リヨンの街には結構な高低差があって、丘の上から眺めるパノラマはなかなかのもの。建物の高さと屋根の色がビシッと統一されている街並みは、日本では見ることができない景観なので、じっくり味わいたい。
その丘の傾斜を利用した古い半円形劇場がある。築年数はなんと2千年を超える。しかし遺跡ではなく、今も現役の劇場として使われている。こうした光景を目の当たりにすると、欧州人と日本人の時代感覚の違いが、さもありなんと納得できる。だって彼らにとって、比較対象は古代ローマ人なんだもの。
ちなみに同行した我が妻はこのローマ劇場を見るなり、「アーチダムみたいでかっこいい」と言い放った。その時僕は、ローマ人に勝ったと思った。
