はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ふぞろいのシェルター


金属の鱗を持つ近未来的なシェルターが特徴的なテムズバリアは、ロンドンを高潮から守るための防潮水門で、1982年に完成した。東スヘルデ水門に次ぐ巨大な水門である。通常時は門扉が河床に格納されているライジング・セクター・ゲートという形式が採用されている。このため、ピアだけが点々と河の中にあって、中途半端な印象を受ける。しかもゲートのスパンは両端が短くなっているため、なんとも落ち着かない。ここまであくの強い外観にするのなら、せめてシェルターの大きさくらいは揃えた方がよかったんじゃないか。