はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

構造

読み解きの必要性

ベルギーのKortrijkという街にあるローラン・ネイが構造デザインを手がけた吊橋、college橋。繊細で危うい緊張感を感じて、美しい女性を見かけたときのようにかなりときめいた。 この橋は、滑らかなS字を描く桁が下がろうとしたり浮き上がろうとしたりねじれ…

クノッケの白い板

日曜日はベルギーを拠点に活動している構造デザイナーのローラン・ネイ氏へのインタビューに同席させていただく機会を得て、ブリュッセルに行ってきた。氏が考える構造・造形・環境・施工などを材料に、どのようなアプローチで料理を仕上げていくのかという…

写真写りが良くない橋

ブリュッセル郊外の遊歩道にひっそりとたたずむ、ローラン・ネイが設計したStokkel歩道橋。構造力学に対する純度を保ちながらも、とても彫刻的なトラス橋である。緊張感のある美しさを感じて、一目見ただけで気に入ってしまった。 この手の透過性が高く軽量…

魔法のピラミッド

ダヴィンチ・コードにも登場した逆さピラミッド。ルーヴル美術館に隣接する地下ショッピングセンターにある。これまた不思議な構造物。なんでこんな重力に逆らったものが成立しているのかしら。人類ってすごい。

魔法の橋

La Défenseという再開発エリアに架かるValmy歩道橋は、上から吊っているわけでもないのに、こんなに桁がカーブしているのに、柱がほとんどない。まるで魔法がかけられているようだ。あまりの軽快さに渡るのに躊躇する。 この不思議な橋は、ものすごいテクニ…

トンネルアンカー

マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋…

喰われるトラス

過日、外輪太郎さんにご案内いただいた水路行でのひとつのハイライトがこのトラス。やけに鈍重なポニートラスの道路橋が、上空に架かる鉄道橋の桁に喰われ踏みつけられている。その様子は極めて生々しく、まるで虐待を受けているかのような光景。なんかもう…

江東の赤トラス

富岡八幡宮の裏手の、もともとは水路だったとおぼしき遊歩道に、ちょっと変わった赤いトラス橋が架かっている。ふらふら散歩しているときに偶然目にして、なんだなんだと思って橋の下に行き、いくつか設置されているプレートを確認した。それらによると、橋…

片持ち梁の絶妙な緊張感

こういうのって興奮する。僕だけじゃないよね、きっと。

三角の塔

近所に火の見櫓がぽつんと残っている。かつては日本全国どこにでもあったけど、警報システムの変化や老朽化のために急速に減ってきているんだそうな。 三角形の断面を持つトラスの構造フォルムはかなり魅力的。でも、補強のためだろうか外側に取り付けられて…

ぶら下がり歩道橋

もうすぐお正月。ドボク詣をする方々におかれましては、風邪などをお召しにならないよう、防寒対策を忘れずに。僕も大山さんの高架下初詣に参加させていただく予定。ゴール地点は箱崎ジャンクションだ。 箱崎詣に際しては、幾重にも交錯する橋桁の重厚なアン…

新しい跨線橋

先日札幌に行ったとき、10年近く前に自分が関わらせてもらった「北郷通こ線橋」を見に行ってきた。鉄道を跨ぐ鋼コンクリート複合橋だ。ほぼイメージ通りに、とてもきれいに仕上がっていた。設計や施工に関わった方々の熱意が伝わってきて、感激した。 特に階…

橋を吊る橋

首都高速道路6号線と7号線が結ばれる両国ジャンクション。ここにかなりアクロバティックな構造を持つ橋がある。ちょっと見ただけではわかりにくいけど、なんと、上の7号線の桁が下の6号線の桁を吊っているのだ。 これをはじめて見たときは、あまりの大胆…

タワーマスター

名古屋テレビ塔、さっぽろテレビ塔、大阪通天閣、博多ポートタワー、東京タワー。これらの塔は、すべて同じ人物が設計した。内藤多仲という建築家だ。すごいよねぇ、日本の塔のゴッドファーザーだ。ちなみに個人的には、これらの塔のプロポーションやバラン…

床版だけ高架橋

首都高には面白い構造物がいっぱいある。 ふつう高架橋には桁があるんだけど、ここではそれが一瞬スカッと途切れている。橋を見慣れてしまった自分にとって、桁がなくてRC床版しかないのは、極めて短いスパンとは言っても、ものすごく不自然で不安を感じる…

構造デザイン的アプローチ

パリ市内の運河に架かる歩道橋。テンションメンバーによってアーチを描く薄い桁を補剛している。プレファブの鋼桁部を船で運び、コンクリートの脚部に落とし込むという方法によって、極めて短期間に施工したとのこと。 以前、設計者のマルク・ミムラム氏にお…

アーチ式斜張橋

出張で来ている台湾で、移動中に珍しい橋を見かけた。主塔がアーチ状になっている斜張橋だ。 斬新なものをがんばって考えてみましたというような、学生作品的なノリを感じた。 一瞬しか見えなかったのが残念。もっとじっくり見たかったな。

水面の道

世の中には変わった橋がある。数年前、シアトルで“浮き橋”という形式を見かけた。と言っても、上空から見ただけだけど。 浮き橋は、浮力によって橋の重量を支える形式。このワシントン湖は水深が深くて、基礎の設置を断念したのだそうな。歩道橋ではときどき…

巨大コンクリート塊

昨日、久しぶりにダムをじっくり鑑賞してきた。重力式コンクリートダムのド迫力は、やっぱりすごいね。 この形式は、コンクリートの重量によって水圧を支えるというもの。極めてシンプルな仕組みだ。日常的に経験するものごとのスケールが、とんでもなく大き…

建築的堤体

函館の水がめ、笹流ダム。コンクリートが貴重だった大正の頃、材料費を抑えるために、えらく手間がかかるバットレスという構造形式が用いられた。そのため、まるで建築物のファサードような独特の表情が生まれている。でも、もとの姿はそれぞれの部材が細く…

先人の寡黙な仕事

小樽の水がめ、奥沢水源池にはすてきな水の階段がある。堤体は普通のアースダムなんだけど、この階段式溢流路は緩やかにカーブしながら扇状に幅を広げて、周囲の樹林とともに美しい落水の表情を魅せてくれる。 大正3年(1914年)につくられて、いまも現役。…

解決方法の探索

シュトゥットガルトにある、公園と住宅地を結ぶ歩道橋。コチラでも紹介した、J.シュライヒの設計。まるで樹木のように上方に拡がった、細く赤い橋脚が目を引く。気分としては、5径間の橋だが、見方によっては17径間とも言える。ここがキモ。 シュライヒは…

構造設計家

シュトゥットガルトにある、道路で分断された2つの公園をつなぐ歩道橋。橋梁ではなかなかお目にかかれない「ケーブルネット構造」という形式だ。ネットにはブドウのつるが絡まり、緑に覆われる予定なんだそうな。僕が見たのはだいぶ前のことなので、今はど…

懸垂

懸垂式モノレールの軌道。モノレールの形式を大別すると、車両が軌道を跨ぐ「跨座式」と、軌道から車両を吊り下げる「懸垂式」の2通りがある。 詳しく知らずに書いてしまうが、懸垂式のメリットって、なんだかわからない。建設コストは跨座式よりもずっと高…

正当な意地悪

ジェットコースターを構造物として眺めてみても、結構面白い。力の流れが明確に形に現れていたりする。複雑な取り合いをうまく収めていたりする。それはそうと、眺めたり乗ったりする以上に、ジェットコースターのデザインって面白そう。きっと、経験による…

2枚のレンズ

ピッツバーグのダウンタウンは2つの川の合流部に位置しているので、必然的に多くの橋が架けられている。それらの橋はみな、申し合わせたように鋼製の年代モノである。かつて鉄の街として栄えていた証なんだろうね。中でも目を引くへんてこな橋がある。“レン…

ブリュッケン

前回の橋梁を遠くから眺めると、こうなる。異様にスレンダーかつシンプル。テーパーがついた細い橋脚、ストラットで剛性を高めている鋼箱桁、両端の斜面の保全を実現したケーブルトラス。地味に見えるけど、かなり冒険している構造物だ。実際にこの橋に触れ…

逆さまの斜張橋

ドイツ・アウトバーンのネッカータール高架橋。この写真ではわかりにくいけど、復員は30m、橋脚の高さは120mの巨大な橋だ。10mの張り出し床版を支えるストラットがすてき。渋い配色もすてき。この橋の支間割りは、230+3@134+230。端が長い変則的なもの。普通…

橋梁的建築物

建築物と橋梁は、もともと近い関係にある。柱≒橋脚、梁≒桁、屋根≒床版というように理解すればいい。空間をつくるか路面をつくるかの違いというように理解すればいい。そうは言っても、1964年の東京オリンピックのときに建設された代々木の第一体育館ほど“橋…