はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

産業

夜の顔

日が落ちて、明かりが灯る。 そうすると、それまでとは全く違う表情を見せはじめる。 なんか、妙に艶っぽいんだよね。

工場ビュー

2年ほど前、水島に出張で行ったことがある。宿泊先を決めるとき、もしかするとコンビナートが見えるホテルがあるんじゃないかと思って、地図じっくり観察した。そうしたら、候補が2つ見つかった。ひとつは先日紹介した国道沿いの高台にあるホテル。もうひ…

魅惑のリゾート

ふんわりとゆらめく水蒸気の向こうにあるのは、見る者の心を魅了する荘厳な蒸留塔。その神々しさに、人々が忘れかけていた工業への畏敬の念をかみしめる。そして、ゆったりとしたオイルタンクで遊びつかれた体をリフレッシュ。ふと窓に目をやると、眩いきら…

再編

水島コンビナートの三菱化学と旭化成がエチレン事業を統合し、設備を整理するそうだ。京葉コンビナートでも出光興産と三井化学が先日、設備の一体運営を発表したばかりだ。 石化製品は世界的に需要が減っているため、合理化を余儀なくされている。業界再編は…

猛烈な水蒸気

製鉄所ではときどき、尋常ではない大きさの水蒸気の柱が立ち上る。 はじめて目にしたとき、不測の事故が起こったのではないかと本気で心配になった。そこで所内の方に聞いたところ、この水蒸気は石炭を蒸し焼きにしてコークスを得る過程で生じるものだとのこ…

夕暮れコンビナート

日が暮れてから闇に包まれるまでの短い時間はたいていのものがかっこよく見えるけど、石油化学コンビナートのシルエットは特に好きだな。

むき出しの炉

およそ1ヶ月前のJFE第5高炉解体現場。このときはちょうど、高炉の手前に2つの転炉がむき出しになっていて、ものすごく興奮した。 転炉とは、溶鉱炉でどろどろにした銑鉄を受けて、鉄鋼に転換する樽型の容器のこと。隣にいる青いトラックと比べてもらう…

豊かなディテール

最近の製鉄業界は高炉の休止や稼働率の縮小による大幅減産、年間配当の減少など、暗いニュースが続いている。主要な顧客である建築、自動車、電機などの業界が低迷しているためだ。ものづくりが大きな経済基盤を形成している日本において、製鉄業界の不振は…

高炉で繋がるネットワーク

先日紹介したすてきなことになっている高炉に反応して、複数の方々が実際に見に行ってくださった。それぞれのブログでそれぞれの視点から興奮の様子が語られているので、ぜひとも参照してくだされ。 ■俺は魚だ,と言ってみるテスト「解体中の製鉄所に行ってき…

さよなら高炉

蘇我駅前から見える製鉄所は、期間限定ながらすてきなことになっている。手前にあった建屋が解体され、すでに操業を停止している高炉の姿があらわになっているのだ。近いうちにこの高炉も解体されてしまうらしい。ドイツのランドシャフトパーク(Das Otterha…

パイプが絡む建物

今にもパイプに浸食されそうな建物に見える。あるいは、建物の内臓がむき出しになっているようにも見える。しかし、そもそもこれは建物ではない。なにかの巨大な装置なのだ。 普段われわれが持っている常識の範疇から、このスケールの物体はついつい建物と認…

デートスポット

コンビナートの装置に灯るライトは、保守点検のためのものだ。少ない灯具で効率的に照明することが、設計の肝なんだろうね。少なくとも、外観を飾るためのライトアップではない。 しかし、なかなか美しい。 クリスマスのデートには、コンビナートを巡るのを…

平穏な日常

のんびりと釣りをするおじさんたち。 コークス工場から出る激しい水蒸気も、彼らにとってはいつもの風景。

工場クルーズを終えて

先日、第2回の「京浜コンビナート鑑賞クルーズ」が開催された。第1回はややどんよりとした天候で、それなりに雰囲気のある光景だったのだが、今回は好天に恵まれた。ただ思いのほか風が強く、船長判断により、当初予定していたルートから変更になった。 写…

球の理由

この球形タンクは、いかついタワーたちに囲まれていることで、かわいらしさがいっそう引き立っている。ついつい手を伸ばして、なでたくなるほどだ。 球形のタンクでは、内部の圧力を高めてガスを液化し、貯蔵しているのだそうな。その圧力を最も効率よく受け…

錆の塊

先日の「京浜コンビナート鑑賞クルーズ」で見かけた、すてきなプラント。全面が錆びている巨大なドーム状構造物の迫力と、それを取り囲む点検足場の繊細さのコントラストがたまらない。 この工場クルーズでは、多種多様なプラント群を遮蔽物なしに近い距離か…

秋の工場クルーズ

10月25日(土)と11月1日(土)に、川崎の工場群を船から鑑賞する「京浜コンビナート鑑賞クルーズ」が行われる。なんと、ツアーガイドは『工場萌え』の石井哲さんと大山顕さん。あのコンテンツであのトーク、面白くないわけがない。晴れるといいな。 ■料金:…

農の風景

自分の場合、大自然の眺めもいいと思うけど、農地の眺めのほうが好きだったりする。たぶん、人の手が加わっているからだと思う。 久しぶりに美瑛の丘を眺めてみて、やっぱりすてきな風景だなぁと感じた。同時に、この風景がこれからどう変わっていくのかとい…

工場クルーズ

昨日は千葉港を巡る遊覧船に乗った。この遊覧船から見える眺めは、基本的に工場しかない。食品工場のサイロや、石油工場のタンクや、羽田空港の滑走路や、製鉄所の原料ヤードやコークス工場なんかの絶景を、連続して鑑賞することができる。 船からの眺めのい…

茜色の鉄塊

工場景観の面白さのひとつには、時間による表情の変化があると思う。特に移り変わりの激しい夕暮れ時は、ボーッと眺めていても飽きることはない。いい具合に光を反射して、いい具合にシルエットを魅せてくれる。それが刻々と変化していく様は、なかなかグッ…

ブラジルのパイプ

最近、自分はかなりのパイプ好きであることを自覚しはじめた。あるとき、工場の眺めの何が好きかと問われた場面で、悩んだあげくにうっかり「パイプ感」と言ってしまったのだ。でも、世の中にはもっとパイプを愛している人がいる。たとえば、映画監督のテリ…

運ばれる塔

1年ほど前に鹿島港にある展望台から、めったにお目にかかれないものを目撃して大興奮した。精留塔のパーツが台船で海上輸送される状況を拝むことができたのだ。 その姿は、赤い錆止めが施されていた。検査路足場を設置するのであろうブラケットがたくさん付…

鹿島の転校生

日曜日は、愉快な仲間たちと鹿島コンビナート鑑賞に行ってきた。すでに何回か訪れている地ではあったが、これまで見たことがない新しいプラントが建設されていた。これが見応え満点。特に夜景はすごかった。 プラントの稼働開始直後は、点検のための照明を全…

匿名作品

新子安にほど近い石油精製所のオイルタンク。敷地内を除くと、脇を通る運河が唯一の視点場になっている。つまり、一般の人に見られることはほとんどない。 なのに、このタンクにはすてきな階段が取り付けられている。らせんを描く手すり、踏面となる横板、そ…

アートの中の工場

日経新聞の朝刊の文化面で、今週の月曜日から「テクノスケープ十選」というタイトルのコーナーが掲載されている。工業景観をテーマとしている過去のアート作品を取り上げて、その作品の背景を解説しつつ、テクノスケープの面白さを分析するという内容。 筆者…

巨大なおしり

このところ、水にまつわるものに接触する機会がやけに多い。先日は、国交省が企画した「春クルーズ・船で行く工場見学ツアー」に参加し、三井造船千葉事業所を見学させていただいた。僕が参加した回は、諸事情により造船所に船で上陸できず。ツアーの魅力の…

工場観戦スタジアム

当方、Jリーグには全く疎い。千葉に住んでいるのだけど、これまでジェフ・ユナイテッドの観戦をしたことがない。しかし、そのうちホーム・スタジアムのフクダ電子アリーナへ観戦に行こうと思う。 なぜなら、JFEスチール東日本製鉄所の工場景観が鑑賞でき…

原油の眺め

「原油」という言葉は、新聞やTVのニュースに毎日のように登場する。経済に与える影響が甚大だから、みんな極めて敏感になる。なので、なんとなく知ってるつもりになりやすい。でも本当は、よく知らないと思う。なにしろ、生の原油に触れる機会なんて、な…

熱の道

コンビナートでは、大小のパイプをよく見かける。パイプが群になって、全体が構成されているようにも感じる。個人的には、大好きな存在だ。そもそもコンビナートは『結合』という意味のロシア語なので、プラント同士をつないで様々な物質をやり取りしている…

工場鑑賞ツアー

千葉県が主催する『工場鑑賞ツアー』モニターの募集が、いよいよ開始された。千葉のウォーターフロントの支配者として君臨する京葉臨海コンビナートを、外から内まで、朝から夜まで、じっくり眺めて味わいつくそうという、一風変わった産業観光プログラムだ…

汚れを誘うもの

工場の中には、巨大なパイプが張り巡らされている。それを下から見上げてみると、植物や昆虫のような面白い模様を目にすることができる。意図しないアールヌーボーといったところだろうか。この細かい筋は、水が通った道にほかならない。製鉄所などは、細か…

曲げる理由

コンビナートでは、グニャリと曲がったパイプをよく見かける。一直線に伸ばせば済みそうなところでも、一定間隔で曲げられている。効率が悪いような気がしてならないが、もちろん理由があってのこと。これは、熱によるパイプの伸縮を吸収するためなんだそう…

鋼鉄の天守閣

蘇我駅前の通りは、鉄鋼の街を象徴する景観になっている。“山アテ”ならぬ、“高炉アテ”なのだ。そのことを意識して高炉を配置、もしくは、道路を整備したのかどうかは不明だが、高炉が確実にランドマークとなる印象的な構図が形成されている。この景観を日常…

見えなかった風景

乱暴な言い方をすると、多くの人は工業の風景が見えない。 なぜなら、多くの人は工業を“悪”として捉えているから。 できるだけ自分から遠ざけたい存在だから。ところが、少々風向きが変わってきた。 そのきっかけは、『工場萌え』(石井哲、大山顕)の出版。…

内臓建築

このような巨大装置は通常、“建築物”と認識されるように思う。ところが巨大装置は“建築物”ではない。建築物は通常、骨と皮によって“内部空間”を生み出すことが本質である。でも、巨大装置は内部空間の代わりにある“内臓”が本質なのだ。一般にギャップという…

煙のイメージ

工場の装置は、その場にあって動かない。 しかし、その中身は激しくうごめいている。 24時間、年中無休で。 その活動の証は、立ち昇る白煙に見ることができる。 煙と言っても、ただの水蒸気である。 つまり、無害。 かつて、装置が排出する煙は悪の象徴だ…

テクノロジーの眺め

最近、工場やダムなどの巨大建造物の鑑賞がブームになっている。 新聞、雑誌、TV番組などのメディアでは、4月頃から頻繁に取り上げるようになった。 ちょっとした情報バブルである。この現象は、一過性の流行なのだろうか。 なんとなく、違う気がする。流…