はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

認識

地形の記憶

父親の仕事の都合で、幼年期に長野県松本市で過ごしていたことがある。数年前に松本を訪れたついでに、30年以上前のかすかな記憶を頼りに市内を散策してみた。 行く前は色あせた断片的なシーンしか思い出せなかったのだが、現地に行ってみると“かつて自分…

浮かび上がる線

夜のジャンクションで長時間露光を行うと、肉眼では見えない線形が見えてくる。なかなかのファンタジー。

不思議な夜景

縁があって、また四日市を訪れている。今回もコンビナートのいろんな表情を見ることができて、かなり楽しい。工場の夜景を撮る時間も得て、さらにテンションが上がった。なにしろ、写真は肉眼では見えないものが見えるものね。この不思議な感覚は工場の写真…

夜景はきれいに見える

横浜に行ったついでに、川崎に立ち寄った。昼の工場に比べて、夜の工場はきれいだと感じる人は多いように思う。雪と同じように、汚いものを隠すからなのかねえ。いや僕は昼も好きだよ。

ドボク情操教育

先月京都に行った時、琵琶湖疏水の水路やインクラインや記念館などを、じっくり時間をかけて散策してきた。知識としては少しあったのだけど、実物を見て触れると理解が進むね。明治の人々の偉大な仕事を感じることができて、ほんとによかった。 その道中、随…

空の見方

鉄塔と送電線は空を引き立てるための名脇役なのだ、と言い切られた。 なるほど、自分はこれまで送電鉄塔を主対象として凝視し、空は背景として切り捨てて見ていた。 それが、主役は空で、それに奥行とかスケール感を与える補助をするのが送電鉄塔だと。 送電…

駅前タワー

東京タワーにはブームがあったけど、京都タワーにもあるのかな。ゆるキャラのたわわちゃんとかいるから、ありそうなもんだけど。

擬態

化粧型枠による石積み風のコンクリート壁面。フォトショップでコピペしたような同じパターンの繰り返しは、人工感を揺るぎないものにしているんじゃないか。

門をくぐる

ちゃんとした門をくぐるときには緊張や高揚を感じることがあるけど、船に乗って水門をくぐる体験は格別だよ。 巨大な鉄の平面は、その圧倒的な質量で通る者を静かに威嚇してくる。非常時にはギロチンのように水路を遮断し、とんでもない水圧に耐えて街を守っ…

街の中の巨大コンクリート塊

住宅都市整理公団の大山さんが企画した大橋ジャンクション見学ツアーに参加させていただいた。大橋ジャンクションとは、現在建設中の画期的なジャンクション。狭い土地の制約の中で、地上の高架橋と地下のトンネルを結ぶジャンクションのため、かなり無茶を…

リフレイン

この橋の桁裏を見上げてみた様子。とても洗練された造形になっている。 個人的には、部材が連続している様や、それが微妙に変化する様はとても好きだったりする。きれいだよね、淡々と繰り返されているものって。 これは音楽にも通じていて、リフレインが延…

パイプが絡む建物

今にもパイプに浸食されそうな建物に見える。あるいは、建物の内臓がむき出しになっているようにも見える。しかし、そもそもこれは建物ではない。なにかの巨大な装置なのだ。 普段われわれが持っている常識の範疇から、このスケールの物体はついつい建物と認…

視点の切り替え

僕は高いところが大好きである。高層ビルや展望施設などに行くと、同伴者が恥ずかしくなるくらい外を眺めるのに夢中になるらしい。もちろん僕だけでなく、高いところが好きな人はたくさんいるはずだ。はしゃいでいる人も多く見かけるし、はしゃぎたい衝動を…

平穏な日常

のんびりと釣りをするおじさんたち。 コークス工場から出る激しい水蒸気も、彼らにとってはいつもの風景。

わかる形

橋梁の構造形式の中でも、アーチ形式が好きな人はかなり多い気がする。たぶん、アーチは“直感的に理解できる形”なんだと思う。重力のある環境の中で生活してきた経験を無意識的に動員して、力の流れをなんとなく了解できるのだと思う。 内部空間を生み出す建…

仮想的現実空間

東京の丸ビルと新丸ビルの間にある、昨年できた地下道。 その眺めは現実を通り越して、もはや、CGのようだ。ここにいると、バーチャル空間の中に身を置いているような気分を味わえる。SFも身近になったもんだ。 ふと気づくと、CGはどこまで現実を再現…

空想科学の街

上海の街を高速道路から見下ろしたとき、既視感というか、なんとなく懐かしさを覚えた。そのときはわからなかったんだけど、しばらくしてからふと思い出した。昔の未来、そう、小松崎茂の世界だ。かつて少年だった大人は、必ず目にしたことがあるはず。改め…

直下からの視線

昨日は「ジャンクションツアー臨海編」に参加してきた。前回の「新春ジャンクション見物ツアー」では都市内の高密度なジャンクションを見たのに対して、今回は湾岸エリアの比較的伸びやかなジャンクションを見て回った。最初は辰巳JCT、湾岸線を外側から…

アートの中の工場

日経新聞の朝刊の文化面で、今週の月曜日から「テクノスケープ十選」というタイトルのコーナーが掲載されている。工業景観をテーマとしている過去のアート作品を取り上げて、その作品の背景を解説しつつ、テクノスケープの面白さを分析するという内容。 筆者…

非常時インフラの日常

先週末、写真集「恋する水門」の佐藤さんがガイドをしてくださった「水門ツアー」に参加してきた。これまで自分が見てきた領域は、土木のほんの一部であることを再認識させられた。要するに、交通系に偏っていた。交通系インフラは、たいてい常時活躍してい…

良い景観

先日、朝日を受けて赤く染まる富士山を見た。当然のごとく、その荘厳な景観に感激した。 おそらく、日本人の誰もが富士山を中心とする景観は「良い」と感じるだろう。もっと広げて言えば、人間の手があまり入っていない自然の景観は「良い」と決めつけて良い…

平面へのまなざし

昨日、NHK・BS2の「熱中時間」という番組に、友人の杉浦さんが「壁熱中人」として出演した。これが、とても面白かった。当初あっけにとられて引き気味だったレギュラー出演者たちが彼女の壁写真にどんどん引き込まれていく様は、以前の自分自身を見て…

熱の道

コンビナートでは、大小のパイプをよく見かける。パイプが群になって、全体が構成されているようにも感じる。個人的には、大好きな存在だ。そもそもコンビナートは『結合』という意味のロシア語なので、プラント同士をつないで様々な物質をやり取りしている…

都会らしさ

高度空間利用された汐留の道路用地。上から、新交通システムの軌道、周辺の建物と駅舎を結ぶペデストリアンデッキ、道路がある地盤、サンクンガーデンがある地下空間の4層構造である。 ふと気がつくと、都市空間は人の空間認識能力を超えるほどの複雑さを伴…

自然な拒否反応

フランスの文人であるモーパッサンは晩年、1889年のパリ万博に際して建設されたエッフェル塔の中にあるレストランに、足しげく通っていたそうだ。その理由は「ここなら、あの忌々しい巨大な骸骨が目に入らない」からなんだと。美しいパリの街の景観を損なう…

都市の緑

首都高を走っていると、東京は緑が多いことに気づく。皇居、赤坂離宮、新宿御苑、明治神宮などの大きな樹林があるからだろう。それに、街のあちこちで街路樹が整備されてたり、ちょっとした公園があったり、ちょっとした屋敷林があったりする。つまり、東京…

ノイズリダクション

吊橋の内部景観。 このような長大橋梁を渡るとき、僕は運転しながらも、ついつい周りの風景を眺めてしまう。いつもワクワクして、いい気分になり、感激する。 ところが、その内部景観を写真に撮ってみても、そのドキドキ感は伝わらない。思いのほか、いろん…

イナカモノノヒトリゴト

あらためて言うことでもないけど。東京って、なにもかもがものすごい密度で集積しているんだね。しかも、その範囲がとてつもなく大きい。圧倒されっぱなしで、ちょっと引いてしまう。

ねじれた関係

田園風景の中にポツンと架けられたあるアーチ橋に近づくと、違和感というか気持ち悪さがどんどん増大する。橋がゆがんで見えるのだ。ちょっとしたワンダースケープである。 その理由は、道路と川が斜めに交差しているために、2つのアーチリブが平面図上で橋…

リアル・ダンジョン

地下は迷いやすい。その理由はいくつか考えられるが、“迷い”の種になる“戸惑い”が生じやすいポイントがある。 それは、分岐と昇降。 直角や1階層のような明快さがない場合、さらに戸惑いは大きくなる。これが同時に出てくる場面は、なかなかの迫力だ。ゲー…