はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

橋梁

新規廃墟のその後

オランダのマーストリヒトの近くをかすめるベルギーのアルバート運河に架かる、ローラン・ネイの手によるユニークな橋梁「Vroenhoven橋」については、過去記事(移動しまくり)で触れた。橋梁本体の竣工年は2009年だが、2011年時点では周辺の整備が済んでい…

環境の中で理解する造形物

クリスチャン・メンが設計したガンター橋。ケーブルをコンクリートでラッピングした形式は、斜版橋と呼ばれている。いろんなところで写真を見ていたけど、斜版と桁が一体となった側面がのっぺりしていて重鈍な印象があり、正直なところ、それほど好きではな…

欧州の大きな谷

欧州の谷って、日本の谷のイメージとはだいぶ雰囲気が違う。簡単に言ってしまえば、スケールの違い。日本の場合は極めて繊細かつ急激に変化する微地形が絶え間なく表層を覆っていることに対して、欧州の場合は広大な丘陵地と幅の広い谷がゆったりと繰り返す…

ローマン・インフラ

ローマの繁栄はインフラ整備が鍵だったという理解は、まあ正しいと思う。「全ての道はローマに続く」と言われるように、有事の際に軍隊そのものや必要な物資を素早く移動できる舗装された交通インフラは、平時には交易の要にもなったりして、広大な国土の動…

薄さと細さの意味

スイスの構造設計家のクリスチャン・メンがデザインしたズンニベルク橋。橋梁ファンはマイヤールのサルギナトーベル橋の巡礼とセットで訪れる橋だ。床版から上のケーブルの位置がとても低いのでエクストラドーズド形式にも思えるけど、どうなんだろうか。ぺ…

端正な裏の顔

スイスのシオンという街にある、ローヌ川を跨ぐ高速道路の橋「シャンドリーヌ橋」。三次元的に三面が変化する主塔の形状がユニークなPC斜張橋なんだけど、この桁裏がすごくイケメン。コンクリートのトラスが心地よいリズム感を生み出しているし、桁高をグ…

セットもの

スイスのマルティニという街のやや北に、ローヌ川を跨ぐ「サン・モーリス橋」という高速道路の橋がある。3年半前、スイスのダム巡りのために画面奥側から走行してきた際に、これは!と思ってすぐさま高速道路を降りて見に行った。 これがなかなか面白く、ト…

ラッピング橋梁

先日Twitterで、新幹線の車窓から見た丸子橋のアーチリブに、おそらく塗装のための仮囲いが設けられていることが話題になった。なかなかすてきなラッピング橋梁なのだが、見に行く時間がなかなか確保できなさそうだ。 それならば。自分もどこかでラッピング…

鉄細工

エッフェル塔をつくったエッフェル社が施工し、エッフェル社をつくったエッフェル本人が設計したとされるガラビ橋。先日その写真を久しぶりに眺めて、うっとりしながらため息をついた。この鉄道橋は、鉄が夢の新素材だった時代の1888年に開通して、いまもな…

危険レベル表示

鹿児島県さつま町を貫流する川内川に架かる宮都大橋。川内川激特事業に関連して、2年前に架け替えられたばかりという。旧橋は6径間のコンクリート橋だったが、大胆に3径間の鈑桁橋になった。 端部の桁高が薄くてびっくりするし、ほぼ黒に見える桁の色にもび…

遠慮がちな道路

近頃、鳥取を島根を結ぶ江島大橋(参照:橋ガール #07 江島大橋)が、軽自動車のTVCMをきっかけに「べた踏み坂」として有名になった。個人的に鳥取と島根は数少ない未踏県でもあるため、ぜひとも見に行きたいと思っている。 沿岸部には時々、こうしたすごい…

何があっても落とさない

富山の高岡市と射水市を結ぶ万葉線に乗っていたとき、庄川の河口に変断面が連続するコンクリート橋が見えたので、後日あらためて訪問してみた。1938(昭和13)年につくられた国道415号の「新庄川橋」である。 RC桁が描くリズミカルなラインはとても丁寧にデ…

アーチ風トラス

オランダにあるロシアの旅客機(飛行機に泊まる)に宿泊した翌日、高速道路を北上してズウォレという街に向かった。街に近づいてきたので駐車場の心配をしていたら、川を渡る際に右手の遠方に赤い橋がチラリと見えた。むむっ?あれはもしや、事前のチェック…

紅白橋梁

北陸自動車道を走行していると、運がよければ目の前を飛行機が横切ることがあるそうだ。実際に本線上には「飛行機通過 わき見注意」という注意喚起の標識も掲げられている。 なぜかというと、高速道路から500mほど南に「富山きときと空港」の滑走路が直交し…

消えゆく名橋

解体工事が進む旧・富山大橋を、隣接して架けられた新・富山大橋から拝んできた。一年前に訪れた時から比べても、かなり工事が進んでいることがわかるね。左岸側は上部工は完全に撤去され、下部工は一基のみとなり、右岸側に一部残されている桁も床版はすっ…

斜めに持ち上がる板

オランダのレーワルデンという街に、斜め45度に桁が持ち上がるという、なかなか理解しにくい可動橋「Slauerhoffbrug」を見に行ってきた。実物を目の当たりにしても、たたずまいや造形が放っているばかばかしさは十分に伝わってくるものの、その動作を想像す…

旋回レストラン

1960年代の後半あたりだろうか、ビル屋上に円盤が乗せられて、それが回転するという大胆なレストランが流行った時期があったように思う。 アムステルダムにある「Café Restaurant OPEN」は、それらとは全く異なる。廃止された鉄道の旋回橋を、レストランとし…

おかしな斜張橋

先日の記事(岬の上の小さな村)を書く際に「Lussia Bridge」を軽く調べたら、イタリアのウィキペディアに「Ponte Morandi」というタイトルの項目が掲載されていたので、それを別名と認識していた。 先ほど、その橋のことがTwitterで軽く話題になったので、…

チマチマの集積

新潟県長岡市を貫流する信濃川に架かる、橋長約850mの長生橋。その名の通り、1937(昭和12)年に架けられた76歳の橋梁である。細かい部材で構成されたトラスからは、老練な技術の積み重ねが感じられる。とてつもなく大きなスケールなのに、これほどヒューマ…

ガソリンスタンド跨ぎ

シュトゥットガルトで見かけた、ガソリンスタンドの上空を越えていく橋。 この橋はシュライヒ事務所の設計で、ものすごく薄いコンクリートアーチでカーブした桁を支えている、地味にすごい橋なんだけど、曲線やら斜め線やらで空間が構成されているために視覚…

情報社会のドボク探索

先日、パリに住む友人がオランダを訪問するとの話を聞いたので、アムステルダムのオススメポイントを紹介した。あまりにもマニアックすぎて参考にならなかったと思うのだが、久しぶりにオランダのことを思い出してにやにやしていた。それが2回連続でダッチネ…

理解を超える連続

オランダの最南西部の東スヘルデという河口もしくは湾に架かるゼーランド橋(Zeelandbrug)。橋長は5kmを越えて、線形は一直線。支間長95mの変断面PC箱桁は、船が通る特殊部を除いて、52回もしつこく繰り返されている。 まあ意味不明感がすごいよね。CGかと…

閘門付可動橋

下関には見どころ満載のパナマ運河タイプの閘門(ロックゲート、あやめ閘門、権威主義的閘門など)がある。ゲートの上に歩道が乗っかっていたり、前後の閘門にはさまれて可動橋があったり、それがアイントホーフェンで見たもの(最初の橋梁鑑賞)と同タイプ…

赤い橋脚

最近まで全くノーマークだったんだけど、柏崎の海岸段丘に切れ込んだ深い谷に架かる米山大橋って、すごくかっこいいね。たまたまネットで引っかかった情報から、この橋を見てみたいなと思って、先月に別件のついでに立ち寄った。 1967(昭和42)年につくられ…

コンクリートの造形

ロミオとジュリエットの舞台として有名なヴェローナに架かる3径間のPC箱桁橋。ピエール・ルイジ・ネルヴィの設計により1968年に完成したもので、Risorgimento Bridgeという名前。イタリア滞在時は、ネルヴィの作品(オリンピックドーム、展示物のない展示空…

赤い靴

西海橋はなんで支承と高欄だけ赤いのかねえ。わずかな面積にだけ差し色を使うという、オシャレ手法かねえ。素材感を活かしたモノトーンコーデの中に、ワンポイントで元気のいい色を使うと、大人カワイイ雰囲気が演出できる上に、着回しだってラクになるよ!…

忘却のTGV

先日のネコ鉄塔群を見た翌日にも、全くの偶然でかなりの好物件を見かけていたにも関わらず、そのことをすっかり忘れていた。欧州滞在時において、最もせわしなく移動を重ねて、とんでもない物件数を一気に見て廻ったスイスツアー(たとえば、スイス橋梁巡礼…

重たい橋

整備が着々と進められている北陸新幹線の神通川橋りょう。箱桁橋のPCケーブルを思いっきり外に出してみたら斜張橋のようになってしまった「エクストラドーズド」という形式の橋。構造的にはPC箱桁に近いけど、見た目は背の低いPC斜張橋である。 この形式のデ…

アールデコの橋

駿河台の「山の上ホテル」火災のニュース映像をチラ見していると、ホテル本館がバリバリのアールデコ建築であることにあらためて気付いた。僕は装飾様式に詳しいわけではないんだけど、アールデコって嫌いじゃないんだよね。どことなく欲望が見え隠れする俗…

石造風ではないアーチ橋

御茶ノ水キャニオンに架かる鉄骨コンクリート(メラン式)アーチ橋の聖橋は、これから大規模な補強工事が行われるようだ(東京新聞 TOKYO Webの記事)。あの石造アーチ風ペイントを廃止することも検討しているようなので、ぜひとも実現していただきたい。 こ…