はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ダム

美ダム

「日本一美しいダム」と言われている、大分県竹田市にある白水堰堤。その白いレースのような落水表情には、ため息をつきながらついつい魅入ってしまう。結構な山の中にあり、大分市からも熊本市からも車で2時間以上かかる。なんでこんな人目につきにくい辺鄙…

さよならダム

熊本の球磨川に発電用ダムとして1955年(昭和30年)につくられた荒瀬ダムは、戦後の復興期を中心に活躍した。発電方法の多様化に伴う役割の相対的な後退、老朽化に伴う維持管理費の増大、水質汚染など環境に与えてきた負の影響などを理由に、水利権の失効を…

水無池

丘陵地なんかで宅地開発が行われると、その土地が本来持っていた保水力が著しく低下して、下流域に甚大な溢水被害を引き起こす恐れがある。このため、一時的に雨水を貯留する「調整池」と呼ばれるプールがセットでつくられることが多い。どちらかと言えば、…

アテンザのダム

自動車のCMのロケ地には、かっこいい道路はもちろん、かっこいい橋とかかっこいいダムとかが選定されることが結構多い。最近だと、レクサスCTの東京ゲートブリッジ、VOXYの大門ダムなどが思い浮かぶね。 そして先ほどニュース番組をボーッと見ていたら、マツ…

サイボーグ滝

こんど九州に行くんだけど面白いところ知らない?とフェイスブックなどで問いかけたところ、友人のメカパンダ氏から「補強工事で雪舟の描いた滝を再現したダムが大分にあるよ」というなんとも謎めいた情報がもたらされた。なんだろう、北海道の中札内にある…

くもじい気分

少し前の話だけど、釜山から戻ってくる飛行機から、放流している黒部ダムの姿をはっきりと拝むことができた。とんでもないところにとんでもないものをつくったんだなあと、あらためて感じ入った。あの黒部ダム(地上からの様子はこちら)を空から見下ろすな…

ダム見の礼拝堂

ズントーあらためツムトアのテルメ・ヴァルスの上流に、Zervreila‎という素敵なダムがある。何が素敵って、つるんとしたコンクリートアーチの容姿も端正でかっこいいんだけど、ロケーションがまたいいんだよね。 ハイジとペーターがひょっこり出てきそうなス…

フーチング

ダムの堤体を地盤に定着させる部分を「フーチング」と呼ぶ。その多くは階段状になっており、堤体のマッシブなコンクリート面や岩盤の有機的なテクスチャーとのコントラストが面白く、個人的にはとても好きな部位のひとつである。 橋脚や擁壁などでも基礎の地…

水中と空中と地中のあいだ

先日、宮ヶ瀬ダムの点検に同行する機会をいただき、奇跡の空間を体験させていただいた。宮ヶ瀬ダムとは、神奈川県を流れる相模川水系中津川にあり、堤高156m、堤頂長約400mという首都圏最大の重力式コンクリートダムだ。 今回訪れたのは、堤体のてっぺんにあ…

近代技術の敗北

海上都市・ヴェネツィアから車で高速道路を1時間ほど北上すると、もうそこはアルプスの山の中である。しばらく車を走らせてロンガローネという村で右折し、山道をぐんぐん上ってトンネルを抜けると、ヴァイオントダム(Diga del Vajont)という「廃ダム」に…

世界一の壁

スイスにあるグランド・ディクサンス・ダムは、世界一大きい重力式コンクリートダムだ。ということは、世界一大きいコンクリート壁と言ってもいいのだと思う。まあしかし、世界一かどうかはなんてことはどうでも良くて、とにかくこの圧倒的なコンクリートに…

スイスダム巡礼

スイスには橋梁巡礼に来ていると言ったけど、実はもうひとつ大きな目的がある。それはダム巡礼。萩原さんの素晴らしい記事(スイスのダムめぐり・前編、世界一のコンクリートダムを見てきた、ジェームス・ボンドがバンジーしたダム)を拝見してからスイスの…

大堤防

延々と続く直線によって、海がぱっくり仕切られている。モーゼもびっくりの壮大な光景だ。 これは高潮対策と干拓を目的につくられた全長約32kmの築堤で、1932年に竣工した。アフスライトダイク、何度発音しても忘れてしまう名前だが、意味はそのまま締め切り…

人造岩山

日本一のロックフィルダム、高瀬ダム。巨石を積み上げた堤体の高さは、176mもあるのだそうな。その景観はあまりにも現実感がなくて、良いとか悪いとかそんな尺度の話ではない圧倒的な眺めだった。ちなみにダムの天端から見た景色はコレ。 このダムは自家用車…

柔らかい曲面

長野県松本市にある奈川渡ダム。アーチ式コンクリートダムってのは、ほんとにかっこいい。膨大な量の水とオーバーハングしたコンクリートアーチとの対決が生み出す緊張感は、決してほかのものでは味わうことができない。ばかでかい流麗な曲面の造形は、まる…

露天掘鉱山的

高瀬ダムの天端から見た風景は異様だった。岩石で築かれたダム下流面を駆け上がる道が幾重にも刻まれ、そこを何十台というダンプトラックが列をなして疾走していたのだ。まるで南米の奥地にでも来たような感覚。行ったことないけど。

観光ダム

およそ35年ぶりに黒部ダムを訪れた。まだ幼稚園生だった当時も、あまりの迫力にびびった記憶がある。大人になった現在、たぶんそのときよりもびびった。とんでもない場所にとんでもないものをつくったという事実を、それなりに知識がついたことによって理解…

ダム三昧

本日は黒部ダムを筆頭とする4つのダムを巡るダムツアーを行った。ダムを見ているときは興奮状態なので意識できなかったけど、結構な距離を歩いたようだ。帰りの道中はどっと疲れがでてしまった。 写真は昼食の黒部ダムカレー。ライスをアーチ式の堤体に、グ…

コンクリートの穴

宅地開発なんかで土地の保水力が低下すると、大雨が降ったときに下流域が氾濫してしまうことがある。これを防ぐために、それなりの規模の宅地開発では、雨水を一時的に貯めて流出を抑制するための池がつくられる。それが調整池と呼ばれるもの。 これがまた、…

マイクロ・ダム

先日、訳があって房総の里山を散策した。水田にはすでに水が張られ、田植えがはじめられていた。いい感じだなーと漫然と眺めていた田園風景だが、よく見てみると水田には微妙な高低差があり、どうやってその水位を管理しているのか疑問に思った。 そこで、水…

城砦ダム

昭和5年(1930年)に完成した日本で唯一の石積みマルチプルアーチダム、豊稔池ダム。讃岐の水田を潤すために、いまも現役で働いている。黒々としたバットレスが堅牢な古城のごとき威圧感を放っていて、ものすごくかっこいい。 設計は佐野藤次郎。完成の前年…

巨大コンクリート塊

昨日、久しぶりにダムをじっくり鑑賞してきた。重力式コンクリートダムのド迫力は、やっぱりすごいね。 この形式は、コンクリートの重量によって水圧を支えるというもの。極めてシンプルな仕組みだ。日常的に経験するものごとのスケールが、とんでもなく大き…

建築的堤体

函館の水がめ、笹流ダム。コンクリートが貴重だった大正の頃、材料費を抑えるために、えらく手間がかかるバットレスという構造形式が用いられた。そのため、まるで建築物のファサードような独特の表情が生まれている。でも、もとの姿はそれぞれの部材が細く…

先人の寡黙な仕事

小樽の水がめ、奥沢水源池にはすてきな水の階段がある。堤体は普通のアースダムなんだけど、この階段式溢流路は緩やかにカーブしながら扇状に幅を広げて、周囲の樹林とともに美しい落水の表情を魅せてくれる。 大正3年(1914年)につくられて、いまも現役。…

ダムツアー

山の中にひっそりとたたずんでいる発電用ダムの提体。階段状の越流部や落水の表情がとてもよい味を出している。 だいぶ前のことになるが、札幌に住んでいた頃、デートと称してダムツアーを強行したことがある。狙いを定めた地域の地図を見て、ダム湖らしき場…

水の表情

とあるフィルダムの越流部。何の変哲もないダムではあるが。湖水が天端のアールを滑らかに降りていくと、途中から水の流れが崩れ、空気を含んで白いレースができる。それらが複合して微妙な文様を描きながら斜面を滑り降り、床面に叩きつけられて勢いを失う…

滝になったダム

“ピョウタンの滝”と呼ばれる構造物が北海道にある。天然の岩と人工の平滑面が共存するユニークな姿と、その組み合わせによって生まれた豪快な落水表情から、なんとも不思議な感覚に浸ることができる。 元々は発電用のダム(正確には堰堤)として、昭和29年…