はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

交錯する巡礼路

今回のスペイン旅行の重要な目的は、スペインの構造家であるエドゥアルド・トロハが手がけた「アジオス水道橋」を訪問すること。80年前の1939年につくられたこの橋は、自分が死ぬまでに体験しておきたい個人的世界三大名橋の暫定リストに登録されている。ち…

転換のシンボル

あけましておめでとうございます。本年も本ブログを生暖かく見守ってくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。僕は新年早々、休暇をフル利用して海外逃亡しており、スペイン北部のバスク地方とリオハ地方を巡っている最中です。まあ自慢なわけですが…

私的ドボク大賞2018

今年もどうにか大晦日を迎えることができた。そこで第10回目となる歳末恒例行事『私的ドボク大賞』を実施しよう。これは、僕がその年に体験したドボク的ネタを僕が振り返り、僕が最も感激したものを僕が選定して僕が表彰するという、自作自演で誰も共感でき…

第10回記念大会によせて

平成最後の年末ってことで、テレビ番組などではこの30年を振り返る「平成総決算」的な特集がたくさん組まれているように感じる。それはそれで大切なことだとは思うけど、僕としては自分が体験したドボクの風景を表彰する『私的ドボク大賞』が、なんと10回目…

グローバライズのふり

本当にいまさらなんだけど、2018年3月31日〜6月4日に行われた『土木展 in 上海』について。何度もブログにメモを残しておかねばと思っていたのに、ズルズルしてしまったことを反省しつつ。 この展覧会は2016年に六本木の21_21 DESIGN SIGHTで開催された『土…

爆心地にて

先日長崎を訪問したとき、原爆資料館、爆心地公園、平和公園、浦上天主堂など、原爆が炸裂した直下のエリアを巡ってみた。今年の夏に立山防空壕に行った際に、爆心地周辺にも行かねばと感じたので、ちょうどいいタイミングとなった。 やはり現場に行くと、リ…

世界屈指の夜景

素晴らしい電波塔を至近距離から拝めるという稲佐山山頂に行ってきた。なにしろ、そのための立派な展望台があるのだ。乗ろうと意気込んでいたロープウェイが点検のために運休中だったことや、やたらと寒かったことなど、全く気にならないほどステキな眺めだ…

試される平衡感覚

自走式立体駐車場に車を止めるとき、なんとなくいつもの感覚からずれてしまい、うまく駐車マスにおさまらないときがある。いろんな要因が重なっていそうだけど、上の写真のような螺旋状の走行路と駐車マスが同一平面にある傾床式駐車場では、それが頻発する…

再訪欲が高まる眺め

何の気なしに、欧州滞在中だった8年前の今日は何をしていたのかと確認したら、優雅にパリ旅行に出かけていたようだ。前日には若干のトラブルがあったものの、精力的に歩き回っていたようで、エッフェル塔、ルーヴル美術館、セーヌ川の橋梁群など、いろんな写…

復元された意思

札幌のモエレ沼公園は、彫刻家のイサム・ノグチがマスタープランを行なったことはよく知られている。イサムは1988年3月に初めて札幌に招かれ、まだゴミの埋め立てが行われていた現場を見るなり気に入り、早速仕事に取りかかったらしい。ところが、なんと同年…

高度な安いデザイン

先月出張で札幌へ行くために、はじめて成田空港第3ターミナルを使った。かねてから見に行かねばなあと思っていたのだが、なんとなくズルズルしちゃってた。そもそも空港を使う時って、どうしても気持ちが焦ってしまうし、体力も温存しておきたくなるもんね…

仙台スリバチ

先週の日曜日、とある学生コンペの審査をするために仙台の東北大学に行ってきた。せっかくの機会なので、個人的に延泊して翌日に市内散策したいと思っていたのだが、その行程は全く考えていなかった。このため、懇親会の席で仲良くなった東北大の学生に「仙…

廃墟になった塔

僕はかつて新札幌の職場に勤務していたこともあり、JR千歳線の車窓から「北海道百年記念塔」を日常的に眺めていた。もちろん、旭川に住んでいた小学生の時も含めて、過去に数回訪れたこともある。鮮明な記憶が残っているわけではないけれど、そこにあって当…

ちがい探し

先週、多摩川に架かる「是政橋」を見てきたのだが、これほど刺激的で貴重な楽しみ方を提示してくれる橋も珍しく、ワクワクしているのかムズムズしているのか自分でもよくわからない興奮を伴った楽しい体験をすることができた。それは上下線の「ちがい探し」…

信仰心の芽生え

立山カルデラへの潜入体験って、本当に貴重である。スケジュールを確保して現地に乗り込んでも、雨が降るとそれだけで立ち入り禁止になるわけで。幸運なことに僕は過去に二度ほどカルデラ潜入に成功したのだが、つい先日は雨でNGになってしまった。 どん底の…

崩落したジェノバの橋

2018年8月14日、イタリアのジェノバで「ポルチェヴェラ高架橋(Polcevera Viaduct)」が崩落した。上の写真にある全てのケーブルと桁と塔が一瞬にして崩れ落ち、通行車両に乗っていた方や桁下の住民などが43名も死亡するという、とても痛ましい事故だ。もち…

囚われのドロイド

これらのリサイクルボックス群の見え方は、人によって微妙に異なると思う。僕の場合は、ジャワ族によってサンドクローラーに囚われたドロイドたちに見える。そうでなくても、多くの人はハリウッド映画に登場するロボ的な何かを想起するんじゃないかな。そん…

入口としての工場夜景

前の金曜日に「第9回工場夜景サミット in 千葉・市原」が開催された。千葉市や市原市の方々を始めとする、多くの関係者によってつくり込まれたイベントだった。サミット後には2つの特別バスツアーが地域の企業の協力のもとで行われたのだが、ありがたいこと…

雨上がりのクラック

赤瀬川原平のトマソン黙示録シリーズに「雨上がりの体重計」という作品がある。コンクリートが硬化する前の床面にうっかり転写された足跡に、ぼんやり水が溜まっている様子を示した写真だ。僕も類例を探そうと時々気にしているのだが、ビシッと決まるものは…

向き合う姿勢

複雑なものや巨大なものは、一度だけではその見どころがわからないことが多い。直感的にすごいと感じても、圧倒されっぱなしになってしまい、下手をすると鑑賞する姿勢を放棄してしまいかねない。対象を自分の中に取り込むための思考がついていかない対象こ…

同い年のイケメン

東京の水源地である奥多摩湖(小河内貯水池)に、とてもクールでメカニカルな橋が架かっている。その名は三頭橋(みとうばし)といい、なんと1969年生まれだという。いやあこんなスタイリッシュで現代的なイケメンが東京の最奥地にいただなんて、不覚にも知…

街のおもしろポイント

ときどき、自分の意思とは無関係にセレクトされた地方都市に出張に行くことがある。そんな時には、まち歩きのトレーニングをする機会だと捉えて、現地のことを事前に調べずに乗り込むようにしている。 少し前には、長野市に行ってきた。用務の隙間に1時間ほ…

地球を感じる秘密の穴

若者たちに連れられて、館山にある秘密の地下施設に行ってきた。それは「館山海軍航空隊赤山地下壕跡」という。東京湾の入口に位置する館山には数多くの戦跡があるというが、こんなにすごいものがあるとは知らなかった。 何がすごいって、表面に現れた地層の…

バズワードの効用

ふと気がつくと、9月も中旬になっているではないか。先月下旬に森美術館で開催されている『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』へ行き、その時に書きなぐったメモを簡単に整えておかねばと思っていたのに、すっかり時間が経過してしまった。もう一度観…

懸垂姉妹

たいへん画期的な姉妹提携が実現する運びとなった。あの「湘南モノレール」と、あの「ヴッパータール空中鉄道」が姉妹提携を締結するというのだ。懸垂式モノレールファンとしては、この上なくめでたい話。なにしろ僕も昨年、双方の懸垂式モノレールをたっぷ…

5万人の意味

佐賀県立博物館で7月25日からスタートした「すごいぞ!ボクの土木展」は、ちょうど1ヶ月目で入場者数が5万人を突破する見込み(追記(9/3):全期間での最終数は、約6万8千人とのこと!)だという。「土木」という一般的ではない企画テーマで、人口約24万人の…

愛くるしい塔

脳天気に晴れ渡った空の元で、たいへん夏らしい港の風景を撮ることができた。しかし、その主役たる博多ポートタワーは、頭でっかちで短足というなんとも垢抜けないフォルム。中心にはごついエレベーターシャフトがあって透過性も何もないし。つまり、タワー…

防空壕にて

先日長崎を訪れたとき、急斜面に広がる住宅地を少しだけ散策した。その際、何とも重々しい雰囲気を放つ緑地が目に止まった。そこは「長崎県防空本部跡(立山防空壕)」と示され、内部も一般公開されているということなので、ドキドキしながら立ち寄った。 19…

乗り越える

このところ気持ちが沈むんだりイライラが募るニュースばかりで、未来に対する気持ちがうっかり萎えてしまう。でも今日は、しっかり踏ん張らなきゃなあと考えさせられる日だった。人災も天災も、乗り越えていかねば。

佐賀の水の礎

佐賀平野は水に恵まれているわけではない。むしろ「照れば渇水、降れば洪水」と呼ばれてきた厳しい状況だ。広大な農地を潤し続ける水源を持つほどの大きな山はないし、干満差が大きい有明海は水害の被害をもたらすこともある。そんな環境の中で、人々は創意…