はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

河川

ゆるキャラコーデ

先日、ベルギーの運河エレベーター「ストレピ・テュー・ボート・リフト」の写真を真剣に眺めていた。これは、船を浮かべた巨大なバスタブを昇降させて、73mの水位差を解消してしまうという、びっくり水運インフラ施設だ。最上部にある機械室は、ガラス越しに…

行きにくい水門

ロッテルダムの南西にあるスパイケニッセという街の近くに、なんとスパンが98mもある「ハーテル防潮水門」がある。例の「デルタワークス」関連施設(暮らしを守るということ)だ。ローラーゲートとしてはたぶん世界最大なんじゃないかね。ちゃんと調べてない…

川の流れ

ハフィントンポストに「なぜ川は、曲がって流れているの?アニメで解説【動画】」という興味深い記事があった。川が蛇行するメカニズムをわかりやすく解説している動画の紹介記事だ。 この動画を見て、今年の正月にシベリア上空で見た川を思い出した。ぐねぐ…

危険レベル表示

鹿児島県さつま町を貫流する川内川に架かる宮都大橋。川内川激特事業に関連して、2年前に架け替えられたばかりという。旧橋は6径間のコンクリート橋だったが、大胆に3径間の鈑桁橋になった。 端部の桁高が薄くてびっくりするし、ほぼ黒に見える桁の色にもび…

神の仕事

2006(平成18)年7月、主に鹿児島県の北部を流れる川内川流域は記録的な豪雨に見舞われた。その規模はすさまじく、中流にある鶴田ダムが「計画規模を越える洪水時の操作」に移行せざるを得なかった、つまり、ダム湖がすっかりおなかがいっぱいになってしまい…

狭小国家の水資源

F1グランプリが開催されたシンガポールの観光スポット「マリーナ・ベイ」の一帯からは、広大な水面にそぐわない違和感を強く覚えた。周辺をさらっと歩いた訪問初日には、マリーナ・ベイ・サンズをはじめとするトンデモ建造物たちがそう感じさせているのだ…

暴れ川から水を引く

またしても富山を訪問する機会があったので、常願寺川から農業用水を取水するための施設である横江頭首工に行ってみた。これが、なかなかすてきだった。 この施設を整備したそもそもの発端は、あのデ・レーケがこのスーパー急流河川の治水を考えた際に、「こ…

砂防の聖地

先月の中頃に訪問した立山カルデラのハイライトのひとつは、文句なしにカルデラ出口の狭隘な谷の要である「白岩堰堤」だ。本気で世界遺産にすべき人類の叡智の結晶だよ。すでに重要文化財には指定されているけどね。もちろん、観光地化するわけにはいかない…

自然に取り込まれる

立山カルデラの奥の方にある最新の砂防堰堤の少し手前に、1938(昭和13)年につくられたという老堰堤があった。「泥谷」という沢を跨ぐ橋梁から、堤体の下流面を見ることができた。越流部に見えるコンクリートのテクスチャーからして、尋常ではない風格が漂…

ボートに泊まる

アムステルダムの運河にはたくさんの「家の船」が係留されている。それらにはちゃんと住所もあるし、水道や電気などのライフラインも通っている。以前から、これらの「ハウスボート」を体験してみたかった。そして、このお正月にようやく実現した。 水面が近…

上海近郊のベニス

先日ベネチアの写真を眺めていたときに、そういえば7年ほど前に上海を訪問した際、1時間半ほど離れた「周荘」という水路の街で船に乗ったことを思いだした。 その当時の周荘は、急激に観光地化している最中だったようで、そこに住む人々の地味な生活と、外か…

都市渓谷の仮橋

昨晩はボート・ピープル・アソシエーション(BPA)主催の「神田川トワイライトクルーズ」に参加させていただいた。BPAのクルーズには、もう数え切れないくらい参加しているのだけど(たとえば御茶ノ水キャニオン、ナイトクルーズ、水上からの視線、工場クル…

コンクリートブロック展示即売会

姫川は、長野県白馬村に発し、新潟県糸魚川市に注いでいる一級河川。脆弱な地質の糸魚川静岡構造線をトレースするように流れているだけあって、土砂災害の歴史が尋常ではない。そのため、様々な防災減災対策が繰り返し行われている。 そんな背景があるからな…

砂防階段

松本市の南東部を流れる牛伏川の上流は、江戸時代からの森林伐採ですっかり荒廃していたらしい。しかも、糸魚川静岡構造線に沿った脆弱な地質であるために、土砂災害が絶えなかったらしい。たしかに現地に掲示されている昔の写真を見ると、見渡す限りはげ山…

川から見る首都高

昨日は首都高が主催する「川から見る首都高」に参加させていただいた。「首都高バスクルーズ」に続く、shutoko members第2弾の企画で、ヤマハ発動機のバックアップで日本橋川、神田川、隅田川をモーターボートでめぐり、その名の通り首都高を見上げて楽しむ…

コピー・アンド・ペーソス

中国のコピー問題が世間を賑わせて久しいが、劣化したミッキーマウスやドラえもんがいたテーマパークは、すでに入場者数も劣化が顕著らしい。市民の文化水準が急速に発達して価値観も変化してきていることや、中国政府も本腰を入れて知財問題に取り組みはじ…

御茶ノ水キャニオン

先週末、BPA(ボート・ピープル・アソシエーション)のクルーズ企画「東京花見クルーズ2012」に参加させていただいた。日本橋川、神田川、隅田川、小名木川をめぐる都市内河川おなかいっぱい堪能コースだ。これまでいろんな場所で頻繁に船に乗っている僕なん…

天駆ける船

ベルギーのストレピ・テュー・リフトに続く運河橋。運河に架かる橋ではない。運河の橋なのだ。これ、合成写真じゃないからね。 これまで蓄積してきた知識や体験から常識として構築してきてしまった概念、つまり「思い込み」が覆されるとき、高揚しつつも心地…

新婚旅行

もう30年ほどの付き合いがある中学校時代の同級生が、新婚旅行で欧州に来ている。彼らを祝福するためのプランを、欧州を肌で感じられること、記憶に残る貴重な経験となること、自分がアテンドできることといったコンセプトであれこれ考えてみた。その結果組…

ふぞろいのシェルター

金属の鱗を持つ近未来的なシェルターが特徴的なテムズバリアは、ロンドンを高潮から守るための防潮水門で、1982年に完成した。東スヘルデ水門に次ぐ巨大な水門である。通常時は門扉が河床に格納されているライジング・セクター・ゲートという形式が採用され…

斜面の水槽

先日紹介したロンキエール・インクラインを上から見たところ。船がまるごと浮かぶ巨大な水槽が、水を張った状態で斜面の中腹に停止しているのがわかる。巨大って言っても、この写真じゃスケール感がまったく伝わらないだろうけど。実際に動いているところも…

ストレピ・テュー

ロンキエールのばかばかしさもすごいが、そこから南西に約20km移動したところに、さらなるボスキャラが待っている。ストレピ・テュー・リフトだ。細かい説明は、例によって全部カワウソ写真家佐藤さんにやっていただくことにして(Das Otterhaus 【カワウソ…

ロンキエール

欧州に来てみて、可動橋やら閘門やら、水運にまつわる構造物があたりまえのようにあることにびっくりした。日本における内陸水運はモータリゼーションの波にさらされて消滅の一途をたどったのに、欧州では現在も平然と機能しているんだね。オランダのように…

船の家

アムステルダムの運河にはたくさんの家が並んでいる。運河沿いではなくて、運河上に。陸上の建物はとても窮屈そうに建っているのに対して、のびのびとした平屋はいかにも快適という印象を受ける。開け放たれたカーテンの向こう側に、その充実した水上生活を…

街の日常

運河、アーチ橋、カヌー。こちらは物珍しさを感じながら見ているけど、この街ではごく普通の光景なんだろうね。

柵がない

柵があって当たり前と思っている身からは、このすっきりとした水辺空間を歩くと、ちょっぴり恐怖感を抱くことに気づく。自分がいかに過保護に育ってきたかがわかるね。良くも悪くも、ここは自己責任の国。

2枚の黒門

先日、霞ヶ浦と利根川をつなぐ運河にある横利根閘門を船で通る機会をいただいた。この閘門、大正10年(1921年)に完成とのこと。90歳になろうとしているのに、今も現役でがんばっている。煉瓦造りのその風体は、まさに威風堂々。上下流両側の水圧に対応でき…

江東水路

江東区の観光案内所およびギャラリーである深川東京モダン館が主催する江東ドボクマッピング水路編に参加させていただいた。「水路を行く」の外輪太郎さんをツアーガイドとする江東デルタ地帯の水路クルーズ。 水面から眺める都市ってのは本当に面白い。視線…

ゲリラ対策

3週間ほど前、千葉市街地でも集中豪雨があって、道路が冠水したりした。そんな浸水被害を抑制するために貯水トンネルがつくられていることを、つい最近になって知った。市政だよりもたまには読んでみるものだね。 本日、下水道フェアというすてきな名前のイ…

水上交番

川にも交番があるなんて、知らなかった。隅田川と神田川の合流点をよく見てみると、隅田川水上派出所と書かれた建物が。建物の正面は道路側ではなく川側。パトカーではなく警備艇。海上保安庁ではなく警視庁。こうやって、川の治安を守ってくれているんだね…