はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

読み解きの必要性


ベルギーのKortrijkという街にあるローラン・ネイが構造デザインを手がけた吊橋、college橋。繊細で危うい緊張感を感じて、美しい女性を見かけたときのようにかなりときめいた。
この橋は、滑らかなS字を描く桁が下がろうとしたり浮き上がろうとしたりねじれようとする力や、ケーブルに導入した引っ張る力などをうまくバランスさせている。しかしそんなことは実物を見てもなかなかイメージできないよね。
構造的遊戯から美しい形態を生み出すことはすごく楽しいことなんだろうと思うけど、鑑賞者はどこまでその面白さを読み解くことができるのだろうか。あるいは、もはや読み解く必要なんてどこにもないのだろうか。