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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アテンザの橋

正月早々、またマツダがやってくれた。アテンザの新しいTVCMのロケ地になっているフランスの「ミヨー橋(Millau Viaduct, 2004)」がかっこよすぎるのだ。 前作のコントラダムでもそうだったけど、クルマを引き立てるためにドボク的ロケ地を選定したというよ…

アーチ界の重鎮

長崎の佐世保市と西海市の境界である伊ノ浦(針尾)瀬戸は、とても贅沢な観光ポイントだね。西海橋と新西海橋の2つの素敵なアーチ橋が架かっているし、びっくりするぐらい潮の流れが速くて、うまくすれば渦潮も見られるらしいし、新西海橋からは針尾送信所…

ワケを教えて

韓国の仁川(インチョン)空港の近くに、「松島(ソンド)新都市」という遠浅の海を埋め立てて一気に建設された近未来都市がある。上の写真の橋はそのエリアで見かけた斜張橋。斜めに開いた2つのリングを上端でケーブルによってつなぎ止め、これを主塔とし…

動く橋の内部

隅田川の最下流に架かる勝鬨橋は、桁をハの字型に跳ね上げる「シカゴ型固定軸双葉式跳開橋」である。水運と陸運が拮抗していた昭和15年(1940年)につくられた。土木工学、機械工学、電気工学の当時の最新技術を結集したこの橋は、見どころ満載だよ。もちろ…

平家の赤い橋

日本中の山間部には必ずと言っていいほど平家伝説があるような気がする。壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人が人目を避けて隠れ住んでいた、というあれだ。個人的には今になって平家推しで地域おこしをするってのは、人付き合いがあまり得意でなかったのかもし…

ポテンシャルの高い駅

JR四ツ谷駅でホームに降り立ち、改札へ向かうときにいつも感じるのだけど、この駅は心からもったいないと思う。頭上の方杖ラーメン橋がつくる桁下空間のフォルムがすごくかっこいいのに、駅舎がその良さを完膚無きまでに打ち消している。それどころか、道路…

デザインによる技術発展

韓国の光陽と麗水を結ぶ、完成間近のイスンシン大橋。橋長2,260m、支間長1,545m(世界第4位)、主塔高262mというワールドクラスのスケールで、4年半というとんでもなく短い工期でつくられた吊橋だ。たいへんありがたいことに、この橋のデザインに僕も深く携…

イケメン高架

新東名は険しい地形を無理矢理ぶち抜いて道路を通しているので、必然的にトンネルと高架橋が連続している。そもそものお値段はどちらにしてもとてもお高いので、いろんなところで徹底的にコスト縮減が図られた。その影で泣いていた人は数知れない(僕も少し…

アリゾナ

なんだか今日はこのブログへのアクセス数が多いなあと思ったら、こちらの記事(デイリーポータルZ:広島空港の紅い橋を観に行く)で過去記事をご紹介いただいていた。紅い橋の違和感、魅力的だよねえ。 というわけで、感謝の気持ちを込めて成田空港の誘導灯…

ゆがんだ主塔

2006年に開催されたトリノ冬期オリンピックに際してつくられた歩道橋。鉄道とその車両基地を跨いで、選手村と地下鉄駅方面を結んでいる。縦にも横にも斜めに傾斜しているアーチ状の赤い主塔、吊っているんだかカウンターウェイトにしているんだかよくわから…

贅沢な家

室蘭の白鳥台という新興住宅地からの眺望。白鳥大橋とJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所のプラントの眺めをセットで見ることができる。 僕のような橋や工場の眺めが好きだという人にとっては、極めて贅沢な環境だよね。うらやましい。うっかり別荘としての可能…

ネタかぶり

先日の日本橋川や神田川を巡ったクルーズでは、案の定上空に架かる首都高高架の乱暴で強引な眺めにうっとり見とれた。おおこの落橋防止装置はやばいぞ、さっそくブログにアップしなければ、などと興奮しながらこの写真を撮ったわけだが、なんと同じものを陸…

硬い造形

ベルギーのKortrijkという街にLaurent Neyが手がけたcollege橋を見に行ったとき、その隣に架かっている桁橋が気になったので近寄ってみた。直線的な造形はやりすぎなくらい硬質感がある。極端に裾広がりの橋脚は、河川の高水敷だったら成立しないフォルム。…

ミラノの玄関

ミラノはファッションやデザインの街として名高い。でも、空の玄関口であるマルペンサ空港に架かる斜張橋は、びっくりするほど鈍くさい。いろいろと腐心している形跡はあるのだが、いかんせん構造フォルムが不格好なのだ。 最初にこの空港に降り立って街に向…

橋を侵蝕する建物

宝飾品の店がずらりと並ぶ家橋で有名なフィレンツェのポンテ・ヴェッキオ。まるで河岸の建物が、その増殖の力に堪えきれず、川の上へじわりと染み出して、いつの間にか橋を覆い尽くしてしまったかのように見える。なかなか不思議で異様な光景である。 この橋…

カラトラバ推しの街

生ハムやパルメザンチーズで有名なパルマと、フェラーリの街であり世界遺産にも登録されているモデナとの間に、レッジョ・エミリアという街がある。ここはモニュメンタルな構造物のデザインでは右に出るものがいないカラトラバでまちおこしをしようとしてい…

どちらが先か

リグーリア海に面する海洋貿易都市・ジェノバへ行ってきた。都市観光も楽しい街ではあるが、構造物好きは郊外に行かなければいけない。Riccardo Morandiが設計した、ユニークな構造形態を持つコンクリート斜張橋・Polcevera Viaductを見るために。まあ橋梁全…

トリックアーチ

ミラノから電車でおよそ1時間のコモの街を散策中、遠くの方にチラリと見えた山裾の鉄道高架橋に大きな違和感を抱いた。急いで近づいてみると、それは理解しがたい連続コンクリートアーチ橋だった。なんだこれ、アーチ部分におかしな段差が付いているぞ。左か…

世界一高い橋ができるまで

ミヨー橋はスーパースケール感やその姿のかっこよさもさることながら、建設方法も笑えるほどすごい。とんでもないスケールで桁を押出し架設したり、横にした主塔を台車で運んで橋脚の位置でくるりと立てるというアクロバットをしたり。という話はとっくに書…

一歩引く

旧西ベルリンと旧東ベルリンの境界に架かる、ダブルデッキのOberbaum橋。有名なベルリンの壁のイーストサイドギャラリーのすぐそばにある。もともとは1902年につくられた石造?コンクリート造?レンガ造?のアーチなんだけど、中央部分は1995年にカラトラバ…

愛される白いアーチ

前回に引き続き、マイヤールが設計したサルギナトーベル橋。1930年につくられたこのコンクリート橋は、アーチのスパンと谷の深さがともに90mというかなり大きな規模の3ヒンジアーチ構造で、幅員は3.5mと狭い。鉄筋コンクリートという新しい材料の可能性を一…

桁の中の礼拝堂

ハイジの舞台になったマイエンフェルト近くの山奥に架かるマイヤールのサルギナトーベル橋は、橋に関わる者にとって極めて重要な聖地。巡礼者も数多く、素晴らしい視点場が3カ所ほど用意されている。それに加えて、なんとアーチリブを登って桁の中へ行くこと…

スイス橋梁巡礼

今回の橋梁巡礼は、いよいよスイス。満を持して、と言いたいところだけれど、行程の組み立てが非常に難しく、かなりハードな巡礼スケジュールになっている。なにしろ、ロベール・マイヤール、クリスチャン・メン、ユルグ・コンツェットなど、スイスには見る…

ドなう

ドイツ南部に行った目的は、シュトゥットガルトおよびその近郊の橋梁巡礼、ミュンヘンのドイツ博物館見学、そしてドナウ川で「ドなう」とツイートすることの3点であった。 地上絵師の石川さんからのリクエストである「ドなう」を実現するために、どの街を訪…

細い脚

シュトゥットガルトから南西に約50km、ネッカー川がつくった谷を跨ぐアウトバーンの高架橋。この橋脚、不健康なスーパーモデルのように痩せ細っているじゃないか。やけにかっこよすぎるけど、大丈夫なのか。 なお、桁は現在絶賛塗り替え中。桁は極めて鮮やか…

壁超え

ノルマンディー橋の信じがたい眺め。高低差およそ60mの壁を越えていく車両たち。航路を越える道路という難題を視覚化するとこうなる。 ノルマンディー橋の北側には料金場がパーキングと併設されていて、その屋根の上を歩くことができるので、このようなおか…

念願のサーベイ

セーヌ川の河口を跨ぐノルマンディー橋が供用したのは、1995年のこと。個人的な話で恐縮だが、この年は僕がデザインの修士を修了し、土木の設計会社に就職した年でもあるので、この橋のことがとても印象に残っており、いつか現地に見に行ってみたいとずっと…

ルーアンのタワーブリッジ

フランス・ノルマンディー地方の中心都市であるルーアンは、ジャンヌ・ダルクが処刑された地として有名で、まあまあ内陸部に位置しているにもかかわらず、パリの外港としてセーヌ川の水運で栄えた都市。どんだけ港町かと言うと、こんなとんでもない橋がつく…

板のバックステイ

ネイ事務所の方から、KortrijkにあるS字の線形が美しい歩道橋College橋のすぐ近くに最近できた道路橋はグレイシュ事務所絡みだというお話しを伺っていたので、しばらくネット上で調べていた。しかし、2010年秋に開通したばかりという新しさな上に、英語と蘭…

ホワイトアスパラ

アイントホーフェンからアムステルダムへの高速道路を走行しているとき、ユトレヒト付近でちらちら見えていた妙に存在感のある斜張橋が気になったので、あらためて見に行ってみた。 いやあすごいね、スチールでもここまで細やかな造形ができるのかと感心した…

異種格闘技戦

デュッセルドルフを流れるライン川に架かるハム・ノイス鉄道橋。メインスパンをバスケットハンドル型のアーチリブで補剛している2径間連続ワーレントラスという、極めてユニークな構造。アーチとトラスの緊張感みなぎる異種格闘技戦だ。 こんなややこしい混…

逆アーチ風トラス

エクサンプロヴァンスの近くにあるViaduc de l'ArcというTGVの鉄道高架橋。Ventabren Viaductについて調べていたときにたまたま見つけたので立ち寄ってみた。バスケットハンドル型の鋼アーチをひっくり返したようなパイプトラスの上にRC床版を載せた橋。逆さ…

格子の桁

アヴィニヨンのローヌ川に架かるラティストラスの鉄道橋。おそらく鉄の扱いにまだ手慣れていない時代のものなんだろうね、重厚感とか存在感がすごいんだけど、同じ部材が等間隔で繰り返されるミニマルな格子模様がなんとも心地よい。

映画の中の橋

橋はよく映画に登場する。単に絵になるということの他にも、此方と彼方を結ぶとか困難を克服するとか道を外れることができないとかの象徴的な意味合いが含まれていたり、効果的な舞台装置として登場することもある。 六角断面の橋脚とプレキャストパネルのウ…

三日月アーチ

エッフェル社がつくったガラビ高架橋は1884年に完成した。パリのエッフェル塔の5年前のことだ。この時代につくられたのに、装飾が全く施されていないことに驚かされる。エッフェルは機能主義の先駆けだったのか、単なるケチだったのかはわからないが、ともか…

セクシーな脚

ミヨー橋は橋長が2,460mもあり、道路や鉄道や河川など様々な交差物件を跨いでいるにもかかわらず、そのスパン割は204m+6@342m+204mと極めて整っている。平面線形はR=20,000mの緩やかなカーブを描いており、縦断線形は約3%の一定勾配で北側に下っている。この…

美しい橋

僕は「美しい」という言葉を普段はあまり使うことができない。なにかを「美しい」と形容したとたんに、その対象の意味が軽くなってしまうような気がしてびびってしまうのだ。しかし、フランスの南部のタルン川渓谷に架かるミヨー橋を見たときには、思わず「…

キリスト生誕以前の橋

今から2000年以上も前に築かれた水道橋、ポン・デュ・ガール。いやもうこれすごい。ローマ人はなんてものをつくってしまったんだ。しかもそれがほぼ完全な姿で残っているなんて。あまりの神々しさに完全に気圧されてしまった。人類はこの2000年間ほとんど進…

車が通れる彫刻

カラトラバの橋を見るときは、けちくさい経済的合理性を考えてはいけないようだね。たまたま橋の機能も有している彫刻作品というように捉えた方が、精神衛生上好ましいもの。実際にはっとするような研ぎ澄まされた美しさを感じるし。

移動しまくり

過去の記事をぱらぱらと見ていたら、お正月に見てきたネイさんの橋を紹介し忘れていたことに気がついた。Vroenhoven橋という鋼下路桁と鋼斜張橋のハイブリッドといった感じのとてもユニークなフォルムの橋。構造や製作や架設でいろんなテクニックを駆使して…

結構古い少数主桁

ベルギーのリェージュからE25(A26)で南へおよそ30km下ったところに架かるSécheval高架橋。この端正な橋の特徴は、主桁が2つと少ない上に、横構や対傾構といった細かい部材がなく、かなりシンプルに成り立っているということ。 これは少数主桁橋といって、通…

頭上のおもり

先日記載した跳開橋の隣の水路に、全く同じと思われる構造物が道路橋として使用状態にあった。この状態もかなり異様だ。何しろトラス桁を跳ね上げるためのカウンターウェイトが道路上にぶら下がっているんだもの。いったい何トンあるんだろうか。この下を通…

トランスフォームブリッジ

これだけを見ると、とても橋だとは認識できないよね。なにに似ているかと言えば、かつてのロボットアニメに出てきた悪役の巨大変形ロボかな。動いているところを見たわけではないけど、折りたたまれて屹立した異様な姿は、少年の頃に味わった懐かしいときめ…

大人っぽくないデザイン

欧州の橋のデザインはレベルが高いことは間違いないと思うけど、ときには残念なものもあるよ。先日紹介した地味ながらも素敵な大人のPC斜張橋のひとつ下流に架かる橋もそう。そもそも吊橋を選定した必然性がわからないし、側径間が異様に短いプロポーション…

大人コンクリート

マーストリヒトから南下してベルギーに入ってすぐのところにあるLanaye橋。コンクリートの斜張橋というとごつくて重たいというイメージがあるけど、この橋はすごく軽やか。スリムなプロポーションを引き立てる絶妙なテーパーやケーブルの定着部などのディテ…

最近のアーチの形

リエージュのこの駅の裏手にあるGuillemins橋。アーチのフォルムは駅舎のそれと同様、2つの直線をアールで結んだものになっている。いかにもカラトラバっぽいね。つい最近まできれいな形ではないと思っていたのだけど、実物を見てからは思い直すようになっ…

パリの新橋

パリのセーヌ川に架かるポンヌフという橋は、およそ400年前につくられた。ものすごく古いはずなのに、夕日を受けてほんのり輝くその姿は「新しい橋」という名前にふさわしくフレッシュな印象だった。どうやら数年前に化粧直しをしたらしい。それって、石の表…

トンネルアンカー

マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋…

空間のゆがみ

Erasmusbrugの桁が上がっているときに橋面に行くと、空間がゆがんでいるように感じて、軽くトリップできるよ。これは、橋と川が斜めに交差していることにより床板の平面形状が平行四辺形になって、さらにそれが斜めに持ち上げられているから。このアーチ橋の…

ごつい女王様の橋

ロッテルダムのノーデルアイランドとフェイエノールトを結ぶKoninginnebrugという跳開橋。どうやら女王の橋という意味らしい。トラス端部の車輪を回転させて桁を跳ね上げる仕組みになっている。桁が上がっている姿の写真は、オランダのウィキペディアにあっ…