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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

トンネルアンカー

橋梁 構造


マーストリヒトからの列車がリエージュに到着する少し前に、車窓から大きな斜張橋が横目にちらりと見えた。なんとなく気になったので、リエージュ・ギューマン駅を一通り見た後に、歩いて見に行ってきた。思っていたよりも距離があったが、なかなか面白い橋だったのでよしとする。
この一面吊りの斜張橋は、大きな船舶が頻繁に往来する河川をワンスパンでひと跨ぎしている。斜張橋は普通、反対側にも同様の橋桁を吊ってバランスを取るが、この橋では地面から隆起したコンクリートのかたまりにケーブルが突き刺さっている。よく見てみると、道路もそのかたまりに吸い込まれている。つまり、トンネル坑口が斜張橋のバックステイのアンカーになっている複合的な構造物なわけだ。道路線形や航路の厳しい条件を構造的工夫で解決したんだね。
カラトラバの駅舎を見た直後だったこともあってか、円と直線の単純幾何形態で構成された造形、ぴかぴかのパネルで被覆された円断面の主塔、ケーブルやストラットのステンレスであろう質感からは、なんだかもっさりしていて垢抜けないという印象を受けた。ディテールの工夫次第でさらにシャープでかっこいい橋になったのではと思うと、少しもったいない気もするね。