はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ローリング


世の中にはおかしな橋がいくつもあって、このブログでもこれまでたくさん紹介してきたが、ロンドンで見たこの橋は、かなりイっちゃってる。なにしろ、丸まるんだよ、橋なのに。まるまったその姿はまるでダンゴムシのよう。いったい何のために丸めるのか、そんなことを気にしてはいけない。丸まること自体が目的なのだ。
せっかくロンドンに行くのに、こんなアホな橋を見逃すわけにはいかない。公式ホームページに金曜の正午に動くよと書かれていたので、アイントホーフェン空港からスタンテッド空港に入り、エクスプレスでリバプールストリートまで行き、アンダーグラウンドでパディントンへ。このとき11時55分。これはまずいと思い、おおよその方向を向いて走り出した。5分後に到着したのは、この橋の対岸にあるフェンスの向こう側。地団駄を踏みつつ遠目で様子を眺めてみても、なんの変化も感じられない。あれ?と思い、気を取り直して遠回りをして架橋位置に接近した。たしかに橋を動かしている空気は全く感じられない。
仕方ないのでこの橋の付近に架かる別の橋の写真を撮っていたら、警備員に呼び止められた。橋のデザインの研究者だといういいかげんな事情を説明して、IDを見せつつ書類に名前などを書いたらようやく納得してくれて、好きに写真撮っていいよと態度が一変した。
そこでついでにローリングブリッジはいつ動くのかと尋ねてみたら、現在なにやらトラブルがあって止めてるみたいなんだけど、1ヶ月後くらいには動くんじゃないかな、また見に来てよ。という全く信頼性のない情報をいただくことができた。
まあ、その欲求不満はYoutubeではらすことにしましょう。