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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

鉄道の大聖堂


ベルギーのアントワープ港に来たついでに、以前タリスに乗車したときにちらりと横目で見てから気になっていたアントワープセントラル駅にでも見に行ってみるかと思い立った。来てみてびっくり、僕が今まで体験した駅の中でも一番すごいんじゃないかというくらい素晴らしい空間。ついでとか言ってしまってすいませんでした。
駅舎内のカフェのメニューによると、1905年に完成したオリジナルの駅舎は「レールウェイ・カテドラル」と呼ばれているのだそうな。石造りの待合大空間やスチールのプラットホーム大空間は、ほんと大聖堂と呼ぶにふさわしい壮麗なつくりだ。これだけでも見応え十分なのだが、2007年にリニューアルオープンした新駅の部分と組み合わせるともっとすごい。
もともとの駅舎はターミナル駅としてつくられているので、パリとアムステルダムを結ぶ通過型のタリスは乗り入れできなかった。当然のことながら周辺の街並みもターミナル駅を前提として成り立っているから、いまさら新たな路線をつくる余地など全くない。これを解決するために、地下18mにトンネルを掘り、重層化したプラットホームを形成した。そしてオリジナルの駅舎を完全な形で残しつつ、中央に4階層を貫く印象的な吹き抜け空間を生み出したのだ。
上層階から下層階に行くに従い、どんどん近代感というか未来感が増すようしつらえられているのが面白いよ。ついでとかじゃなくて、ちゃんと主たる調査対象にして襟を正して見るべき駅舎だね。出直してきます。
ちなみにネット検索していたら、この駅をゲームのように疑似空間体験できるサイト(Antwerpen Centraal - virtuele rondleiding)があった。オランダ語表記なのでよくわからないのだけど、この駅がすごく的確に再現されているので、お時間のあるときに遊んでみてはいかがでしょうか。