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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

板のバックステイ

橋梁 構造


ネイ事務所の方から、KortrijkにあるS字の線形が美しい歩道橋College橋のすぐ近くに最近できた道路橋はグレイシュ事務所絡みだというお話しを伺っていたので、しばらくネット上で調べていた。しかし、2010年秋に開通したばかりという新しさな上に、英語と蘭語と仏語での地名がそれぞれ違っていたり、グーグルマップやStructuraeにも手がかりとなる有益なデータがなかったりと、橋名すらわからなかったので苦戦していた。
しかし、パリのホテルで寝る前にこのことが気になり、何となく検索してみたら、あっさり見つかった。しかもグレイシュ事務所のページに記載があったのだ。これでようやく胸のつかえが取れた。名前はNoordbrug。グレイシュの橋のリストにこっそり追加しておくよ。
それはそうと、この斜張橋はタワーとバックステイが同じ鋼板で連続してつくられている。三角定規のような直角三角形が一体となっている自碇式の構造が視覚化され、なかなかかっこよくまとまっている。まるでネイのデザイン言語を借用して造形したかのようだけど、各所がシンプルなおさまりとなっているため、主張はかなり控えめと言える。
それに、桁裏がびっくりするほどフラットでスムーズ。なんでこんなことができたのかと橋面に回ると、そこにわかりやすく用意されていた解答に気付く。歩道のレベルよりも車道のレベルを1段上げて、荷重の大きい車道の桁高を稼いでいたのだ。普通の橋は路面の高さを合わせるところを、桁下面で合わせたというわけ。運河に沿って園地が着々と整備されてきているようで、そこからの眺めを最重視したのだろうね。
まあそういったことも含め、地味に上品な解決を積み重ねている橋なので、それほど人目はひかないと思うけど、僕はとても好みだ。しばらく一緒に活動していたら、うっかり告白してしまうかもしれないタイプだ。