はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

高度な安いデザイン

先月出張で札幌へ行くために、はじめて成田空港第3ターミナルを使った。かねてから見に行かねばなあと思っていたのだが、なんとなくズルズルしちゃってた。そもそも空港を使う時って、どうしても気持ちが焦ってしまうし、体力も温存しておきたくなるもんね…

仙台スリバチ

先週の日曜日、とある学生コンペの審査をするために仙台の東北大学に行ってきた。せっかくの機会なので、個人的に延泊して翌日に市内散策したいと思っていたのだが、その行程は全く考えていなかった。このため、懇親会の席で仲良くなった東北大の学生に「仙…

廃墟になった塔

僕はかつて新札幌の職場に勤務していたこともあり、JR千歳線の車窓から「北海道百年記念塔」を日常的に眺めていた。もちろん、旭川に住んでいた小学生の時も含めて、過去に数回訪れたこともある。鮮明な記憶が残っているわけではないけれど、そこにあって当…

ちがい探し

先週、多摩川に架かる「是政橋」を見てきたのだが、これほど刺激的で貴重な楽しみ方を提示してくれる橋も珍しく、ワクワクしているのかムズムズしているのか自分でもよくわからない興奮を伴った楽しい体験をすることができた。それは上下線の「ちがい探し」…

信仰心の芽生え

立山カルデラへの潜入体験って、本当に貴重である。スケジュールを確保して現地に乗り込んでも、雨が降るとそれだけで立ち入り禁止になるわけで。幸運なことに僕は過去に二度ほどカルデラ潜入に成功したのだが、つい先日は雨でNGになってしまった。 どん底の…

崩落したジェノバの橋

2018年8月14日、イタリアのジェノバで「ポルチェヴェラ高架橋(Polcevera Viaduct)」が崩落した。上の写真にある全てのケーブルと桁と塔が一瞬にして崩れ落ち、通行車両に乗っていた方や桁下の住民などが43名も死亡するという、とても痛ましい事故だ。もち…

囚われのドロイド

これらのリサイクルボックス群の見え方は、人によって微妙に異なると思う。僕の場合は、ジャワ族によってサンドクローラーに囚われたドロイドたちに見える。そうでなくても、多くの人はハリウッド映画に登場するロボ的な何かを想起するんじゃないかな。そん…

入口としての工場夜景

前の金曜日に「第9回工場夜景サミット in 千葉・市原」が開催された。千葉市や市原市の方々を始めとする、多くの関係者によってつくり込まれたイベントだった。サミット後には2つの特別バスツアーが地域の企業の協力のもとで行われたのだが、ありがたいこと…

雨上がりのクラック

赤瀬川原平のトマソン黙示録シリーズに「雨上がりの体重計」という作品がある。コンクリートが硬化する前の床面にうっかり転写された足跡に、ぼんやり水が溜まっている様子を示した写真だ。僕も類例を探そうと時々気にしているのだが、ビシッと決まるものは…

向き合う姿勢

複雑なものや巨大なものは、一度だけではその見どころがわからないことが多い。直感的にすごいと感じても、圧倒されっぱなしになってしまい、下手をすると鑑賞する姿勢を放棄してしまいかねない。対象を自分の中に取り込むための思考がついていかない対象こ…

同い年のイケメン

東京の水源地である奥多摩湖(小河内貯水池)に、とてもクールでメカニカルな橋が架かっている。その名は三頭橋(みとうばし)といい、なんと1969年生まれだという。いやあこんなスタイリッシュで現代的なイケメンが東京の最奥地にいただなんて、不覚にも知…

街のおもしろポイント

ときどき、自分の意思とは無関係にセレクトされた地方都市に出張に行くことがある。そんな時には、まち歩きのトレーニングをする機会だと捉えて、現地のことを事前に調べずに乗り込むようにしている。 少し前には、長野市に行ってきた。用務の隙間に1時間ほ…

地球を感じる秘密の穴

若者たちに連れられて、館山にある秘密の地下施設に行ってきた。それは「館山海軍航空隊赤山地下壕跡」という。東京湾の入口に位置する館山には数多くの戦跡があるというが、こんなにすごいものがあるとは知らなかった。 何がすごいって、表面に現れた地層の…

バズワードの効用

ふと気がつくと、9月も中旬になっているではないか。先月下旬に森美術館で開催されている『建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの』へ行き、その時に書きなぐったメモを簡単に整えておかねばと思っていたのに、すっかり時間が経過してしまった。もう一度観…

懸垂姉妹

たいへん画期的な姉妹提携が実現する運びとなった。あの「湘南モノレール」と、あの「ヴッパータール空中鉄道」が姉妹提携を締結するというのだ。懸垂式モノレールファンとしては、この上なくめでたい話。なにしろ僕も昨年、双方の懸垂式モノレールをたっぷ…

5万人の意味

佐賀県立博物館で7月25日からスタートした「すごいぞ!ボクの土木展」は、ちょうど1ヶ月目で入場者数が5万人を突破する見込み(追記(9/3):全期間での最終数は、約6万8千人とのこと!)だという。「土木」という一般的ではない企画テーマで、人口約24万人の…

愛くるしい塔

脳天気に晴れ渡った空の元で、たいへん夏らしい港の風景を撮ることができた。しかし、その主役たる博多ポートタワーは、頭でっかちで短足というなんとも垢抜けないフォルム。中心にはごついエレベーターシャフトがあって透過性も何もないし。つまり、タワー…

防空壕にて

先日長崎を訪れたとき、急斜面に広がる住宅地を少しだけ散策した。その際、何とも重々しい雰囲気を放つ緑地が目に止まった。そこは「長崎県防空本部跡(立山防空壕)」と示され、内部も一般公開されているということなので、ドキドキしながら立ち寄った。 19…

乗り越える

このところ気持ちが沈むんだりイライラが募るニュースばかりで、未来に対する気持ちがうっかり萎えてしまう。でも今日は、しっかり踏ん張らなきゃなあと考えさせられる日だった。人災も天災も、乗り越えていかねば。

佐賀の水の礎

佐賀平野は水に恵まれているわけではない。むしろ「照れば渇水、降れば洪水」と呼ばれてきた厳しい状況だ。広大な農地を潤し続ける水源を持つほどの大きな山はないし、干満差が大きい有明海は水害の被害をもたらすこともある。そんな環境の中で、人々は創意…

特殊なアウトプット

長崎の出島表門橋は、とても微妙なバランスで成り立っている。 出島側は土地自体がほぼ国指定史跡の遺構なので、橋台を置くことができない。このため桁は、浮かび上がらんばかりに優しくタッチするだけになるよう、江戸町側の橋台をカウンターウェイトとする…

消える橋

最近、あちこちで長崎の「出島表門橋」が話題になっている。日本の橋梁界で最も権威がある土木学会の「田中賞」も受賞しており、以前から見に行かねばと思っていた歩道橋だ。国指定史跡である出島の復元に関する事業の一環で、ネイ&パートナーズジャパンの…

佐賀の土木展

2018年7月25日(水)から 9月 2日(日)まで、佐賀県立博物館にて『すごいぞ!ボクの土木展』が開催される。佐賀にゆかりのあるクリエーターやアーティストの方々による体験型作品を中心とする、土木を楽しむための展覧会だ。小さいお子さまから大きな大人ま…

江戸時代の水システム

唐津湾に注ぎ込む松浦川の中流域に広がる水田地帯に、「桃の川水路」という地味ながらも素晴らしい利水施設がある。佐賀では知らない人がほとんどいないが、佐賀以外ではほとんど知られていない成富兵庫重安(なりどみひょうごしげやす)の手により、江戸時…

過剰水門

1983(昭和58)年に完成した六角川河口堰を見に行くにあたり、台風時の高潮被害から地域を守るための「防潮水門」であることは心得ていた。ところが現地で実物を見てみると、想像をはるかに超えた過剰な雰囲気が施設全体に漂っていてのけぞった。堰幅226.2m…

眼鏡橋両岸暗渠

長崎は見どころがありすぎて困る。数日間の滞在では訪問先を絞り込むことが困難なレベルだ。このため、これまで少し腰が引けていたのだが、このたびチャンスが訪れて一泊することが実現した。その初日、ついでに眼鏡橋くらいは見ておかねばねえと思って、目…

海底観察タワー

玄界灘に面する波戸岬の「唐津市玄海海中展望塔」に立ち寄ってみた。波戸岬は「日本本土最北西端」なんだそうな。そんなこと言われても全くピンとこないが、高らかに一番を名乗る姿勢は尊重したいね。 あたかも水族館のように海底約7mの様子を観察する体験は…

コンテナ島と港まんが

米朝首脳会談が開かれるシンガポールのセントーサ島は、カジノやテーマパークなどもあるリゾートアイランドだ。本島とは築堤上の道路とモノレールで接続されているので、警備がしやすいことで選定されたのだろう。個人的には、本島とセントーサ島の間にある…

室外機コレクション

先月の上海訪問でも、いくつか室外機コレクションを鑑賞した。自分史上、上海と室外機は切っても切れない関係にあるのだ。上の物件は、個別の室外機のバリエーションが豊富で、配置には粗密があるというのに、全体的に整った伸びやかな印象をもたらしてくれ…

群生するプランター

既報の通り上海の都市内ジャンクションは見事な密度感であるが、大量のプランターによる緑化も見逃せないポイント。本ブログでたびたび取り上げている「緑化とは何か」問題を、ガツンと突きつけられる。 高速で走行する車から草花を鑑賞するためとも思えない…