はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

水の表情

とあるフィルダムの越流部。何の変哲もないダムではあるが。

湖水が天端のアールを滑らかに降りていくと、途中から水の流れが崩れ、空気を含んで白いレースができる。それらが複合して微妙な文様を描きながら斜面を滑り降り、床面に叩きつけられて勢いを失うと、いっそう白く輝く。そして、またしても複雑な文様を描きながら、透明さを取り戻していく。

落水の表情を見ていると、実に楽しくなる。ついつい惹き込まれ、長い時間ボーっと眺めていても飽きない。この表情は、あらかじめ計算されて生み出された演出なのだろうか。
水って面白いな。