はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

非柑橘類のライム


念願の写真集を手に入れた。畠山直哉「LIME WORKS」。セメント工場や露天掘り鉱山などが被写体となっている写真集で、なんともダイナミックかつクールな写真が満載されている。僕は写真のことを評論できるような知識も経験も持ち合わせていないが、ベッヒャー夫妻のそれとは全く異なるアプローチであることは感じられる。

もともとこの写真集は1996年に出版されて、2004年に別の出版社から再版された。工場の景観に興味を持ち始めてからずっと欲しいと思っていたのだが、ネット上にある古本の価格は3万円に迫る法外な高値がついていて、全く手が出せなかった。最近、何の気なしにアマゾンをチェックしてみたら、なんと3千円台で出ているではないか。当然、迷うことなく一気にポチッとしたわけだが、この3月にまたまた再版された新品ということだった。

そんなわけで昨日やっとアマゾンから写真集が到着し、今はにやけながら鉱山系テクノスケープの世界を堪能しているわけだ。なかなか自分の目で現物を見ることができない眺めということもあってか、グイグイその世界に引き込まれてしまう。中程のページに挿入されている文章も含蓄があってすてき。工場萌えブームに影響されている方々は、なくなる前に速攻で買うべし。

そうそう。ずっと不思議だった、タイトルの「ライム・ワークス」の響きが内容とは異なり、ちょっとかわいいという件。答えは簡単だった。「ライム」とは「石灰」の意でもあったのだ。知らなかった。


ライム・ワークス LIME WORKS

ライム・ワークス LIME WORKS