はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

壁面

カオスな斜面

鹿児島県にある鶴田ダムによる大鶴湖畔の道路を通っていたら、突然、まるで現実感が無い空間にポンと放り出された気分になった。現地で目の前の風景がVRゴーグルで見たCGなんじゃないかと思ったけど、あらためて写真を見てもやっぱりCGだったんじゃないかと…

あからさまな斜面の強化

鶴田ダム再開発では、新たな放流設備の設置に伴い、堤体下流右岸側の斜面の勾配をググッときつくする掘削工事が行われたとのこと。そこで露出した斜面の安定を図るために、コンクリートによる法枠工に加えて、グラウンドアンカーによってガチガチに固められ…

まちの記憶の更新

熊本市役所のすぐ近くのアーケード街にひょっこり姿を現した「ダンメン」が、たいへん見事で感激した。通行人の多い繁華街だったので視線が若干気になったんだけど、しばらく佇んでじっくり鑑賞せざるを得ない迫力だった。 建設以来はじめて露出したであろう…

ガンタ積み

昨年の夏に六本木でチラリと見た衝撃的な擁壁を、あらためてじっくり見に行ってきた。「再利用」されている材料は多種多様であり、そのサイズや形態もバラバラのため、極めてカオスな擁壁面になっている。そこには、凝灰岩、花崗岩、安山岩などの自然石、レ…

擬窓

ミラノのドゥオモにアプローチする通りにて。 心ない落書きは、いくら僕でもそれなりに心が痛む。でも、落書きの消し方が雑すぎてさらに心が痛む。でも、そんな落書きも窓の部分は避けていて少しほっこりする。でも、よく見るとその窓は実物ではなく、ペンキ…

透かしブロックの用例

『街角図鑑』の「透かしブロック」の項を眺めていて、建築材料として盛大に用いている例をふと思い出した。秋田市立体育館(愛称:CNAアリーナ★あきた)のエントランスホール部だ。 階段や通路の側壁に、「松」と呼ばれている透かしブロックがみっちり配置さ…

雨水のリズム

これほどの水汚れはなかなかお目にかかれない。下見板のように断面が斜めになっている塀の上に載せられた瓦を伝った水滴が、長い時間をかけてリズミカルで柔らかい文様を描いている。水平方向の段差によるシャープな陰影とのコントラストがいいね。富山県氷…

水が描いた縞模様

札幌で見かけた微妙にゆるい縞模様が描かれた壁面。線路をくぐるトンネルにアクセスするスロープなんだけど、おそらく設計者は意図していない模様だろう。 この擁壁の外側はレンガ風タイルによって化粧されており、結構な厚さの天端にも同じ素材がみっちり貼…

更新履歴の可視化

これまで何度も高岡を通過したのだけど、落ち着いて向き合う機会はなかったのだけど、ようやく街を散策することができた。やはり、内川や氷見と同じように、ダンメン天国だった。 その中でもびっくりした物件が上の写真。側面にダンメンが現れていることはい…

ピカピカ足場

光輝く工業製品が、これでもかと言うほどみっちりと並べられている光景に、ぞわぞわした。しかも縦方向なので、なおさらだ。 ちなみにこの高層集合住宅、朝は写真のようなスケルトン状態だったが、夕方には表面にパネル材が貼られ、マッシブな箱に変貌してい…

緑化エクスキューズ

沼津で見かけた駐車場。溶融亜鉛メッキのスチールで構成された簡素なつくりだけど、2階デッキのプランターをベースにしながらつる性植物で緑化しようとしている。しかも垂直ではなく、「ランダム」に見えるラインで。それらは、あまり生長していない。 右側…

美しい汚れ

先日、「錆っていいですよね」と若い方に言われたので、調子に乗ってそのメカニズムや美しさについて熱弁をふるったところ、ドン引きされるに至った。まあそれはいつものことなので許容する(していただく)として、どこかで見た錆汁がらみの素敵な汚れを思…

パッチワーク建築

倉庫として使用されていると思われるこの物件は、キュートすぎる。テクスチャー、カラー、プロポーション、ディテール、ダンメン、どこを見ても完璧だよねえ。本当に愛くるしい。射水市を訪問するたびに、魅力的な物件に大量に出くわす。どんだけポテンシャ…

豊かなテクスチャー

一ヶ月ほど前のこと。一関から陸前高田に向かう道中、素敵な石灰工場に出会った。なんと言えばいいんだろう、形態と壁面とテクスチャーの関係が絶妙すぎてたまらない。一見すると無計画なトタン・パッチワークのように感じるけど、全体も部分もしっかり整っ…

内川のダンメン

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。早速で恐縮ですが、昨年の積み残しからスタートします。 昨年度の後半から、富山でのプロジェクトがスタートして、月イチくらいのペースで訪問していた。たまに自由な時間を持てることもあった…

見方を変えるトレーニング法

ものの見方を変えるという行為は、様々な場面でとても重要になる。何かをデザインするときや、アイデアを生み出すときなどはもちろん、見方を変えることによって気分を高めたり、生活を楽んだりすることだってできる。吸収力が高い若い方々に向けて、僕は折…

水門コンポジション

たまたま見かけた防潮水門の裏側のリブが、モンドリアンの「コンポジション」に見えてならない。(類例:下町のモンドリアン) 愛媛県大洲市の肱川河口にある長浜大橋を見に行ったのだが、その橋詰付近でこの真新しい防潮水門を見つけてしまい、目にやり場に…

本気の石積風

富山市に合併された旧八尾(やつお)町の今町地区は、地形的にとてもユニークな成り立ちをしている。神通川に合流する井田川とその支流の間の狭隘な河岸段丘に、直線の街路と短冊状の敷地を持つグリッド街区が形成されているのだ。しかも西側は急傾斜地にな…

巨大なコンクリートの網

先週の土曜日、長野県小谷(おたり)村で開催された「ドボクアート砂防ダム巡りバスツアー」に参加してきた。これがとてつもなくキレキレのツアーで、すっかり興奮しまくってしまった。詳細は、気分次第でまた後日。 ツアー終了後、他の参加者のみなさまと別…

神々しい駐車場

千葉の宝のひとつ、そごうのぐるぐる駐車場タワーの中央部。 未来世紀ブラジルのラストシーンに登場した発電所のクーリングタワーの内部にも似た眺めであり、二重らせんのスロープを定着しているアンカーが壁に点々と並んでいる様は、天に昇るような荘厳な気…

大地の断面

年末から風邪を引いてしまい、数日間すっかり寝込んでいたために、体がこわばってとてもつらい状況になっていた。これをなんとかしようと、1泊2日で東京湾ぐるり一周「大地の断面」新春ツアーを敢行した。千葉の自宅を起点に、房総の採砂場や採石場をいくつ…

トリノのダンメン

昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、11月後半に入居したミラノのアパートをはじめて離れ、2泊3日でトリノに行っていた日だった。あれからまだ1年しか経っていないとは驚きだ。この短い旅はネタが豊富に得られたんだよな…

売り上げがある壁

昨日、待ち合わせの時間まで少し余裕があったのでその周辺を散歩をしていたら、自販機によるバリケード、もしくは、仮囲いを見かけた。角地のビルがなくなり、さらに跡地の駐車場もなくなり、そうした寂しさをどうしても埋めたくなったのだろうね。こうなっ…

汚れのデザイン

いよいよ梅雨の時期が来てしまった。昨年は海外逃亡していたので、極めて快適に過ごすことができたのだが、今年はあの不快感を避けられそうもない。かなりマイナーな気分ながらも、いつもの通勤路のそばに、梅雨らしい風情を醸し出す素敵な壁を見つけた。 階…

赤い灯台のタイル

室蘭港の防波堤の突端に赤い灯台がある。頭上の白鳥大橋、湾内の製鉄所、対岸の石油化学工場、目前を行き交う船舶など、見どころ満載の場所なので終始興奮していたのだが、灯台の壁面が全く予期せぬ素晴らしいもので、すっかり魅了されてしまった。 円筒と直…

十字架アンカー

グラウンドアンカーとは、斜面の地滑りを抑止するため地中に鋼材を突っ込んでそれをググッと引っ張って地盤を強化する工法。道路やダムなんかでよく見るね。アンカーの頭部は各メーカーで異なる形状なので、バリエーションがかなり豊富。みっともないとか痛…

直接的壁面緑化

これほど屈託のないカラーリングや奔放なパイプさばきは、一周回って清々しい気分になるね。

ツムトアさん

ここ数日、ツイッターのタイムライン上に「ペーター・ツムトア」という人物が頻繁に登場している。だれそれ?と不審に思っていたのだが、スイス人建築家の「Peter Zumthor」、つまり「ピーター・ズントー」のことらしい。みすず書房から5月に出版される「建…

壁の穴

ミラノ北駅からコモへ向かう電車が出発するまで少し時間があったので、駅前からチラリと見えたスフォルツェスコ城を散歩してみた。レンガ造りの城は堅固な要塞といった風情で、優美さなどはほとんど感じられない。ここらへんは頻繁に戦争を繰り返していたの…

世界一の壁

スイスにあるグランド・ディクサンス・ダムは、世界一大きい重力式コンクリートダムだ。ということは、世界一大きいコンクリート壁と言ってもいいのだと思う。まあしかし、世界一かどうかはなんてことはどうでも良くて、とにかくこの圧倒的なコンクリートに…