はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

細部

意図のない絵画

最近になって我が家の近くに出現した、高度に抽象化された壁画。とても柔らかい色調と構図とタッチから、確かな完成度を感じることができる。落書きと管理者の絶え間なき抗争の痕跡が、こんなに素敵だなんて。杉浦さんに撮ってほしいな。

三日月アーチ

エッフェル社がつくったガラビ高架橋は1884年に完成した。パリのエッフェル塔の5年前のことだ。この時代につくられたのに、装飾が全く施されていないことに驚かされる。エッフェルは機能主義の先駆けだったのか、単なるケチだったのかはわからないが、ともか…

腹の中

エッシュ歩道橋の内側は、錆止めの色に似た赤で塗装されている。この地域特有の赤土の色を引用しているのだそうな。意を決して巨大生物の体内に取り込まれてみたら、そこには奇妙な安心感があったよ。

もう一息感

マーストリヒト郊外の運河にひっそりと架かっている張弦梁構造のBoschpoort橋。いろんなところが凝っていて、かなりがんばっていることは伝わってくるけど、そんなに洗練されているようには見えないんだよね。この手慣れていないちょっと言葉足らずな感じを…

過剰なパイプワーク

たしかに僕はパイプが好きだと言ったけど、ここまでやるのはどうかと思うよ。カラーリングも含めて。どうもベルギーはやり過ぎる傾向にあるね、なんにつけても。まぁそれはそれで魅力的。

繊細な裏側

パリ南東部のCréteilという郊外感にあふれる街に、カラトラバが設計したOudry-Mesly歩道橋を見に行ってきた。メトロ8号線の終着駅から歩いて10分ほどの、高速道路の上に架かる下路アーチ橋である。 この橋は1988年につくられたというから、カラトラバのキャ…

柵がない

柵があって当たり前と思っている身からは、このすっきりとした水辺空間を歩くと、ちょっぴり恐怖感を抱くことに気づく。自分がいかに過保護に育ってきたかがわかるね。良くも悪くも、ここは自己責任の国。

亀のディテール

亀久橋はディテールもすてき。橋門工の緩やかな曲線はスクエアなフォルムを引き立てているし、穴に配置された装飾もくどくならない程度に効いている。接合部の鋼板が円弧になっていたり、2色で塗り分けられているのもかなりしゃれている。それに、親柱や高…

連続する穴

添架物を通すために空けられている穴。反復する要素ってのはそれだけで魅力的なんだけど、穴を覗くって行為はさらにそれが増幅するね。

ドット柄

神田川が隅田川と合流する場所に架かる柳橋。アーチ基部のリベットの配置が、すごくきれいだよ。

裏側の眺め

世の中橋脚マニアがいるのだから、橋桁マニアがいてもおかしくない。きっといると思う。桁裏コレクターとか結構いるんじゃないか。 彼らの中では、鋼派とPC派とか、箱桁派と鈑桁派とかで論争があったりするのだろうね。もっとニッチなところでは添架物マニア…

偶然出会った素敵な橋

先月宇都宮の大谷資料館に行ったときの道すがら、地味だけど冴えわたったいぶし銀のような鋼箱桁橋を見かけた。 ブラケットの根本を箱桁の底面まで延長し、ブラケットの下フランジはテーパーをつけながら箱桁付近で大きく広がり、ブラケットの突端部はアール…

なにかとすごい

北海道の芦別という町に架かるPC斜張橋、星の降る里大橋。名前もすごいが、A型主塔と五重塔と大観音の競演もすごい。それと、道路上空に構造物がある形式にしてしまったものだから、雪氷対策をせざるを得なくなり、主塔頂部と横梁りにチタンの板を貼り付…

コイル

大橋ジャンクションの標識、コイルの回路記号かと思ったよ。

塗り分けの怪

先日記載したように、三郷ジャンクションの桁のほとんどはびっくりするほど彩度の高い朱色で塗られているのだが、ほんの一部の桁はなぜかグレーに近い淡い黄緑で塗られている。その部分は後から拡幅しているようで、もともとの派手な色の箱桁を包み込むよう…

バイオレンス・ジャンクション

三郷JCTの桁の塗装色は、腰を抜かすほど彩度の高い朱色だ。もちろんこの色彩も小さい面積なら何の問題もないのだが、箱桁の表面という平滑で一様な面に、しかも巨大なジャンクション全体にわたっているということが、暴力的ともいえる景観に結びついている。…

エンジン近景

ANAの整備工場でジェットエンジンに鼻がくっつきそうになるほど近づくことができた。もちろん触ってないけど、サービス良すぎだよANA。僕がテロリストだったらどうするんだ。 思っていたよりも雑然とした見た目だけど、極限まで軽量にコンパクトにつくられて…

かっこいい箱

鋼桁の形式で何が好きかと言われると、やっぱり箱桁かな。しかも、継ぎ手は溶接が好き。逆台形の断面はクールでシャープな陰影をつくり出す。つるんとした表面は、道路の美しい線形をくっきり際立ててくれる。そんなことをかっこいい海老名JCTに架かる箱桁を…

不連続な張り出し

東京港臨海大橋のアプローチ部分は、陸側の幅員よりも海側の幅員の方が不自然に広くなっている。はじめはなんのことだかさっぱりわからなかったが、きっと海を渡る区間にだけ歩道がつけられるためなんだろう。端部の形状が素直じゃないのがちょっと気になる…

見上げてごらん

桁裏マニアっていてもいいと思う。ブラケットの繰り返しは素敵だよねとか、鋼床版のUリブがたまらないとか、箱桁もいいけど鈑桁の頼りなさもいいよねとか、対傾構や横構の繊細さにぐっとくるよねとか、添接板もだんだん好きになってきたとか、吊りピースって…

力を受ける点

橋梁の上部工と下部工の接点には、支承または沓と呼ばれる部材がある。橋桁にかかるとんでもなく大きな力を一手に引き受けている点、これがかっこいい。特に古い鋳物のものは重厚感と緊張感があってすごくすてき。だれかコレクションしてくれないかな。

緑の階段

草木が自生できないような勾配の斜面を緑化するのって、どう捉えたらいいのかよくわからない。いろんな苦労の末にようやく緑化されているのだろうけど、なんとなく偽善のような匂いも漂っている。

気遣いのデザイン

世の中には素人がおいそれと立ち入ってはいけない場所がたくさんある。そんな場所はたいてい壁やフェンスで仕切られて、内と外の世界に分離される。しかし、隔絶された空間を覗いてみたいという欲求は、多くの人が持っていることだろう。そして、その眺めを…

落橋防止システム

1995年に発生した阪神淡路大震災を契機に、日本全国の橋梁が大急ぎで耐震補強されてきた。その一環で、桁が橋脚から落下するのを何がなんでも阻止するシステムが導入された。早い時期に行われた補強では、見た目なんて一切気にしなかったようだね。そのワイ…

縛られた橋脚

鉄筋でぐるぐる巻きにされた鉄道高架橋の橋脚。耐震補強ってことはわかるけど、ずいぶん荒っぽいやり方だ。なにかのプレイか。 気になって調べてみると、どうやらRB工法というもののようだ。周りに邪魔なものがあって重機を使って施工できない使えない場合に…

鋼のぶつぶつ

鋼橋とかで部材同士を接合するために、 40年くらい前まではリベット継手が使われていた。いまは溶接や高力ボルトに取って代わられてるので、すっかり使われなくなった技術だ。個人的には、懐古趣味ではないのだけど、このテクスチャーがとても好きだ。特に疎…

アーケード

川崎にて。パイプラインのアーケードって、かなり珍しいんじゃないかな。日よけにはちょうどいいね。

不自然な自然

広い幅員の路面と背の高い遮音壁で構成された道路空間に、ベルト状の植栽が挿入されている。騒音の緩和という側面もあるかもしれないが、緑による心理的効果を狙ったものなんだろう。心地よい環境や景観を形成するために、植栽の助けを借りることはよくある…

豊かなディテール

最近の製鉄業界は高炉の休止や稼働率の縮小による大幅減産、年間配当の減少など、暗いニュースが続いている。主要な顧客である建築、自動車、電機などの業界が低迷しているためだ。ものづくりが大きな経済基盤を形成している日本において、製鉄業界の不振は…

なげやりな整列

上海で見かけた通り。 ボーッと佇んでいただけで、すっかり平衡感覚が失われた。 どこが水平でどこが垂直なのか、全然わからないんだもの。 いや、もはや正しい基準なんて必要ないのかもしれない。 この通りには、何とも言えない賑わいが生まれていたのだか…