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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

初セスナ

ある雑誌の原稿を書いた流れで、航空写真の撮影に同行させていただいた。なんと、4人乗りのセスナ機の助手席に。助手席と呼ぶのかは知らないけど。役得ってこういうことなんだね、30分間のフライトをみっちり楽しんじゃった。 晴天に恵まれて撮影はバッチリ…

雨中の大型新人

先月の熊本旅行では、三角ノ瀬戸を跨ぐ「新天門橋」(仮称)の仮設現場を見に行った。鋼中路アーチ構造とPCラーメン構造を複合させた、とてもかっこよくなりそうな長大橋だ。 完成はアーチリブをつくるための斜吊タワーとケーブルクレーンタワー、架設が済ん…

南国の空中歩廊

今年の年始に行った2度目のシンガポールでは、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの上空に架かる吊橋「スカイウォーク」を体験することができた。前回は意気込んで現地まで行ったのに、風雨のため直前で閉鎖されてしまったため、ようやく念願が叶ったことになる。 …

まちの記憶の更新

熊本市役所のすぐ近くのアーケード街にひょっこり姿を現した「ダンメン」が、たいへん見事で感激した。通行人の多い繁華街だったので視線が若干気になったんだけど、しばらく佇んでじっくり鑑賞せざるを得ない迫力だった。 建設以来はじめて露出したであろう…

清正への挑戦

熊本地震の直前に放送されたブラタモリに登場した「鼻ぐり井手」を見に行った。1608(慶長13)年、新田開発のために加藤清正がつくったとされる農業用水路の施設であり、穴の空いたフライングバットレスのような壁が連続しているものだ。水路を流れる水に渦…

クレーン・フェス

市電に乗って熊本の交通センター(バスターミナル)の脇を通ったところ、あたかも熱気に包まれたフェスが行われていると錯覚するほど、数多くのクレーンやパイルドライバがじゃんじゃん稼働していた。そりゃもう、かっこよさにしびれるよねえ。その時は別の…

ドーナツターミナル

ヨーロッパの玄関口のひとつ、パリのシャルルドゴール空港はなにかとチャレンジング。1974年の開港から一貫してポール・アンドリューという土木出身の建築家が手がけており、それぞれ特徴があるターミナルを年代を追って楽しむことができる。 その中でも最も…

ステキ階段

建築空間において、階段はたいへん魅力的な存在だよねえ。表情豊かな造形という点でも、移動による視点の変化でも、昇降するという意味においても。もちろん、建築家はそれを強く意識しながら、腕の見せ所と言わんばかりに力が入りまくるのだろう。チューリ…

コロッセオ

大橋ジャンクションのループの内側は、首都高の管理施設や換気塔の他に、目黒区が管理している「オーパス夢ひろば」という多目的スペースがある。4層ループの巨大な壁面に囲まれているだけに、アーチダムの下流面も似た、とても魅力的な空間が形成されている…

空中庭園

大橋ジャンクションは施工時に3度ほど見学させていただいたのだが、完成後にじっくり見たのは本日が最初。正確には先月はじめにチラリと下見したんだけど。このジャンクション、道路とその付帯設備の他に、2つの高層ビルの中に住居の他にも商業施設、事務所…

現地に行ってみよう

6年前の巨大地震をきっかけに、福島第一原子力発電所の事故が起きた。メルトダウンや放射性物質の拡散というきわめて深刻な事態が引き起こされ、刻々と状況は変化しているものの、いまだに収束していない。そうしたことから、多くの人が「恐怖心」「不信感…

祭壇駐車場

墨田区北部には興味深い物件がごろごろ転がっている。その数があまりにも多く、時間あたりの距離が極めて短いことになってしまうので、まち歩きをする際には注意を要する。 この駐車場の路面標示は、妄想をかき立てられる。おそらく4つのマスを埋めると、何…

大大阪の気概

10年前に撮った地下鉄御堂筋線の淀屋橋の写真が出てきた。梅田駅と心斎橋駅も同様なんだけど、ヨーロッパの地下鉄によくある空間構成で、ドーム状の天井が特徴になっている。見通しが良く広々としていて、地下鉄駅ホームにありがちな圧迫感がほとんどない。…

鋳物とコンクリートと竹

昨日は墨田区北部を歩き回った。このエリアの探索は何度目になるかわからないが、訪問するたびに新鮮な発見が得られる。生活者が街の主役として直接的に介入している様相は、たまらない魅力を感じる。この人の手の存在が感じられる「下町感」とも言える独特…

巨大な箱

横浜の運河沿いの倉庫の壁面には、窓が一切なく、換気口がたくさん設けられている。その眺めはヒューマンスケールを確実に逸脱しており、そこが魅力のひとつと言えなくもない。 先週、不幸にも三芳で発生してしまった大規模倉庫火災は、鎮火に6日もかかった…

街の記憶

1ヶ月ほど前だったろうか。自宅の最寄駅のロータリーに隣接した一角が更地になっていた。生命保険の会社のビルだったと思うのだが、どんなビルだったか全く憶えていない。 日本において、多くの人に利用されている駅前の風景は、更新し続けているように思う…

構造の理解の仕方

多少なりとも橋梁設計に触れていた身からすると、映画や漫画の世界に登場する橋にびっくりすることがある。例えば、メインケーブルが切断されているのに全体が崩落しない吊橋、中央の橋脚によってやじろべえのようにバランスを保っているアーチ橋、橋脚なし…

ダム前の橋

カリフォルニア州のオロビル・ダムの非常用洪水吐きに大きな穴が発生し、さらなる大きな災害に備えるために大規模な避難命令が出されたことが報じられた。甚大な被害をもたらしかねないダム災害に思いを馳せていたところ、イタリア北部のヴァイオント・ダム…

海上交差点

熊本県の牛深ハイヤ大橋は、見どころ満載のかっこいい桁橋。そもそもの必要性云々はさておき、道路線形からディテールに至るまでのトータルデザインのクオリティはとてつもなく高い。 橋梁が描くきれいなラインの中にポツンとある信号機付き丁字路交差点は、…

ガンタ積み

昨年の夏に六本木でチラリと見た衝撃的な擁壁を、あらためてじっくり見に行ってきた。「再利用」されている材料は多種多様であり、そのサイズや形態もバラバラのため、極めてカオスな擁壁面になっている。そこには、凝灰岩、花崗岩、安山岩などの自然石、レ…

高級桟橋滑走路

先日羽田空港のA滑走路に着陸した際に、D滑走路のジャケット工法を説明しやすい写真を撮ることができた。東京湾に突き出したD滑走路の南西側半分は、周辺環境への負荷をかけないために、多摩川の流れを遮らない桟橋形式が採用されている。そりゃもちろん…

琵琶湖の水

日本の古都・京都には、1890(明治23)年につくられた琵琶湖の水を市内に運ぶための壮大な規模の水路があり、今も現役の施設として市民生活の中に溶け込んでいる。明治維新によって首都機能が東京に移ったことで、当時の京都は著しく衰退しはじめていた。そ…

拡大する社会のインフラ

10年前に撮った瀬戸大橋の写真を引っ張り出す用事があったので、海を渡るってことを振り返ってみた。 20世紀後半のおよそ50年間、日本の国土開発は「国土の均衡ある発展」をキャッチフレーズとして、経済成長を前提とする量的拡大が行われてきた。それを考え…

楽しいラジオ

本日の午後、TBSラジオの名物番組『たまむすび』の「おもしろい大人」というコーナーに出演させていただいた。なんと、赤江珠緒さんとピエール瀧さんとお話をしたのだ。その25分間はとても楽しい時間だったのだが、やはり緊張と興奮が激しかったようで、放送…

ドリアンのパターン

総合芸術文化施設のエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイは、その特異な見た目から「ドリアン」と呼ばれている。ドームの表面が三角錐のような形状の日よけで構成されているのだけど、これがたいへん刺激的であり、抵抗感がある人はたくさんいそうだ…

バズる室外機

たびたびツイッターなどで室外機について触れているが、まさか1万リツイートを越えるとは予想もしていなかった。5日前にシンガポールで見た、ショップハウスの裏にみっちり貼り付いた室外機群が突然バズったのだ。たしかに、現代的な高層ビル群の背景と、野…

抜け殻になったコンテナターミナル

タンジョン・パガー・コンテナ・ターミナルのあの感動を再び味わいたくて、2年半ぶりにシンガポールを訪れている。そのターミナルを一望できる高層高級住宅を訪問したのだが、窓の外を見るなり腰が抜けた。なんと、広大な敷地がほぼ空っぽなのだ。色とりどり…

ジェンガ住宅

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。 今年はシンガポールからスタートを切っている。知り合いを頼って冬期休業期間中に総戸数が1000を越える巨大HDB(公団住宅)の「インターレース」に潜入させてもらえる段取りをしていたら、元…

私的ドボク大賞2016

さあ今年は早くも大晦日。今年も個人的な歳末恒例行事『私的ドボク大賞』を催行しよう。これは、僕がその年に体験したドボク的ネタを振り返り、僕が最も感激したものを選定し、僕が心の中で表彰するという、完全な自作自演で誰も共感できないアワードである…

擬木桁

差し迫る年末感を伴って、長野県伊那市を訪れた時の写真を焦りながら見返していた。すると、高遠ダムのすぐ近くに架かる台形断面の鋼箱桁の歩道橋が目に入った。なんとこの歩道橋、桁の表面に木目調のペイントが施されている。高遠城址に近い場所であること…

逃げ恥ロス

TBSのテレビドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が大きな話題になっていることは、さすがに僕でも知っている。しかし、とても残念なことに、僕は一度も観ないままに終了してしまった。最終回だけでも観ておくべきだったなあと悔やんでいる。 と言うのも僕は、…

クリスマス足場

およそ1ヶ月前、自分の職場のシンボルツリーがステキなことになっていた。イルミネーションの電飾を取り付けるための作業足場が組まれていたのだ。翌週同じ場所に行ってみたら、跡形もなく解体されていた。 2年前には有名な表参道のイルミネーションの準備…

自然を引用した楕円

スイスアルプスの渓流沿いを歩くトレッキングコース「Trutg dil Flem」には、ユルグ・コンツェットが設計した7つの歩道橋が架けられている。それらの橋は美しい渓流を様々な角度から楽しみ尽くすための重要な視点場として設えられており、それらの橋自体が…

将来対応の角

旭川の繁華街にあるビルの側面に、大量の角(つの)が盛大に飛び出していた。神田明神の近くで見たビルにも似たような角が生えていたなあと思い出したのだが、いまひとつその役割がピンとこなかった。SNSを通じて、複数の方から増築のための仕掛けだろうとい…

世界的な歩道橋

数年前に九州に行った際の写真をほじくり返す機会があったので、その最中に大事な橋を再発見した。川口衞が設計した、別府の南立石公園の脇に架かる「イナコスの橋」だ。その構造形式は「サスペンアーチ式不完全トラス構造」とされているが、正直なところ僕…

悪魔の橋

昔から人は自分が理解できないものを、神や悪魔の仕業として位置付けようとする。どうにもならない難所に超絶テクニックを用いて架けられたことで、「悪魔の橋」と呼ばれる橋梁は世界中にあるだろう。有名どころでは、スイスのゴッタルド峠の近くに架かる橋…

駅前ビルの表層

新橋駅前ビル1号館が纏っているテクスチャーは、懐かしい未来感に溢れている。それは、なんとも絶妙な色彩、透明感、素材感がつくり出すグリッド。新橋駅の東側を通るときには、いつもうっとり眺めてしまう。 第一京浜側のフラットな面を眺めて、壮大な矩形…

港との距離

国家や都市のバックヤードを担っている港湾って、グローバル化とともにその規模が大きくなるに従って、どんどん市民生活から離れていき、リアリティを失ってきているように思う。それは、様々な形態の貨物を合理的に大量運搬可能にした「コンテナ」という物…

スナック様式の最高峰

先日、富岡製糸場を再訪した(参照:世界遺産のお手入れ)。その際に市街地を散策したのだが、これがなかなかしびれる街並みだった。なんというか、かつて多くの人々が行き交っていた頃の雑多な猥雑さを思い起こさせる、絶妙な昭和感が残されていたのだ。 そ…

浮かび上がる骨格

11月24日までに、急いで新宿駅西口広場イベントコーナーに行こう。土木学会「土木コレクション2016」と、東京都建設局「橋と土木展」が同時開催されているので。土木の展示としては王道である「技術を丁寧に伝える」という雰囲気の中で異彩を放っているのが…

10周年とは

10年前の今頃は、様々な意味で自分にとって大きな転機になった時期だった。それまで激しく続けていた様々なプロジェクトが収束していったり、自分の周辺でごたごたが続いてしまったり、なぜか心身ともに不調に傾きはじめてしまったり。その一方で、個人的ム…

存在を誇示するダクト

本日はベルギーの街角デザインの話をする機会があった。そのプレゼン資料の材料を集めている最中に、アントワープ中央駅の地下ホームの写真を久しぶりに見て、あらためて衝撃を受けた。なにこのダクトの存在感。なにこの無駄に注意を喚起するカラーリング。…

遺跡の見せ方

夏のアルプスツアーの目的のひとつに、Marte.Marte Architektenによる橋があった。調べているうちに、どうやらローマ時代の遺跡を絡めた「Freilichtmuseum Römervilla」なる耐候性鋼板でつくられたモニュメントがヒットしたので、ついでに見に行ってきた。こ…

上海のジャンクション景

そういえば上海の都市内高架橋って、プランターで緑化していた気がするなあと思い、過去の写真をごそごそと捜索してみた。すると、2006年に出張で行った際の写真が出てきた。もう10年も前という事実に驚愕しつつ、仕事をちょろりと抜けてジャンクションの写…

リアルな山水画

先週末は旭川を訪問した。11月上旬なのに、ひょっとすると根雪になるんじゃないかと思うほどの荒天に見舞われた。訪問者の身勝手な思いだけど、久々に真冬の北海道を疑似体験できて、懐かしさとうれしさがこみ上げてきた。 土曜日の午前中に用務が終わり、夕…

素敵な駅舎と街の変化

2010年に開業した4代目旭川駅。これまでも何度か訪れているけれど、今回ははじめて夜景を堪能した。しかも、11月上旬なのに適度に雪が積もった冬景色で。 昼間ははっきり認識できない特徴的な形状の柱が、ガラスのカーテンウォール越しにくっきり見えて、そ…

国境の屋根

この夏に通過した、オーストリアとリヒテンシュタインの国境にある施設。やたらと薄くシャープに見える板と、たった2本のやたらと細く見える柱で構成されたキャノピーは、重力に逆らう魔法がかけられているように見える。本体となるガラス張りの施設はスケ…

耐震補強庁舎

遅ればせながら、1週間前に発生した鳥取中部地震で被災された方々へ、お見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活が取り戻せますよう、心より願っております。多方面から復興支援に携わられている方々におかれましては、体調管理などに気をつけながら元気に…

とぐろを巻くJCT

先週の大阪出張の際、仕事が立て込んでいたので早く戻る必要があった。でも少しだけ都市内高架橋を見てから帰ろう、なんて思ったのが運の尽き。ホテルから近い東船場ジャンクションを堪能していたのだが、ついつい我慢できなくなってしまい、地下鉄中央線で…

立山のドボクを見に行こう

2016年11月19日(土)~20日(日)1泊2日で、富山県立山町を貫流する常願寺川のドボクを見に行きませんか?監修という立場で僕も企画に参加しているツアーが実施されますよ。 旅の発見:【モニターツアー】激流をコントロールせよ!「富山県立山町・土木イン…