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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

飛び地の聖地

風土 都市


だいぶ前のことになるが、グーグルマップでオランダを眺めていたところ、ベルギーとの国境がなにやらおかしなことになっている箇所を見つけた。ん?なんだろうこのノイズみたいなものは?と思い、おもむろに拡大していったのだが、それはますます不可解な図像となっていった。んん?国境なのにもしや飛び地?しかしこのモザイク的な入り組み具合はいったい?と思い、よくよく見てみると、信じがたいことに、閉じた飛び地の中にさらに飛び地があるではないか。
というのがこのマップ。じっくり眺めていただきたい。オランダの中にベルギー領がいくつも分散しており、その中にさらにオランダ領を抱えているベルギー領まで見つけることができる。

大きな地図で見る
いやあこれはやっぱり気になるじゃないか。そう思ってちょこっと調べてみると、すでにいくつもの情報があった。そりゃそうだよね、有名だよねこんなおかしなこと。ここではオランダ政府のオフィシャルな記述を紹介しておく。詳しいことはこちらを読んでいただきたい。
 オランダ政府観光局:2つの国にまたがる町 バールレ・ナッソー
この前の休日、気持ちのよい朝をだらだらとふとんの中で過ごしてしまったが、これではいかんと思い立ち、どこかへでかけようと決心をした。まあ行くなら近場だなと思っていたところ、この愉快な国境の街の存在を思い出した。おおこれだ!と急にテンションが上がり、早速ドライブへ。
高速道路を30分程度西進し、極めてフラットなオランダらしい風景ののどかな道をうきうきしながら通っていたのだけど、街に入る直前から混乱がはじまった。あれ?ひょっとしてもう国境超えた?あーこのロータリーは国境のようだ。どっちの国からどっちの国に?知らん?なんてことをやりながら、なんとか街の中心部で駐車スペースを確保した。
あーこの通りグーグルストリートビューで見かけたな、するとあっちに行けば国境だな。ということで、ひとつ目の境界ラインはあっさり確認できた。オランダ側にあるバーのテーブルがベルギーの領土を侵犯していた。道路を渡って反対側の歩道にある境界ラインを追いかけると、見失ってしまったので、急いで建物の向こう側へ。すると、こともあろうか建物の真ん中に国境が突き刺さっているではないか。よく見てみると、ベルギー側入り口とオランダ側入り口の2枚のドアがある。もちろん中は共通した空間。朝はベルギーから出勤し、帰りはオランダから帰宅することもできるのだ。
その後も国境トレース探索は続き、店内に国境がある雑貨屋や、ベルギーオランダ両国にかかる駐車升や、一般家屋の真ん中をさくっと国境が通り過ぎる光景を何度も目にした。上の写真でも建物の中央に国境が通っていて、双方の国旗を掲げているのがわかる。オランダの中にあるベルギーの街の中にあるオランダの地区というややこしいエリアもあった。また、現在の道路や区画とは全く関係なく国境が引かれていて土地利用の変遷が全くわからないケースも多々あった。
昔の土地利用図などをレイヤーして、なぜこんな国境になっていったのかを、アニメーションで示してみたいな。まあきっと誰かがやっているだろうから、まずはそれを探すとことからはじめないとな。