はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

産業

もやもやした感情

なんだかんだ言って、つくる側の都合を優先した結果として生じたカオスな形態や構成や質感は、個人的に大好物である。その感情はなかなか言葉にならないけど。あらためて石井さんが用いた「萌え」という表現はうまいなあなんてことを、宇部の工業地帯に行っ…

インディーズ・ツアー

先週末は山口県宇部市の工業地帯をバスで巡る「ドボ年会」に参加してきた。「ドボ年会」とは全国各地の工場や土木構造物を愛でることを目的とした忘年会であり、「工場萌え」著者の大山顕さんの主催によるものである。一応忘年会らしく飲み会も二次会として…

色のサンプリング

もともと僕にとって写真を撮ることは、対象となるモノや空間の様子を資料として記録するためである。フィルムカメラのころは、メカとしてのカメラは大好きだったものの、写真そのものは被写体が写っていればいいという程度の認識だった。 ここ10年ほどのデジ…

贅沢な家

室蘭の白鳥台という新興住宅地からの眺望。白鳥大橋とJX日鉱日石エネルギー室蘭製油所のプラントの眺めをセットで見ることができる。 僕のような橋や工場の眺めが好きだという人にとっては、極めて贅沢な環境だよね。うらやましい。うっかり別荘としての可能…

コークスと生肉とバレエ

先日有楽町に行ったとき、以前から観たかったドキュメンタリー映画「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」をレイトショーで観てきた(公式サイト←音出ます)。1年ほど前に、ベルリンに住む友人から教えてもらったトレーラーをYouTubeで観て、しびれたの…

リノベ前物件

ミラノ郊外のLodiという街で見かけた素敵物件。おそらく穀物用の倉庫だと思う。鉄道駅に隣接したバスターミナルの前という申し分ない立地、極めて端正なプロポーションのグリッド、上下にグラデーションがかかっているかのような表面のテクスチャー、どこを…

消えた高炉

僕がオランダに発つ前、蘇我のJFE第5高炉はベルトコンベヤーが取り壊され、次の解体ステップを待っていた。オランダから帰ってみると、ものの見事に、跡形もない更地になっていた。こうなることはわかってはいたのだけど、やりきれない悲しい気持ちがつきま…

おしゃれ炭鉱

エッセンのツォルフェアアイン炭鉱は、いちいちかっこよくて目のやり場に困った。行く前はそれほど期待していなかったんだけど、さすがは世界遺産に登録されているだけのことはある。バウハウス丸出しの各種建屋、シンボリックな立坑櫓、廃墟感あふれるコー…

生産の現場

少々血迷って、メルヘンな写真を載せてみよう。昨日はオランダ北部に広がる花卉栽培の風景を見に行ってきた。この時期のオランダを代表する眺めなので、一応見ておかねばならないかなと思ったわけだが、どこまでも広がる色鮮やかな農地に圧倒された。チュー…

熱い風を送る装置

ランドシャフトパークの高炉も頂上まで登ることができる。フェルクリンゲンではヘルメットをかぶることが求められて、それはそれで臨場感が出るうれしい体験だったのだが、ここではまったくノーチェックどころか、係員すらどこにもいない。なんてあけっぴろ…

鋼鉄のカテドラル

1986年に操業を停止したフェルクリンゲン製鉄所は、しばらく廃墟となっていたのだが、様々な議論を重ねて1992年に保存することが決定した。そして、1994年に産業遺産としては初の世界遺産登録がなされた。現在も少しずつ補修の手を加えながら、工場マニアも…

過剰なパイプワーク

たしかに僕はパイプが好きだと言ったけど、ここまでやるのはどうかと思うよ。カラーリングも含めて。どうもベルギーはやり過ぎる傾向にあるね、なんにつけても。まぁそれはそれで魅力的。

欧州で工場萌え

念願かなって、ようやく欧州で工場鑑賞をしてきた。巨大な石油化学コンビナートが形成されているベルギーのアントワーペン、すごくいいところだね。ダイヤモンドとルーベンスとフランダースの犬だけじゃないよ。アイントホーフェンからは100km弱なので、これ…

直接光

コンビナートの夜景は、都市のそれと趣がだいぶ異なる。光源の不規則な配置に加えて、光源が露出していることに由来するのだろう。直接光はコントラストが強く、シャープできらびやかな印象を与えることになる。窓や道路などからなる都市の夜景は、基本的に…

まわるバケツ

原料ヤードでは、バケットホイールと呼ばれるぐるぐる回る巨大なバケツによって鉄鉱石などを掻き取っている。肩に当てると、こりがほぐれそうだな。

色とりどりの山

一言で鉄鉱石と言っても、その成分は産地によって異なる。成分が異なれば、見た目の色も違う。原料ヤードに築かれた色とりどりの山は、意図されたわけではないはずなのに、美しいね。

本日の解体中高炉

およそ2カ月前の解体工事着手時と見比べると、進捗状況がよくわかる。ベルトコンベアがなくなり、熱風炉の上部がすっきりした。大きな視覚的特徴になっていた斜めのラインがないと、なんとなく物足りない。慣れのせいかな。

雨のコンビナート

湿度が高いと、水蒸気は飽和したまま漂い続ける。だから、雨が降ってるときのコンビナートもいいもんだよ。四日市にて。

不思議な夜景

縁があって、また四日市を訪れている。今回もコンビナートのいろんな表情を見ることができて、かなり楽しい。工場の夜景を撮る時間も得て、さらにテンションが上がった。なにしろ、写真は肉眼では見えないものが見えるものね。この不思議な感覚は工場の写真…

夜景はきれいに見える

横浜に行ったついでに、川崎に立ち寄った。昼の工場に比べて、夜の工場はきれいだと感じる人は多いように思う。雪と同じように、汚いものを隠すからなのかねえ。いや僕は昼も好きだよ。

エンジン近景

ANAの整備工場でジェットエンジンに鼻がくっつきそうになるほど近づくことができた。もちろん触ってないけど、サービス良すぎだよANA。僕がテロリストだったらどうするんだ。 思っていたよりも雑然とした見た目だけど、極限まで軽量にコンパクトにつくられて…

飛行機はかっこいい

先日、ANAの整備工場を見学させていただいた。実際の機体をすぐそばから眺められるプレミアムな経験は、確実にテンションが上がる。人が飛行機のことをかっこいいと感じるのは、仕方のないことだと思うな。なんでだか知らないけど。 あと、ばかでかい機体を…

もったいないもったいない

第5高炉のそばにあるガスホルダー、これも稼働停止状態なのかな。もったいない。小さい方を一つ持って帰りたい。

もったいない

昨日は蘇我に行く用事があったので、例の溶鉱炉のご機嫌伺いに行ってきた。フクダ電子アリーナ側はすっかり視線を阻害するものがなくなって、見事な溶鉱炉ビューを望むことができる。やっぱりもったいないよね、これをなくすのは。

優れた視点場

四日市市内を流れる三滝川の河口付近には、およそ500mほどだろうか、国道23号の大正橋から河川管理用通路が延びている。そこから眺める対岸のコスモ石油四日市精油所の景観はかなり素敵なことになっている。視対象となるプラント群の偉観はもちろんだけど、…

ジャングルジム

公園の遊具でぐるぐる回るジャングルジムのようなものがあったけど、最近見かけない。と思ったら、四日市コンビナートの中にあった。しかも巨大化して。ガスタンクを包み込む青いかご、いったいなんだろう。

鋳鉄のドーム

四日市コンビナートにある巨大なドーム状の物体、どうやら重油接触分解装置というものらしい。見た目もすごいが、名前もかっこいい。なにをどうするものなのかはさっぱりわからないんだけど、この威圧感や存在感から重要な装置であることは推察できる。聞け…

聖地巡礼

来週は工場マニアの聖地、四日市に行ってくる。ただ工場を眺めに行くだけではなく、人前で工場景観の話をしなければならないというおまけつきだ。そろそろそのネタづくりに取り掛からなければいけない時期に来ているのだが、なかなか重い腰が上がらない。し…

紅白タンク

京浜工業地帯の扇島には紅白市松模様のタンクがあるのだけど、なんでこのカラーリングにしているのだろうか。目立たせなければいけない理由があるのかな。なにかおめでたいことがあったのかな。サッカーのクロアチア代表を応援しているのかな。

メリークリスマス

せっかくなので、クリスマスっぽい写真を。 工場の灯具は、保守点検を24時間可能にするためにつけられていて、残念ながら観賞者のためのものではない。しかし、できたばかりのこのプラントは、観られることを意識しているかのように、やけにきらびやかだ。 …