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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

建築

イタリアの造形

完全な主観ではあるけれど、イタリア人の造形力って特別にすごいと思う。街中に溢れる具象彫刻はもちろん、建築物も、自動車も、彼らが生み出してきた立体物の造形には、ついついうっとりさせられてしまう。 ネルヴィが設計したパラッツェット・デッロ・スポ…

入りたかった体育館

なんとなく体育館ネタが続いているついでに、まだアップしていなかったネタを。 2011年のクリスマスの日に、バチカンのサンピエトロ広場でローマ教皇のお言葉をいただいた後に見に行ったパラロットマティカ(PalaLottomatica)という競技場。1960年のローマ…

三角体育館

丹下健三とタッグを組んで数多くの名建築を生み出した構造家・坪井善勝が、単独で設計した体育館が下関にある。1963(昭和38)年につくられた下関市体育館は、全体を通じて三角形の変奏曲といった雰囲気が生み出されていて、そのフォルムはスター・デストロ…

舟の行方

『100均フリーダム』の著者である内海慶一さんの「唐突感こそが、香川県立体育館らしさなのだと思う。」というツイートを見て、「しまった」と思った。丹下健三によるこの体育館は3年前に立ち寄ったことがあるのだが、屋根構造を反映した奇抜で圧倒的なフォ…

まちの記憶の更新

熊本市役所のすぐ近くのアーケード街にひょっこり姿を現した「ダンメン」が、たいへん見事で感激した。通行人の多い繁華街だったので視線が若干気になったんだけど、しばらく佇んでじっくり鑑賞せざるを得ない迫力だった。 建設以来はじめて露出したであろう…

ドーナツターミナル

ヨーロッパの玄関口のひとつ、パリのシャルルドゴール空港はなにかとチャレンジング。1974年の開港から一貫してポール・アンドリューという土木出身の建築家が手がけており、それぞれ特徴があるターミナルを年代を追って楽しむことができる。 その中でも最も…

ステキ階段

建築空間において、階段はたいへん魅力的な存在だよねえ。表情豊かな造形という点でも、移動による視点の変化でも、昇降するという意味においても。もちろん、建築家はそれを強く意識しながら、腕の見せ所と言わんばかりに力が入りまくるのだろう。チューリ…

バズる室外機

たびたびツイッターなどで室外機について触れているが、まさか1万リツイートを越えるとは予想もしていなかった。5日前にシンガポールで見た、ショップハウスの裏にみっちり貼り付いた室外機群が突然バズったのだ。たしかに、現代的な高層ビル群の背景と、野…

将来対応の角

旭川の繁華街にあるビルの側面に、大量の角(つの)が盛大に飛び出していた。神田明神の近くで見たビルにも似たような角が生えていたなあと思い出したのだが、いまひとつその役割がピンとこなかった。SNSを通じて、複数の方から増築のための仕掛けだろうとい…

駅前ビルの表層

新橋駅前ビル1号館が纏っているテクスチャーは、懐かしい未来感に溢れている。それは、なんとも絶妙な色彩、透明感、素材感がつくり出すグリッド。新橋駅の東側を通るときには、いつもうっとり眺めてしまう。 第一京浜側のフラットな面を眺めて、壮大な矩形…

スナック様式の最高峰

先日、富岡製糸場を再訪した(参照:世界遺産のお手入れ)。その際に市街地を散策したのだが、これがなかなかしびれる街並みだった。なんというか、かつて多くの人々が行き交っていた頃の雑多な猥雑さを思い起こさせる、絶妙な昭和感が残されていたのだ。 そ…

国境の屋根

この夏に通過した、オーストリアとリヒテンシュタインの国境にある施設。やたらと薄くシャープに見える板と、たった2本のやたらと細く見える柱で構成されたキャノピーは、重力に逆らう魔法がかけられているように見える。本体となるガラス張りの施設はスケ…

耐震補強庁舎

遅ればせながら、1週間前に発生した鳥取中部地震で被災された方々へ、お見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活が取り戻せますよう、心より願っております。多方面から復興支援に携わられている方々におかれましては、体調管理などに気をつけながら元気に…

コンテナタワー

コンテナ好きとしては、チューリッヒに行くならどうしても立ち寄らねばならない重要な場所がある。それは、トラックの幌をリサイクルしたバッグで有名なブランド「フライターグ」の旗艦店。全部で19個の中古コンテナを用い、4層までは店舗、階段部は9層まで…

スパイラルスロープ

これまでも様々な立体駐車場の螺旋スロープを見てきたが、先日訪れたチューリッヒにも素晴らしい物件があった。フラットルーフと隣接するオフィス部分とのコントラストが効いた、ため息が出るほど整ったダブルらせんだ。別件をストリートビューで調べていた…

ブルータリズム教会

アルプスの山々に囲まれた深い谷にあるクール(Chur)という街で、コンクリートでつくられた面白い教会を訪問した。デジタルテレビのブロックノイズか、終盤で失敗したテトリスか、マインクラフトの世界で作り上げたのかと思うほど、なんとも荒々しい造形の…

世界遺産へ

世界に点在するコルビュジエの建築群が世界文化遺産に登録されることになった。建築家や建築物の基礎知識に乏しく、世界遺産は旅先のついでに見る程度の認識しかない僕であっても、やはり近代建造物ファンとしてうれしい話だね。 上野の国立西洋美術館の個人…

縄文式体育館

秋田のびっくり建築「秋田市立体育館(愛称:CNAアリーナ★あきた)」の続き。外部も内部もクセが強すぎて、あっという間に感覚が麻痺していく気分を味わった。これは、バーゼル近郊の第2ゲーテアヌムで体験した感覚に近いかもしれない。質的には大きく異な…

火山的建造物

フランスのル・アーヴルという街には、5年前に「ノルマンディー橋」を見るために宿泊地として立ち寄った。鉄筋コンクリートの団地が建ち並ぶこの街自体が世界遺産に登録されていることは耳にしていたが、それほど期待も予習もしていなかった。ところがとてつ…

知らない街の有名物件

数ヶ月前、ほとんど訪れたことのない高崎へ出張に行った際、数時間ほど自由になったので、中心市街地を散策することにした。事前に予備知識を仕入れる時間が全く確保できなかったのだが、その瞬間の勘を頼りに徘徊して、有名建築家による駐車場に出会ったり…

道路複合物件

僕のツイッターのタイムラインにはこのところ、先日オープンした駅上超高密度バスターミナル「バスタ新宿」の情報が各方面から多数書き込まれている。僕も早く見に行きたくなってウズウズしているのだけど、しばらくは目の前の仕事から抜け出せそうにないん…

流体表現の女王

あのザハ・ハディドが急逝した。65歳という若さ、押し出しの強い風貌、ザハ建築が世界中でじゃんじゃん建設されている状況なので、まったく想像していなかっただけに、絶句した。そして、残念でならない。 ローマの国立21世紀美術館(MAXXI)では、エントラ…

増築ビル

ピカピカの高岡駅前広場との鮮やかな対比が魅力的な「アドニスビル」は、全く様式が異なるファサードが隙間なく連なっている。無計画に増築を繰り返したのだろうか。香港にあった九龍城を彷彿とさせる、フリーダム感と威圧感が同居した佇まいだ。 富山の町屋…

個性的な同級生と後輩たち

団地好きや室外機好きや写真好きなど、様々な属性の方がそれぞれの観点からオススメしてくださった「湯島ハイタウン」を、ようやく鑑賞してきた。これが想像以上に素晴らしいのなんのって。ベランダがなくシンプルでモダンなファサードになっている上に、室…

小判型ぐるぐる

先日出張で訪れた高崎では、ちょっとした空き時間に市内を散策することができた。高崎の特徴なのか、大きな地方都市の特徴なのかは定かではないが、駅周辺に大規模な駐車場が大量に立ち並んでいる様子にびっくりした。 その中でも、ビルの谷間にチラリと見え…

無人のターミナル

オランダに住んでいたとき、パリのシャルル・ド・ゴール空港を車で訪れ、それぞれのターミナルをゆっくり見て回ったことがある。なにしろ、同じ建築家(ポール・アンドリュー)による年代を超えた様々な方式のターミナルが一気に見られるので。 2003年につく…

大きな空間の展示

このところ建築の展覧会に行くことがすごく増えた。ザハ展、ニーマイヤー展、ゲーリー展に続いて、先日は「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」に行ってきた。自分の興味の対象に建築家や建築物が加わってきたという事もあるだろうけ…

アイデアの実現

なんだかんだ言って、人は自分が理解できないことを否定しがち。 「なんかムカつく」「僕はなんとなくキライだな」「そんなこと教わってない」「自分には関係ないし」「今時の若いヤツは」「常識を知らない」とかとか、自分にとって好都合な言い方をいろいろ…

気になる間取り

先日訪問した鳥取県倉吉市にあった、ものすごく複雑な構成のお宅。ステキすぎてしびれた。段差だらけの外壁面、入り組んだ屋根、連鎖する雨樋。無意識のメタボリズムなんだろうか、ずっと眺めていても飽きないよねえ。何度も写真を見返してみても、その間取…

防火インフラ

高密度の木造建築群は、燃えはじめてしまうとたいへんな大火になってしまう。木造住宅が多い日本では、都市の集積が進行するにつれて深刻な社会問題になっていった。そして1950年代から60年代を中心に、横に長いコンクリートの建物によって都市の延焼を食い…

巨大ちくわ

キューブ・ハウスなどの少々イカレたダッチ建築が密集するロッテルダム・ブラーク駅に、新たなびっくり建築が加わった。高さ40m、幅71m、長さ114mもの巨大な半身の「ちくわ」である「マルクトハル・ロッテルダム」だ。昨年のお正月に行ったときにはまだ完成…

丹下団地の使われ方

香川県高松市にあの丹下健三が手がけた「県営一宮団地」は、至る所にあるナナメのラインや配置がものすごくかっこいいよ。建物自体のフォルムもステキなんだけど、その建物でズバズバ切り取られた表情豊かで贅沢な空間がたまらないんだよな。 それはともかく…

変態団地

昨年の夏にシンガポールに行った際、あまりのコンテンツの多様さと濃度にまいってしまった。うっかりブログに残していなかった物件がまだまだあるのだけど、これだけはさっさと書いておくべきだった。オランダを本拠地とする建築集団のOMAが設計した変態団地…

でっぱり物件

オランダの建築家集団MVRDVによる設計で、55歳以上の年齢制限がある高齢者用集合住宅「オクラホマ」。1997年に建てられた。 いくらなんでもそりゃ出っ張らせすぎだよと思いつつ、実際に見てみると、あまりにも豪快に出っ張っていて本当にびっくりする。なん…

歴史のお勉強

昨年のお正月に敢行したオランダ旅行では、ロッテルダムのファン・ネレ工場にも行った。もっとも見学の予約をしていなかったので、ゲートから中には入れなかったんだけど。 ここは昨年の6月に世界遺産登録されたばかりの工場で、もともとは煙草、紅茶、コー…

魂が宿るコンクリート伽藍

一見するとパステルカラーで彩られたファンシーなキッズスペースに見えるだろうが、それはある意味で正しい。ここはスイスのバーゼル近郊にあるシュタイナー教育の総本山「第2ゲーテアヌム」のホールに至る階段室だ。 この異様な建物は、内と外のイメージが…

鉄の分子模型

ベルギーの首都のブリュッセルの観光名所といえば、絢爛たる広場のグランプラスか、華麗なアールヌーボー様式の建築か、過度な期待は禁物の小便小僧あたりだろうか。いやいや、鉄の分子構造を1650億倍という訳の分からない拡大率で高さ100mを越えるサイズに…

改装市場で気分転換

自分は仕事柄、写真は記録のための重要なアイテムなので、たくさん撮る方だと思う。その大量の写真の管理方法は、フィルムの頃とデジタルの現在とは大きく異なる。かつては、被写体の種別やテーマごとに、厳選した写真を焼き増しして、実際のアルバムの形で…

ザハ展雑感

先週、ようやく東京オペラシティ・アートギャラリーで開催されている『ザハ・ハディド』に行ってきた。4年前の欧州在住時に3つのザハ空間を体験したことがあるため、展示内容にリアリティーを感じつつ、過去から現在進行中の仕事までを一気に堪能できて、…

高速道路貫通ビル

以前お伝えした芝浦の「水管橋貫通住宅」もカオス的未来感のあるたたずまいが凄まじかった(残念ながら今はもうない)が、阪神高速のランプにぶち抜かれている大阪梅田のオフィスビルも凄まじい。こちらの方は、昔のマンガや映画によく出てきた未来の街がリ…

耐震補強様式

これまでにもいくつか取り上げてきた(モダニズム神社、デパートの裏側、巨大ミニチュア)ように、福井市内には魅力的な物件が多く存在しているという印象がある。上記物件もその中のひとつ。 ここまでやれば、「耐震補強様式」という独立したスタイルとして…

モダニズム神社

先月、福井に出張したときのこと。とある寄合に出席していたところ、知人に福井神社にはもう行ったよねと、スマホの写真を見せられながら問われた。これは見ておかねばならない物件だよなあと思い、大いに悩んだ末に寄合を中座して現地に急行した。 この神社…

高架下建築の行方

先週末、久しぶりに浅草橋近辺の総武線高架橋を見に行ったところ、衝撃が走った。珠玉の名品とも言えるピンクの高架下建築(土木と建築の融合)が取り壊されていたのである。こういう事態は想定していたとは言え、やはり現実を目の当たりにすると落胆してし…

デパートの裏側

デパートなどの集客力がある大きな建物の裏にある避難階段が面白く感じるようになってきた。もちろん過去の写真を振り返ってみても、様々な階段に興味を持って撮ってきたことは間違いないのだが、旧木更津そごうの避難階段(反復階段)を見てからは、はっき…

看板建築の集大成

アムステルダムの北側にあるザーンダム駅前は、いろいろアレすぎて、どうすればいいのかわからなくなる。近くにあるザーンセスカンスという歴史的地区の装飾を踏襲しているようなのだが、どうしても正視できずに、どんどん心がささくれ立っていくのを感じた…

人工の土地

先日四国を訪問する際に、Twitterで「僕が行くべきところを教えて!」と羽田空港でつぶやいたところ、僕の好みを理解してくださっている方々からいろいろとご教示いただけた。その中に「坂出人工土地」という不思議な響きのワードがあったので簡単に調べてみ…

反復階段

木更津駅西口に面した商業施設の裏側に、極めてゴージャスな避難階段があった。この建物から海側は背の高い建物がそれほど多くないため遠くからでもよく視認でき、木更津のシンボルと言ってもいいくらいの存在感を放っていた。 この商業ビルはもともと「木更…

イタリアが好きになる理由

ヴェローナのカステルヴェッキオ美術館(古城の軽い橋)、ヴェネツィアのクエリーニ・スタンパリア美術館(スカルパの橋)などをじっくり見た結果、カルロ・スカルパの信念に基づく動線計画の緻密さやディテールの工芸的完成度の高さなどにすっかり魅了され…

フィリップスのUFO

オランダのアイントホーフェンという街は、大手家電メーカーであるフィリップスの企業城下町である。街のあちこちにフィリップスが絡む建造物があるのだけど、アイントホーフェンのシンボル的存在の「Evoluon」はその代表格。未確認飛行物体のイメージを持つ…

教会書店

以前、マーストリヒトにある教会をリノベーションした書店(時の刻み方)を見に行った。アムステルダムから東に100kmほどのズウォレの街にも、昨年の夏に教会リノベ書店がオープンしたという情報を入手したので、お正月に立ち寄ってきた。 15世紀に建てられ…