はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

細部

ドリアンのパターン

総合芸術文化施設のエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイは、その特異な見た目から「ドリアン」と呼ばれている。ドームの表面が三角錐のような形状の日よけで構成されているのだけど、これがたいへん刺激的であり、抵抗感がある人はたくさんいそうだ…

スナック様式の最高峰

先日、富岡製糸場を再訪した(参照:世界遺産のお手入れ)。その際に市街地を散策したのだが、これがなかなかしびれる街並みだった。なんというか、かつて多くの人々が行き交っていた頃の雑多な猥雑さを思い起こさせる、絶妙な昭和感が残されていたのだ。 そ…

上海のジャンクション景

そういえば上海の都市内高架橋って、プランターで緑化していた気がするなあと思い、過去の写真をごそごそと捜索してみた。すると、2006年に出張で行った際の写真が出てきた。もう10年も前という事実に驚愕しつつ、仕事をちょろりと抜けてジャンクションの写…

雨水のリズム

これほどの水汚れはなかなかお目にかかれない。下見板のように断面が斜めになっている塀の上に載せられた瓦を伝った水滴が、長い時間をかけてリズミカルで柔らかい文様を描いている。水平方向の段差によるシャープな陰影とのコントラストがいいね。富山県氷…

水が描いた縞模様

札幌で見かけた微妙にゆるい縞模様が描かれた壁面。線路をくぐるトンネルにアクセスするスロープなんだけど、おそらく設計者は意図していない模様だろう。 この擁壁の外側はレンガ風タイルによって化粧されており、結構な厚さの天端にも同じ素材がみっちり貼…

ドボクシャッハテスト

この写真がいったい何に見えるだろうか。 新興住宅地の家並みに見えた人は、無意識の中に幸せな家庭への強いあこがれがある。海外の墓地に見えた人は、遠い祖先のご加護を受けていることをもっと意識してこの壺を買うべきである。とか。 そんな感じで、土木…

アントワープのラスボス

最近ツイッターで「#いい配管」というステキなハッシュタグを見つけた。そこにアントワープのプラントの過去記事を載せたところ、そこそこの数のリツイートといいねをいただいた。なんだ、みんなこういうの好きなんじゃん。 同じ場所から撮った夜景写真を探…

くぐって越えて

先日、産業技術大学院大学に行く用事があった。関係者に千葉からのアクセス方法を訪ねると、品川の南にで少し行きにくいとのことだったので、若干ためらっていた。直前になってから地図で周辺を確認すると、特に物流系が極めて魅力的な湾岸エリアであること…

美しい汚れ

先日、「錆っていいですよね」と若い方に言われたので、調子に乗ってそのメカニズムや美しさについて熱弁をふるったところ、ドン引きされるに至った。まあそれはいつものことなので許容する(していただく)として、どこかで見た錆汁がらみの素敵な汚れを思…

端正な裏の顔

スイスのシオンという街にある、ローヌ川を跨ぐ高速道路の橋「シャンドリーヌ橋」。三次元的に三面が変化する主塔の形状がユニークなPC斜張橋なんだけど、この桁裏がすごくイケメン。コンクリートのトラスが心地よいリズム感を生み出しているし、桁高をグ…

鉄細工

エッフェル塔をつくったエッフェル社が施工し、エッフェル社をつくったエッフェル本人が設計したとされるガラビ橋。先日その写真を久しぶりに眺めて、うっとりしながらため息をついた。この鉄道橋は、鉄が夢の新素材だった時代の1888年に開通して、いまもな…

モニタリング触手

昨年の夏、奥利根のダムを一気に巡るツアー(参照:ある少年の夏の日)を行った。その際、滅多なことでは立ち入ることができない場所を、水資源機構の方々にご案内いただいた。矢木沢ダムの堤体直下にも潜入し、圧倒的なコンクリートアーチを下から見上げる…

連なる輪

デン・ハーグの地下トラム駅「Spui」はレム・コールハース率いるOMAの設計。地上、地下駐車場、トラムホームの重層構造が上手い具合にまとめられていて、複雑な空間構成が体感的に認知しやすくなっている。エスカレーターを下って地下のホームに行く途中、車…

チマチマの集積

新潟県長岡市を貫流する信濃川に架かる、橋長約850mの長生橋。その名の通り、1937(昭和12)年に架けられた76歳の橋梁である。細かい部材で構成されたトラスからは、老練な技術の積み重ねが感じられる。とてつもなく大きなスケールなのに、これほどヒューマ…

ゲーリーの家

デュッセルドルフにあるフランク・ゲーリー(FBアルバム:Frank Owen Gehry)が設計した集合住宅。例によって、その表皮はゆらぎやゆがみが支配的で、拠り所が全くない。室内ってどんな感じなんだろうかねえ。見てみたいけど、住みたくはない気がするなあ。

一点透視の新幹線駅

先日参加した「大人の社会派ツアー:第1章 セメントの道」の集合場所には、山口宇部空港や宇部市内など、様々なピックアップポイントが設定されていた。もともと前日入りするつもりだった僕は、宿泊地や行程などを深く考えることなく、リストの最後にあった…

赤い靴

西海橋はなんで支承と高欄だけ赤いのかねえ。わずかな面積にだけ差し色を使うという、オシャレ手法かねえ。素材感を活かしたモノトーンコーデの中に、ワンポイントで元気のいい色を使うと、大人カワイイ雰囲気が演出できる上に、着回しだってラクになるよ!…

もやもやした感情

なんだかんだ言って、つくる側の都合を優先した結果として生じたカオスな形態や構成や質感は、個人的に大好物である。その感情はなかなか言葉にならないけど。あらためて石井さんが用いた「萌え」という表現はうまいなあなんてことを、宇部の工業地帯に行っ…

宇宙系施設

今年の大型連休は長野方面に2泊3日で砂防、用水、ダムなどの水系インフラを中心に、駆け足で見て廻った。そこには果てしなく続く自然との闘いがリアルに感じられ、とても良質の刺激を受けることができた。 行程は直前になってから慌てて組み立てたので、宿泊…

色のサンプリング

もともと僕にとって写真を撮ることは、対象となるモノや空間の様子を資料として記録するためである。フィルムカメラのころは、メカとしてのカメラは大好きだったものの、写真そのものは被写体が写っていればいいという程度の認識だった。 ここ10年ほどのデジ…

汚れのデザイン

いよいよ梅雨の時期が来てしまった。昨年は海外逃亡していたので、極めて快適に過ごすことができたのだが、今年はあの不快感を避けられそうもない。かなりマイナーな気分ながらも、いつもの通勤路のそばに、梅雨らしい風情を醸し出す素敵な壁を見つけた。 階…

直接的壁面緑化

これほど屈託のないカラーリングや奔放なパイプさばきは、一周回って清々しい気分になるね。

リピート

同じものが繰り返されるってことに大きな魅力を感じる。それは宗教音楽やテクノから受ける印象によく似ている。たとえば、繰り返される旋律、淡々とした音色、規則正しいリズム、単調な構成。こうした要素が、覚醒や恍惚や高揚といったいわゆるトランス状態…

フーチング

ダムの堤体を地盤に定着させる部分を「フーチング」と呼ぶ。その多くは階段状になっており、堤体のマッシブなコンクリート面や岩盤の有機的なテクスチャーとのコントラストが面白く、個人的にはとても好きな部位のひとつである。 橋脚や擁壁などでも基礎の地…

ヴェネツィアの顔

ヴェネツィアの細い路地を歩いていると、視線を感じた。振り返ると、そこには石版でできた呼び鈴が。このようなレイアウトは、確実に人の顔に見えてしまうよね。一度そう思ってしまうと、ヴェネツィアはそんな人たちだらけなことに気付く(FBアルバム:ヴェ…

スカルパの橋

ヴェローナという街に行った際に、カステルヴェッキオという古城を改修した市立美術館に立ち寄った。これが予想をはるかに超えた素晴らしい美術館で、とても大きな衝撃を受けた。動線の構成や作品の引き立て方が素晴らしく、素材を巧みに活かした繊細で丁寧…

壁の穴

ミラノ北駅からコモへ向かう電車が出発するまで少し時間があったので、駅前からチラリと見えたスフォルツェスコ城を散歩してみた。レンガ造りの城は堅固な要塞といった風情で、優美さなどはほとんど感じられない。ここらへんは頻繁に戦争を繰り返していたの…

同じことの繰り返し

ルール工業地帯のゲルゼンキルヒェンに架かるFootbridge harbour Grimbergの高欄。信じがたい外観はこちら。フェンスの面には簡素な金網を用い、それを上下端のケーブルに張り渡し、ケーブルは端部ですっきり定着させている。極めて簡素なつくりで、極めて透…

グエルさん家

バルセロナでは調子に乗ってガウディ関連施設を6つも見に行ってしまった。まるで建築マニアの建築巡礼だけど、なにしろガウディの卓越した造形力や空間構成力には、建築素人の僕にもひしひしと伝わる凄みが十分にあるので、飽きることはなかった。しかしま…

ミニマルブリッジ

ヴァルス村を散歩してたら、あまりにもすてきな歩道橋にばったり出くわして、腰を抜かしそうになった。これは一目惚れってやつだね。 フランジを露出させていない耐候性鋼板の箱桁、ウェブに取り付けられて桁を薄く見せているシンプルな高欄、わずかにウェブ…