はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アントワープの港クルーズ


まるで真夏のような強い日差しが照りつけたイースター休日に、工業都市としてのアントワープを満喫できる港クルーズ(Flandriaホームページ)を楽しんできた。
10:30発1.5時間のショートハーバークルーズと、14:30発2.5時間のロングハーバークルーズが用意されている。スヘルデ川をゆく都市観光的なクルーズもあるようだが、もちろんここは迷わずロングハーバークルーズを選択した。なお、発着所は中心市街地から少し北側のロンデンブルグ埠頭にある。スヘルデ川沿いにあると思い込んでいたので、少々あせった。
このクルーズは基本的にハードな港湾景観しか見ることができない。ロッテルダムの港クルーズと比較しても、さらにマニアックと言えよう。しかも長時間なので、ゆったりと会話やお酒を楽しみながらでないと、正常な感覚を持つ人にとっては少々退屈に感じるかもしれない。そんな心配をよそに、老若男女で結構賑わっていたよ。毎日運行されているというからすごいね。
このクルーズの目玉イベントとして、可動橋の開閉シーンが挙げられる。都合6回も橋が動く様子を見ることができて、ものすごく嬉しくなった。だって僕らのために道路を止めて桁が跳ね上がるんだよ。なんて贅沢な。
石油化学コンビナートの偉観も拝むことはできるものの、少々距離があるうえに逆光になる。写真を撮る人は望遠レンズを持って、順光になる午前中のショートクルーズに乗る方がいいだろうね。
一番のクライマックスは、やっぱりコンテナターミナル。ものすごい数のガントリークレーンがずらりと立ち並ぶ姿は感動ものだよ。鉄の箱が次々と運ばれる荷役の様子も、つぶさに観察することができる。でもこのエリアは発着所からかなり離れているので、ロングクルーズに乗らないと見られないと思うな。
ともあれ、ベルギーのインダストリアルな側面を見るいい機会になるので、旅の行程に加えてみるのはいかがだろうか。