はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ツォルフェアアインの多様性


エッセンのツォルフェアアイン炭鉱はかなり広い上に、様々なコンテンツが詰め込まれているので、しっかり満喫するには丸1日かかるよ。こちらの案内図(pdfファイル)を見ていただくとわかるように、大きく3つのエリアに分けられている。
メインは赤で示された第12立坑(SHAFT XII)エリア。ランドマークの立坑櫓、ルール・ミュージアム、レッド・ドット・ミュージアム、デザイン・スクールなどがあり、きっちりきれいに整備された総合公園となっている。たしかにおしゃれでかっこいいし居心地もよい。こうしたクリーンな環境は誰でも安心して楽しめるだろうが、マニア的観点から見ると少し物足りなさがある。
しかしそんな人でも大丈夫。青で示されたコークス工場(COKING PLANT)エリアに行けば、重厚でわくわくするインダストリアルスケープを体験することができる。特に延長が600mもあるというコークス炉は圧巻だね。つくられたのは1961年、操業停止は1993年とわりと最近のことなのに、なんなんだこの貫禄は。一方で軸なし観覧車があったり、冬はスケートリンクができたり、夏はプールができたりと大胆なコンバージョンっぷりも若干見られるが、基本的には創業時の姿を残す姿勢のようだ。
このエリアでは、でかいカメラを持った多くの方々が熱心に写真を撮っていた。やはりドイツは工場萌え最先端を行く国だね。様々なニッチ的ニーズに対応するコンテンツやアクティビティーを用意して、一過性のブームで終わらせず地域活性化にきっちり結びつけていく強引な手法は、日本でも見習う必要があると思うな。
ちなみに緑で示された第1/2/8立坑(SHAFT 1/2/8)には、劇場やらアートセンターやら研究所やらが入っているようだが未確認。赤ゾーンと青ゾーンですっかりおなかいっぱいになってしまったので。