はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

形態

モダニズム神社

先月、福井に出張したときのこと。とある寄合に出席していたところ、知人に福井神社にはもう行ったよねと、スマホの写真を見せられながら問われた。これは見ておかねばならない物件だよなあと思い、大いに悩んだ末に寄合を中座して現地に急行した。 この神社…

ランドアート防風板

3年前のオランダ在住時に、うっかり見に行き忘れてしまった重要施設があり、そのことが夜も眠れないほどに悔しかったので、今年のお正月に行ってきた。ロッテルダムの西方にある「ローゼンブルク・ウインド・ウォール」だ。伝説の雑誌「SD」に、1995年に発…

フィリップスのUFO

オランダのアイントホーフェンという街は、大手家電メーカーであるフィリップスの企業城下町である。街のあちこちにフィリップスが絡む建造物があるのだけど、アイントホーフェンのシンボル的存在の「Evoluon」はその代表格。未確認飛行物体のイメージを持つ…

ダッチっぽい自転車橋

オランダの東部のナイメーヘンという街に、つい最近開通したばかりの長大アーチ橋を見に行ってきた。ベルギーを拠点に活動している構造設計家のローラン・ネイ氏によるものだ。たっぷり時間をかけてその橋を見た後に、次の目的地に移動しようと車を走らせる…

過剰造形駅舎

チューリッヒはスイス最大の都市なので、うっかり首都なんだと思い込んでいた。え?違うの?じゃあ国際的なイメージから、ジュネーブかバーゼルなんじゃないの?と思ったのだが、これも違った。正解はどこなのかというと、ベルンという街である。少し調べて…

赤い橋脚

最近まで全くノーマークだったんだけど、柏崎の海岸段丘に切れ込んだ深い谷に架かる米山大橋って、すごくかっこいいね。たまたまネットで引っかかった情報から、この橋を見てみたいなと思って、先月に別件のついでに立ち寄った。 1967(昭和42)年につくられ…

不思議アーチ

斜角(スキュー)が大きいアーチ橋は、高確率でおかしなことになりやすい。上路アーチ橋ならまだしも(トリックアーチ)、下路アーチだと目を疑う構造物(ねじれた関係)になることもある。 美瑛町の白金温泉に架かる歩道橋も、アーチ部材が細いパイプという…

宇宙的鮮魚空間

はじめて築地市場に行ってきた。 昼下がりの市場はすでに閑散としており、脳天気な世界から時間空間がぽっかり切り取られたかのよう。天井から漏れる光は、なんとも妖しい色彩とともに屋根のトラス構造を浮かび上げている。大きなカーブのついた大空間の床に…

連担する様

かすかに違うけどほとんど同じようなものが連担している状況って、すごくグッとくる。特にそれがでかいものだと。こんな気持ちになるのって、僕だけじゃないよね?

パイプ屋根

ミラノのポルタ・ベネツィア駅の、メトロじゃなくてS線の方の駅部。土かぶりの少なさのためか、パイプルーフ工法(THパイプルーフ技術協会|工法の概要)で大空間をつくり出している。特殊な工法がそのまま空間フォルムやディテールに反映されているのがとて…

立体構成

なにこのビル、やたら魅力的なんですが。面の構成やら、突き出した梁やら、室外機やら、パイプやら、質感やら。いったい用途はなんだろうかねえ。いろいろ気になるねえ。

美ダム

「日本一美しいダム」と言われている、大分県竹田市にある白水堰堤。その白いレースのような落水表情には、ため息をつきながらついつい魅入ってしまう。結構な山の中にあり、大分市からも熊本市からも車で2時間以上かかる。なんでこんな人目につきにくい辺鄙…

一本の線

熊本県天草諸島の最南端、フェリーで対岸に渡ればもう鹿児島県という行き止まり的な場所に架かる「牛深ハイヤ大橋」。個人的には1997年に完成したときからずっと実物を見てみたかった憧れの橋。熊本市から3時間はかかるという立地なので、なかなか手を出せず…

ワケを教えて

韓国の仁川(インチョン)空港の近くに、「松島(ソンド)新都市」という遠浅の海を埋め立てて一気に建設された近未来都市がある。上の写真の橋はそのエリアで見かけた斜張橋。斜めに開いた2つのリングを上端でケーブルによってつなぎ止め、これを主塔とし…

構造の遊び

朝に羽田を出発して北九州に入り、レンタカーでいわゆる近代化土木遺産をいくつかまわって佐世保まで行くという、わりと無茶苦茶な行程ではあったけど、ずっと見てみたかった弓張岳展望台になんとか日没直前に到着した。 これは1965(昭和40)年につくられた…

イケメン高架

新東名は険しい地形を無理矢理ぶち抜いて道路を通しているので、必然的にトンネルと高架橋が連続している。そもそものお値段はどちらにしてもとてもお高いので、いろんなところで徹底的にコスト縮減が図られた。その影で泣いていた人は数知れない(僕も少し…

ゆがんだ主塔

2006年に開催されたトリノ冬期オリンピックに際してつくられた歩道橋。鉄道とその車両基地を跨いで、選手村と地下鉄駅方面を結んでいる。縦にも横にも斜めに傾斜しているアーチ状の赤い主塔、吊っているんだかカウンターウェイトにしているんだかよくわから…

リアル集中線

室蘭港の埠頭に野晒しで積まれていた、様々な太さの鋼棒。みっちり具合、鉄の重量感、自由な配置、錆のテクスチャー、一点集中のパース感、もうたまらない。港湾にはこうした無名の作品がたくさんあるので楽しいね。

硬い造形

ベルギーのKortrijkという街にLaurent Neyが手がけたcollege橋を見に行ったとき、その隣に架かっている桁橋が気になったので近寄ってみた。直線的な造形はやりすぎなくらい硬質感がある。極端に裾広がりの橋脚は、河川の高水敷だったら成立しないフォルム。…

リピート

同じものが繰り返されるってことに大きな魅力を感じる。それは宗教音楽やテクノから受ける印象によく似ている。たとえば、繰り返される旋律、淡々とした音色、規則正しいリズム、単調な構成。こうした要素が、覚醒や恍惚や高揚といったいわゆるトランス状態…

ミラノの玄関

ミラノはファッションやデザインの街として名高い。でも、空の玄関口であるマルペンサ空港に架かる斜張橋は、びっくりするほど鈍くさい。いろいろと腐心している形跡はあるのだが、いかんせん構造フォルムが不格好なのだ。 最初にこの空港に降り立って街に向…

ヴェネツィアの赤いアーチ

ヴェネツィアのカナルグランデを跨ぐ4つめの橋は、2008年に架けられたばかり。鉄道と道路のそれぞれの玄関口であるサンタルチア駅とローマ広場を結ぶという極めて重要な位置にある。設計はご存じカラトラバ。 僕の中でカラトラバは空気が読めない、もしくは…

うずまき

バチカン博物館の出口には、とてもすてきな二重らせんのスロープがある。下に行くほど渦が小さくなるので、曲率も勾配も変化する。とても素敵でしびれたのだけど、転倒事故が多いのか転倒するピクトさんが描かれた黄色の三角板が異様にたくさん壁に貼られて…

ファシストの家

ジュゼッペ・テラーニというイタリアのモダニズム建築家が設計したカサ・デル・ファッショという建物が、スイスとの国境付近のコモにある。1932年にムッソリーニのファシスト党本部として建てられ、現在は国境警備隊が使っている。まあ権威を象徴するのが使…

トリックアーチ

ミラノから電車でおよそ1時間のコモの街を散策中、遠くの方にチラリと見えた山裾の鉄道高架橋に大きな違和感を抱いた。急いで近づいてみると、それは理解しがたい連続コンクリートアーチ橋だった。なんだこれ、アーチ部分におかしな段差が付いているぞ。左か…

オーバーパース

フランス東部の国境の街、ストラスブールの郊外にあるパークアンドライドのトラムターミナル。イラク出身の建築家ザハ・ハディドが設計したもの。絵心のない人が頑張ってつくったフォトモンタージュのように、画面左下の人と車のパースがおかしなことになっ…

非ダッチデザイン

アムステルダムの自転車道に架かる自碇式吊橋のnesciobrug。緩やかなカーブの線形や、断面形状が連続的に変化する鋼箱桁や、シンプルな各部のおさまりなどがすごく素直できれい。流麗で繊細で洗練された印象を受ける。つまり、オランダらしくない。ダッチデ…

真っ直ぐではない塔

バルセロナのモンジュイックの丘にあるカラトラバがデザインした通信塔。これが、想像以上にさわやかなかっこよさだった。 カタルーニャの突き抜けた青空のせいなのか、オリンピック会場のばかばかしいほどの空虚感とのマッチングに感激したせいなのか、前日…

ひねり技

ロッテルダム近郊の水路に架かる自転車と歩行者のための橋。とても現代のオランダらしさを感じる。経済的合理性や典型的な美とはまた少し違う方向、ジョークのように見せかけて本気でやるというアプローチ、失敗してもそれほど気にしない寛容さ。いやほんと…

ゲーテアヌム

「シュタイナー教育」というのが結構流行っているようで、時折噂を耳にする。ウィキペディアには「シュタイナー教育の目指すものは、宇宙にある諸事物の理念を、人間と結びつけて理解し、それによりミクロコスモスとしてのわたしを活き活きとした理念で満た…