はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

構造

高度な仮橋

牛伏川フランス式階段工の上流に、自衛隊クラスの技術力が駆使されたのであろう、かっこいい仮橋があった。桁はアルミ製梯子。片側にはV字橋脚を延長してつくられた高欄まである。もちろん僕は腰が引けてしまい、渡ることができなかったよ。

趣味趣向の差異

先日、ダムマニアの方4名とお話を伺う機会があったのだが、どの形式が好きか尋ねたところ、3名が重力式コンクリートダム、1名がフィルダムと答えられた。僕が好きなアーチダムやバットレスダムが挙がらなかったことが意外に思った。たしかに重力や物量によっ…

アテンザの橋

正月早々、またマツダがやってくれた。アテンザの新しいTVCMのロケ地になっているフランスの「ミヨー橋(Millau Viaduct, 2004)」がかっこよすぎるのだ。 前作のコントラダムでもそうだったけど、クルマを引き立てるためにドボク的ロケ地を選定したというよ…

アーチ界の重鎮

長崎の佐世保市と西海市の境界である伊ノ浦(針尾)瀬戸は、とても贅沢な観光ポイントだね。西海橋と新西海橋の2つの素敵なアーチ橋が架かっているし、びっくりするぐらい潮の流れが速くて、うまくすれば渦潮も見られるらしいし、新西海橋からは針尾送信所…

白くて薄い太鼓

周辺の植生さえそれっぽければ、「これ、スイスの山奥で見かけたきれいな橋だよ」と言ってもそのまま通りそうな橋。アーチ状の薄いコンクリート床版がそのまま構造部材になっていて、ミニマルで緊張感のある見事なフォルムが素敵すぎる。こんな切れ味鋭い構…

構造の遊び

朝に羽田を出発して北九州に入り、レンタカーでいわゆる近代化土木遺産をいくつかまわって佐世保まで行くという、わりと無茶苦茶な行程ではあったけど、ずっと見てみたかった弓張岳展望台になんとか日没直前に到着した。 これは1965(昭和40)年につくられた…

オリンピックドーム

1960年のローマオリンピックの会場としてつくられたPalazzetto dello Sport(完成は1957年)。トリノのTorino Esposizioniと同様、イタリア人構造デザイナーのPier Luigi Nerviが手がけた物件だ。このドーム屋根のコンクリートのリブがあまりにも美しく整い…

展示物のない展示空間

かつてトリノモーターショーが開かれていたというTorino Esposizioniの内部空間。このドームはPier Luigi Nerviの設計により1949年に建設されたものだ。ネルヴィの屋根が見たくてトリノに来たのだ、どうしてもこの目で見て帰らなければ、という気分でヴァレ…

渓谷を渡る板

先月のスイス訪問では、重要な巡礼地として東部のViamala渓谷に架かるPunt da Suransunsも参拝した。これはユルグ・コンツェットが設計した吊床版歩道橋で、これまでも何度か噂には聞いていた。なんでもまじめにハイキングをしなければ見ることができないと…

スイス橋梁巡礼

今回の橋梁巡礼は、いよいよスイス。満を持して、と言いたいところだけれど、行程の組み立てが非常に難しく、かなりハードな巡礼スケジュールになっている。なにしろ、ロベール・マイヤール、クリスチャン・メン、ユルグ・コンツェットなど、スイスには見る…

かっこいい技術

マインツの北隣、ヴィースバーデンに架かるスパン約100mのアーチ橋。1967年当時の最新技術である軽量コンクリートを用いたPC構造および両側からの張り出し工法による架設といった点で、技術的にも価値があるらしいのだけど、見た目も非常に素敵。 地覆のライ…

二重らせん展望台

シュトゥットガルトの公園の高台にあるキレスベルクタワー。なんなんだこの浮遊感は。二重らせんの階段によってより不思議な雰囲気が増している。見ているだけでひやひやするが、登ってみるとさらにひやひやする。だって、結構揺れるんだもの。 よく見ると、…

板のバックステイ

ネイ事務所の方から、KortrijkにあるS字の線形が美しい歩道橋College橋のすぐ近くに最近できた道路橋はグレイシュ事務所絡みだというお話しを伺っていたので、しばらくネット上で調べていた。しかし、2010年秋に開通したばかりという新しさな上に、英語と蘭…

異種格闘技戦

デュッセルドルフを流れるライン川に架かるハム・ノイス鉄道橋。メインスパンをバスケットハンドル型のアーチリブで補剛している2径間連続ワーレントラスという、極めてユニークな構造。アーチとトラスの緊張感みなぎる異種格闘技戦だ。 こんなややこしい混…

逆アーチ風トラス

エクサンプロヴァンスの近くにあるViaduc de l'ArcというTGVの鉄道高架橋。Ventabren Viaductについて調べていたときにたまたま見つけたので立ち寄ってみた。バスケットハンドル型の鋼アーチをひっくり返したようなパイプトラスの上にRC床版を載せた橋。逆さ…

宙に浮くアール

きれいなカーブを描く鋼箱桁が浮かんでいるこの光景、不思議でしょうがない。エンジニアリングに対する絶対的な信頼がなければ、橋脚のないこの橋を渡ることはできないよね。いやほんと、うっとりするよこの橋。ドイツの橋梁デザインは、本質を突きながらも…

アメンボ

ロンドンのドックランズという再開発地区に架かっている浮き橋。荷重には浮力で抗するため、基礎が省略できてお得になる。流されないように水中にアンカーで固定しているらしいが、当然のことながらそれなりに揺れる。ふわふわした気分で渡れる楽しい橋。か…

玄人好みのハイテク橋

ベルギーのVerviersという小さな街に架かる橋長30m、幅員2mのCentner歩道橋。一見したところ小振りで地味な印象なんだけど、一歩踏み込んでじっくり眺めてみると、最新技術が注ぎ込まれたクールな橋であることが感じ取れる。 構造形式はU字断面を持つ鋼下路…

結構古い少数主桁

ベルギーのリェージュからE25(A26)で南へおよそ30km下ったところに架かるSécheval高架橋。この端正な橋の特徴は、主桁が2つと少ない上に、横構や対傾構といった細かい部材がなく、かなりシンプルに成り立っているということ。 これは少数主桁橋といって、通…

使徒、襲来

はじめてネット上でこの歩道橋の写真を見たとき、なにかの冗談かと思った。有機的な白い表皮を持つモノフォルムは、そもそも橋に見えないよね。アニメ好きがつくった良く出来たCGかと思ったのだが、どうやら現実のもののようだ。じっくり見ていくにつれ、徐…

巻き取り橋

マッチ棒のような頭を持つコンクリート柱に取り付けられた円柱をぐるぐる回して、そこから吊されたワイヤーを巻き取り、桁をリフトアップするという可動歩道橋、Coupure橋。ベルギーのブルッヘ(ブルージュ)という街にあり、スイスの構造家のユルグ・コンツ…

読み解きの必要性

ベルギーのKortrijkという街にあるローラン・ネイが構造デザインを手がけた吊橋、college橋。繊細で危うい緊張感を感じて、美しい女性を見かけたときのようにかなりときめいた。 この橋は、滑らかなS字を描く桁が下がろうとしたり浮き上がろうとしたりねじれ…

クノッケの白い板

日曜日はベルギーを拠点に活動している構造デザイナーのローラン・ネイ氏へのインタビューに同席させていただく機会を得て、ブリュッセルに行ってきた。氏が考える構造・造形・環境・施工などを材料に、どのようなアプローチで料理を仕上げていくのかという…

写真写りが良くない橋

ブリュッセル郊外の遊歩道にひっそりとたたずむ、ローラン・ネイが設計したStokkel歩道橋。構造力学に対する純度を保ちながらも、とても彫刻的なトラス橋である。緊張感のある美しさを感じて、一目見ただけで気に入ってしまった。 この手の透過性が高く軽量…

魔法のピラミッド

ダヴィンチ・コードにも登場した逆さピラミッド。ルーヴル美術館に隣接する地下ショッピングセンターにある。これまた不思議な構造物。なんでこんな重力に逆らったものが成立しているのかしら。人類ってすごい。

魔法の橋

La Défenseという再開発エリアに架かるValmy歩道橋は、上から吊っているわけでもないのに、こんなに桁がカーブしているのに、柱がほとんどない。まるで魔法がかけられているようだ。あまりの軽快さに渡るのに躊躇する。 この不思議な橋は、ものすごいテクニ…

トンネルアンカー

マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋…

喰われるトラス

過日、外輪太郎さんにご案内いただいた水路行でのひとつのハイライトがこのトラス。やけに鈍重なポニートラスの道路橋が、上空に架かる鉄道橋の桁に喰われ踏みつけられている。その様子は極めて生々しく、まるで虐待を受けているかのような光景。なんかもう…

江東の赤トラス

富岡八幡宮の裏手の、もともとは水路だったとおぼしき遊歩道に、ちょっと変わった赤いトラス橋が架かっている。ふらふら散歩しているときに偶然目にして、なんだなんだと思って橋の下に行き、いくつか設置されているプレートを確認した。それらによると、橋…

片持ち梁の絶妙な緊張感

こういうのって興奮する。僕だけじゃないよね、きっと。