はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

地形

岬の上の小さな村

イタリアの構造設計家のリッカルド・モランディが設計した「Lussia Bridge(Ponte Morandi)」は、構造のおもしろさと凛としたたたずまいから、個人的な「死ぬまでに体験しておきたい橋梁ランキング」の上位にいつも位置していた。2年前に2ヶ月間ほどミラノ…

ローマ劇場

リヨンの街には結構な高低差があって、丘の上から眺めるパノラマはなかなかのもの。建物の高さと屋根の色がビシッと統一されている街並みは、日本では見ることができない景観なので、じっくり味わいたい。 その丘の傾斜を利用した古い半円形劇場がある。築年…

アルプス越え

現代の私たちは、雄大な氷河や名峰が連続するスイスアルプスならではの絶景の数々を、比較的容易に目撃することができる。なぜなら、そこに峠道があるからだ。どれほどの苦労の末にこの道がつくられ、維持されているのかに思いを馳せながら、峠越えをしたい…

地形由来工場

工場好きには言わずと知れた駅前超優良物件、安中の亜鉛精錬所。出張ついでに久しぶりに3回目の訪問。 臨海部の工場もいいけど、内陸部の工場ってのもいいよねえ。傾斜地を占領している要塞感がたまらないよねえ。地形つまり重力を利用した施設ってのは、プ…

風車の風景

稚内に出張に行ったついでに宗谷丘陵に立ち寄ってみると、予想をはるかに超えた興奮状態に陥った。なんだこの地形、なんだこの牧場、なんだこの風力発電。これまで見たことがない風景が延々と広がっており、これをどのように解釈すればいいのか全くわからず…

南仏大観音

2年前、エッフェルが設計したガラビ鉄道橋から、カラトラバが設計したリヨン・サン=テグジュペリTGV駅のに移動する途中、ほぼ思いつきでル・ピュイ=アン=ヴレ(Le Puy-en-Velay)という街に立ち寄った。妙に尖った地形が気になったので。 わりと大きめの…

切通し交差点

川崎市を通る国道246号に、「切通し」というストレートな名前の交差点がある。先日、近くを通りかかったので、歩道橋の上からじっくり眺めてみた。すると、さもありなんと納得してしまうほど、丘陵をズバッと切り裂く見事な切通しを確認することが出来た。 …

地層展示

南房総市に建設された農道「安房グリーンライン」の最南部、安房白浜トンネルの北側坑口付近にある切土法面がすごい。約200万年前の巨大地震の痕跡である「海底地すべり地層」を生鑑賞することができるのだ。 海底で起こった大規模地すべりによる地層の崩壊…

大地の断面

年末から風邪を引いてしまい、数日間すっかり寝込んでいたために、体がこわばってとてもつらい状況になっていた。これをなんとかしようと、1泊2日で東京湾ぐるり一周「大地の断面」新春ツアーを敢行した。千葉の自宅を起点に、房総の採砂場や採石場をいくつ…

くもじい気分

少し前の話だけど、釜山から戻ってくる飛行機から、放流している黒部ダムの姿をはっきりと拝むことができた。とんでもないところにとんでもないものをつくったんだなあと、あらためて感じ入った。あの黒部ダム(地上からの様子はこちら)を空から見下ろすな…

貯水槽のある風景

たまたま釜山郊外の谷間の街にLRTで行く機会があった。高架になった駅を降りると、そこは貯水槽パラダイスだった。青系のタンクを中心に、ときどき黄色が混じっていて、とてもかわいらしい。 街区がグリッドで構成された街を歩くと、わりと強引に傾斜地を開…

地形を無視する技術

先週末ははじめて新東名を通ってみた。こりゃ走りやすい道だね。もともと3車線を想定しているため幅員がやたら広いし、設計速度が高く設定されているので道路線形に全く破綻がない。舗装や照明などの保全レベルもすごく高いし、大断面のトンネルは圧迫感はな…

つづら折り

こんなつづら折りのスロープってどうよ、って話を書こうとしたんだけど、「つづら折り」の「つづら」って、「舌切りすずめ」に出てきたカゴのことなんじゃないのかとふと思い、どこがジグザグに上り下りするの要素なんだとすっかり言葉のゲシュタルト崩壊が…

人工柱状節理

もしかすると「お、このブログで自然景観とは珍しいね!」と思う方がいらっしゃるかもしれないが、今回もちゃんとスーパースケールの人工景観の話である。写真中央の倒木が気になるけど、そこには触れない。 標高300mを越える山の頂部をよく見てみると、いか…

房総の荒々しさ

鋸南市の採石場がかっこいい。千葉にこんなキレのあるワイルドな眺めがあるなんて、これまで知らなかった。少し前に体験した採砂場に引き続き、またしても千葉を見直すことになった。こうしたネタをうまく編集して、房総産業景観ツアーをまじめに企画してみ…

次元を越える理解

先週の土曜日、神保町にある建築系書店で有名な南洋堂で開催された「スリバチカフェ2」に行ってきた。『東京「スリバチ」地形散歩』に続く、『東京人8月号 特集:東京地形散歩』の出版記念イベントである。販売されている書籍やマニアパグッズは当然持ってい…

信じがたい調和

たまには普通の観光情報を。 イタリアのリグーリア海岸にあるリオマッジョーレという村は、色とりどりの家が急斜面にびっしり貼り付いる。その混沌は不思議な調和を生み出し、現実感がない風景の中に身を投じることが出来る。 この村の路地は、車はもちろん…

天駆ける船

ベルギーのストレピ・テュー・リフトに続く運河橋。運河に架かる橋ではない。運河の橋なのだ。これ、合成写真じゃないからね。 これまで蓄積してきた知識や体験から常識として構築してきてしまった概念、つまり「思い込み」が覆されるとき、高揚しつつも心地…

新婚旅行

もう30年ほどの付き合いがある中学校時代の同級生が、新婚旅行で欧州に来ている。彼らを祝福するためのプランを、欧州を肌で感じられること、記憶に残る貴重な経験となること、自分がアテンドできることといったコンセプトであれこれ考えてみた。その結果組…

壮麗な彫刻

ガルツヴァイラー露天掘り炭鉱で見た、延々と続く大地の彫刻。こんなとんでもないスケールの作品はこれまでに見たことがない。いやもう理性が吹っ飛ぶくらい感動的だよ。 ドイツは環境先進国と言われているけど、決して盲目的に自然保護をしているわけではな…

大堤防

延々と続く直線によって、海がぱっくり仕切られている。モーゼもびっくりの壮大な光景だ。 これは高潮対策と干拓を目的につくられた全長約32kmの築堤で、1932年に竣工した。アフスライトダイク、何度発音しても忘れてしまう名前だが、意味はそのまま締め切り…

金持ちの国のスリバチ

ベルギー、ドイツ、フランスに囲まれた神奈川県ほどの大きさのルクセンブルク大公国は、ガイドブックにもたいして情報が載っていないマイナーな小国だ。グーグルパブリックデータによると、総人口はおよそ50万人。神奈川県のおよそ900万人と比べると、いかに…

斜面の水槽

先日紹介したロンキエール・インクラインを上から見たところ。船がまるごと浮かぶ巨大な水槽が、水を張った状態で斜面の中腹に停止しているのがわかる。巨大って言っても、この写真じゃスケール感がまったく伝わらないだろうけど。実際に動いているところも…

ストレピ・テュー

ロンキエールのばかばかしさもすごいが、そこから南西に約20km移動したところに、さらなるボスキャラが待っている。ストレピ・テュー・リフトだ。細かい説明は、例によって全部カワウソ写真家佐藤さんにやっていただくことにして(Das Otterhaus 【カワウソ…

ロンキエール

欧州に来てみて、可動橋やら閘門やら、水運にまつわる構造物があたりまえのようにあることにびっくりした。日本における内陸水運はモータリゼーションの波にさらされて消滅の一途をたどったのに、欧州では現在も平然と機能しているんだね。オランダのように…

ダッチ土木の伝統

せっかくオランダに来たからには、いかにもオランダらしい風景をしっかり見ておかねばなるまい。そこで先週末、ユネスコの世界遺産にも登録されているキンデルダイクの風車ネットワークを見に行ってきた。「世界は神がつくったが、オランダはオランダ人がつ…

広い空

オランダの空は北海道のそれと同じように、とても広く感じる。晴れているときはもちろん、曇っているときも広く感じる。室内から外の様子を見たときや、建物越しに見える空も広く感じる。空が広く感じるって、どういうことなんだろう。

地形の記憶

父親の仕事の都合で、幼年期に長野県松本市で過ごしていたことがある。数年前に松本を訪れたついでに、30年以上前のかすかな記憶を頼りに市内を散策してみた。 行く前は色あせた断片的なシーンしか思い出せなかったのだが、現地に行ってみると“かつて自分…

棚田式立体駐車場

京都を訪ねる機会を得たので、市内をすこし散策した。盆地になっている市街地の辺縁部には結構な坂があって、景観の変化が面白い。そこでは駐車場も面白い。

都内の大平原

中防見学ツアーに参加させていただいた。中防とは中央防波堤埋立処分場のこと。早い話が、東京湾にあるゴミによる埋立地を見学してきたわけだ。 これが、予想以上に面白かった。充実した見学内容や聞き応えのあるガイドトークなどへの満足度も高いけれど、目…