はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

熱の道

コンビナートでは、大小のパイプをよく見かける。パイプが群になって、全体が構成されているようにも感じる。個人的には、大好きな存在だ。

そもそもコンビナートは『結合』という意味のロシア語なので、プラント同士をつないで様々な物質をやり取りしているパイプは、コンビナートの本質を表象しているものと考えてよさそうだ。

パイプの中はなにが通っているのか、大きく分けると2種類あるのだそうな。僕はオイルなどの『液体』とスチームなどの『気体』の2種類かと思ったが、プロの観点はそうではない。原材料や製品などを示す『プロセス』と、生産時に必要とされる二次的物質を示す『ユーティリティー』の2種類なんだそうな。

プロセスってのは、たとえばガソリンなどの製品になるものなので、イメージしやすい。ユーティリティーってのは、具体的には蒸気、窒素、水などであって、ちょっとわかりにくいけど、その本質はどうやら『熱』のようだ。

なるほど、コンビナートは熱エネルギーに支配されているんだね。そう言われるとそりゃそうだよなという風に理解できるんだけど、熱を運ぶイメージってのは、日常的なものではないね。だからこそ、面白いんだけど。