はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

コルビュジエ団地


もう1ヶ月以上も前の話ではあるのだけど、フランス南部の旅で最後に行ったのが、ル・コルビュジエによるマルセイユのユニテ・ダビタシオン。何年か前に森美術館でやったコルビュジエ展に展示されていた実物大のユニテの部屋にかなり衝撃を受けたので、せっかくならとちょっと無理して見に行った次第。
マルセイユでは港町らしい複雑な道に迷いまくり、通勤ラッシュと重なり渋滞に巻き込まれ、きわどい運転で成立しているローカルルールの洗礼を受けて、二度とこの街では運転したくないと思いつつ、夜8時頃にようやくたどり着いた。大急ぎであれこれ見て回ったのだけど、表層だけに終始してしまった。旅には余裕が必要だね。
団地内をうろうろしていたら、お子さんを連れた韓国人女性に日本語で声をかけられた。ありがたいことに、ここでの生活や住み心地などについて、いろいろお話しを伺うことができた。時間があれば部屋の中を案内してくださったのではと思うほど、ユニテへの愛着が深いようだ。最初は住んでいる方がいらっしゃるのにずかずか入り込んでいいのか悩んだが、挨拶を交わした住人の方々はみな親切で開放的だったことにびっくり。住宅と住民が強く結びついた幸せな団地ライフなんだね。
ちなみにこの団地にはホテルも入っているので泊まれるんだよね。ここでもう一泊してじっくり体験すればよかったなと後悔することしきり。