はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

水平垂直中心

9月のブータン訪問の最終日には、重要施設である県庁兼寺院の「パロ・ゾン」を訪問した。この巨大な元軍事施設は、もともとあった建物が20世紀初頭に焼失して再建されたものだという。映画「リトル・ブッダ」のロケ地にもなったとのこと。 その荘厳さにはた…

あとからトンネル

先日、打合せの最中に2011年の写真を遡っていたら、ドイツのアウトバーンで撮った写真が視界に入り、気にかかった。アーチ状のコンクリートの梁が、両側の壁からポコッと生えた出っ張りに載せられて、結構な延長にわたって連続して道路を横断している施工中…

わくわくトランジット

僕はどこかに旅行に行くとき、ストレスを少しでも減らしたいために直行便を基本としている。7年前にオランダ入りする際、わずかな金額をケチってヒースロー経由にしてしまい、結果的に高くついたことがあるためだ(参照:渡航初日)。そうは言っても、目的地…

批評的住宅展示会

東京国立近代美術館で開催されていた「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」はたいへん面白かったので、その感想などをメモしておこう。昨日が最終日だったのにいまさら感がすごいわけだが、なんだかんだと訪問したのがギリギリになってしまったので仕方ない…

花火の高架道

先月の出張時にチラ見した土浦ニューウェイ(不思議な高架道路)を3週間前に再訪した。そのすごさが一見してわかるものではなく、周辺の知識を仕入れた後にそれらを統合しないと事態が受け止められないような物件だったので、なにかのついでではなくしっか…

竪穴式バス停留所

つくば市にある「吾妻バス停」がすごかった。まるで露天掘りの採石場の底にいるような、コンクリートの垂直壁で囲まれた圧迫感に満ちた半地下空間。たいへん魅力的だし実際にテンションが上がりっぱなしだったのだけど、一般的には不人気なのかもしれない。…

帝国軍のガントリークレーン

先日乗船した東京港のクルーズでは、中央防波堤に新しくつくられたコンテナバースの近くを通過した。ああここが40年以上続く領土紛争問題に対して最近都が出した調停案の中でわずかに大田区の取り分とされた場所か、などと無責任に感慨にふけっていたが、ガ…

プレキャスト城

岡山県津山市に宿泊した昨日の早朝、津山城郭の一端にある「津山文化センター」までお散歩してきた。アクの強いこの建物が街中にあったらギョッとするだろうけど、街を見下ろすロケーションにはとてもふさわしいと思ったな。 四面すべてを構成しているプレキ…

でかすぎる地形模型

地形も楽しいけど、地形模型はもっと楽しい。鳥の視点というか、神の視点が得られる気分になるからだろう。ものごとを俯瞰的に眺めて全体像を捉えることができたときは、地形に限らず、うれしさとともに理解を手に入れた気になるもんねえ。 ところが、全貌を…

ただならぬ体育館

先日の佐賀訪問時には、数時間の時間を確保してまち歩きをした。街の中を縦横に走るクリークを中心に見て回っていると、遠くにギザギザした不穏なシルエットが見えた。直感的にこれはヤバいものだとググッと心を掴まれて早足で近づいていくと、折板構造の壁…

高難度空港

ブータン唯一の国際空港であるのパロ空港は、世界でも屈指のパイロット泣かせの空港と言われている。事前にそのうわさ話は聞いていたが、実際に離着陸を体験して、脂汗とともにその理由を深く納得した。なにしろ滑走路の前後にはすぐ山が控えているために、…

富士山型橋脚

湘南モノレールには独特の形状の橋脚がある。まるで富士山を意識しているかのような二等辺三角形のフォルム。もちろん交差物件に起因する様々な制約から決定された形態だとは思うけど、結果的に湘南モノレールを紹介される際によくロケーションとして使われ…

基幹産業ダム

たいへん幸運なことに、ブータンでの集落調査の研修として、1986年につくられたブータン初の水力発電用ダム「チュカ水力発電所(Chhukha Hydropower Plant)」の見学が許可された。天端も堤体内部も下流側も、たっぷり時間をかけて堪能させていただいて大興…

本当のチェーンブリッジ

チェーンブリッジと言えば、ハンガリーのブダペストを貫流するドナウ川に架かる吊橋「セーチェーニ鎖橋」。いつか見に行きたい。それはさておき、ブータンでは鉄の鎖そのものに金網を載せて、それらを針金で結束するという、まるでアスレチック遊具のような…

山の国の幸せな暮らし

幸せの国・ブータン王国に行ってきた。中山間地域における集落の実測調査団に参加するという、僕にとってはとても珍しいパターンで。個人で観光旅行するにはそれなりにハードルが高く、なかなか思いつきで行ける国ではないので、このような機会はたいへんあ…

不思議な高架道路

水戸出張の翌日は土浦に移動し、無事に用務が終わった。帰りの電車まで少し時間が確保できたので、まち歩きを開始した。ところが、前日の慣れない革靴とスーツによるダメージは大きく、比較的早々にへこたれた。体調も体勢も整っていない状態では、見えるも…

魅惑の水戸

先週末は用務があって水戸に出張してきた。僕が住む千葉からは微妙に近くて遠いので、行く機会がありそうでほとんどなかったし、イメージもありそうでほとんどなかった街だ。このため、駅前に降り立ったときには衝撃を受けた。なんでかって言うと、地形の変…

大型複合トマソン物件

秩父の道の駅に立ち寄った際、視界の端に気になるものが飛び込んできたので、フラフラと近づいてみた。それは「純粋橋」と言っても差し支えないトマソン物件だった。もちろん、一見してかつて鉄道を跨いでいたのだろうことは推測できたのだが、見れば見るほ…

雨雲レーダー

沖縄滞在時の天候は、ころころ変わった。晴天もあればスコールもあったので、レンタカーで移動するときには、雨雲レーダーで行く先の天候を予測しながら行き先を決めた。 古宇利島と本島を結ぶ古宇利大橋を見に行ったときは、ギリギリセーフだった。南国の素…

廃墟の格

沖縄に来たからにはグスク(城)の石垣を見なければと思い、世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」にも指定されている中城城跡(なかぐすくじょうあと)に行ってきた。沖縄本島の東西の海を両方望むことができる稜線に沿って構築されていた城郭群は、…

絶景シークエンス

沖縄本島南部の南城市の高台から海岸までを一気に下るS字カーブは、絶景ポイントとしてネット上で多数取り上げられていた。「ニライ橋」と「カナイ橋」で構成される道路景観は、自衛隊の用地同士を結ぶ通路上から展望することができた。 もちろんその眺望に…

沖縄の美しい海の見え方

この夏は沖縄を訪問した。いつもどおりマニアックなドボク旅が基軸であることには違いないのだが、少々思うところがあって、最後の訪問先は沖縄戦最後の激戦地である摩文仁(まぶに)の丘にある「沖縄平和記念公園」とした。 ある程度覚悟を決めた上で資料館…

赤いリフト橋

筑後川昇開橋は、1935(昭和10)年に佐賀県と福岡県の境界をなす筑後川に架けられた可動橋。1987(昭和62)年に鉄道橋としての役割を終えて、すったもんだの後に1996(平成8)年にようやく遊歩道としての人生を歩み始めたとのことである。当初の役割はすでに…

断面に見える斜面

勝浦港の防波堤から見た漁協施設と集落、その背後にある崖地。2つの尾根の間に住宅があることも、チラリと確認できる。まるでポリゴンフレームのような法枠工の急斜面は、山を垂直にザクッとカットした断面のようにも見え、なにかを説明するためのジオラマ模…

リアス海岸の谷

先週は外房の勝浦を、2泊3日でたっぷり堪能してきた。とても印象深かったのは、なんと言っても海側には開いているけれど、陸側は閉ざされているリアス(式)海岸の地形と、それに由来する生活文化。あ、僕を含む大人のほとんどは「リアス式海岸」と教わって…

水を制する堤

筑後川の下流に「デ・レーケ導流堤」と呼ばれている港湾施設がある。筑後川の幅を狭めることで流速を早め、土砂が堆積しにくい状況をつくり出し、航路として必要な水深を確保するというもの。干満の差が最大で6mもある有明海ならではの工夫だね。 オランダか…

嘉瀬川くん

逆三角形に配置された三点があると、人の顔に見えることがある。これは「シミュラクラ現象」という言い回しで広く知られている。 佐賀県にある嘉瀬川ダムのオリフィスゲートと空気管らしき2つの丸い穴は、いかにもそれっぽく感じられる。しかも、( ゚ロ゚)ハッ!!…

地を這うモノレール

湘南モノレールは起伏が多い地形との関係がとても面白い。中でも最大の見せ場は、トップスピードで山岳トンネルに突入する場面だと思う。いやほんとびっくりしたよ。都市にあるはずのモノレールが、なんのためらいもなくトンネルに突っ込んでいくんだもの。 …

単線モノレール

先日、湘南モノレールを体験してきた。乗るのも見るのもあまりにも楽しかったために、終点の「湘南江の島駅」まで行ったにもかかわらず、夏の海を体験することをすっかり忘れてしまった。 千葉都市モノレールと同様の軌道から車両を吊す「懸垂式」なのだが、…

カオスな斜面

鹿児島県にある鶴田ダムによる大鶴湖畔の道路を通っていたら、突然、まるで現実感が無い空間にポンと放り出された気分になった。現地で目の前の風景がVRゴーグルで見たCGなんじゃないかと思ったけど、あらためて写真を見てもやっぱりCGだったんじゃないかと…