はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

三角の橋の余生


夕張のダム湖にかかる旧森林鉄道の三弦トラス橋。極めて珍しい三角形の断面を持つ形式、当時の最新技術である全溶接を採用したこの橋は、昭和33年に架設され、昭和41年に廃止された。以来、放置されたまま時が流れたが、近年になって、産業遺産として注目されている。
より大きなダムが下流に建設されるため、この橋は湖底に沈む運命にある。と思っていたら、撤去・放置・移設などの議論が本気でなされているということをずいぶん前に聞いた。現在はどうなっているのだろう。
なくしてしまうと、産業史と技術史の証人をまたひとつ失う。コンクリート橋では渇水期に湖底から現れる橋があるけど、鋼橋ではねぇ。どこかに移設しても、本来的な意味を完全に失うことになるしねぇ。好きな橋のひとつなだけに、今後の行く末が心配だ。