏外郭放水路の第1立坑を、上端部に設置されているキャットウォークから見下ろした様子。直径約30m、高さ約70mの円筒の中にしばらくいると、いつの間にかスケール感を喪失していることに気付く。手がかりにしていた階段工の存在も、次第にミニチュアに見えてくるのだ。もうすぐこの眺めが、ハーネスとヘルメットを着用する体験を伴って一般公開される。

首都圏外郭放水路は、国交省が中心になって推進している「インフラツーリズム」のフロントランナーと言ってもいいだろう。国交省の防災施設でありながら、これまでにも数多くの見学会、イベント、撮影などが積極的に行われている。民間の事業者と組む観光事業を展開すべく、昨年から社会実験が行われているのだが、その第2弾が3月23日からスタートする。すでに実施されてきた「地下神殿コース」のほか、「立坑体験コース」と「ポンプ堪能コース」が追加されるという。

ほんと、このような取り組みを通じて社会に風穴を開けることは、じゃんじゃんやっていただきたいな。ここで展開されている動きは、今後も目が離せないね。ちなみに、見学ツアーの申し込みはこちらのウェブサイトからできるようだよ。

gaikaku.jp

首都圏外郭放水路のオフィシャルウェブサイトはこちら。

www.ktr.mlit.go.jp

おまけとして、本ブログの過去記事も。

hachim.hateblo.jp

 

失った宝物

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10年前の今日は、解体へまっしぐらだった蘇我のJFEスチール第5高炉を撮っていた。懐かしいなあ。もう、すっかり跡形もなくなってしまったね。

当時、これを残したいという声は散発的に上がっていたものの、実現にはほど遠い空気だったことを憶えている。今だったらどうだろうか。保存や活用に前向きな取り組みが行われるだろうか。あの時とそれほど変わっていないのだろうか。

あらためて写真を眺めても、これほど可能性を感じるお宝なんて、そうそうないと思うなあ。本当にかっこいい。こんなお宝をあっさり手放してしまうなんて、やっぱり千葉っぽいよなあ。

 

リフト付き歩道橋

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高低差がある街ではときどき、歩道橋付きのリフト、もしくは、リフト付きの歩道橋を見ることがある。ヨーロッパの街ではえらくかっこよく仕立てられてものもしばしば体験できる(例えば、バーデン:緑の中の昇降、ロールシャッハ:駅前エレベーター橋、エッシュ・シュル・アルゼット:使徒、襲来)。それらは、その街の地形的特徴が体験を通して顕在化され、構造や造形の面白さがトリッキーに表現され、結果的に地区の拠点やランドマークになっている気がする。

上の写真はオンダリビアの港湾エリアと段丘にある旧市街を接続するシースルーリフト。ひっきりなしに住民や観光客が利用する光景を眺めながら、さすがスペインと言いたくなる造形でまとめられた姿に、うっとりした。

日本でも屋外のエレベーターをちょいちょい見かけることはある気がするのだが、それほど関心が引かれないためか、あまり記憶に残っていない。もう少しお金を投資して、それなりに格を高めるに値するアイテムだと思うけどな。

あと、エレベーターってのは米語で、リフトは英語らしい。未確認情報だけど。

 

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