はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

森の中の空中回廊


ヨルグ・シュライヒが設計したシュトゥットガルトにあるケーブルネット構造のLodzer歩道橋は、アプローチ部分も素晴らしい。ここを歩くと、まるで森の木々の間を浮遊しているような不思議体験が得られる。
結構な高低差を長い延長のスロープでつなぐために線形がループになっているのだけど、この桁橋の軽快感はかなりすごい。生い茂った公園の木々の中にあるために外側から見られる機会はほとんどないにも関わらず、透明感に満ちあふれている。短い支間と多くの橋脚からなるこの橋は、薄い桁と細い橋脚こそが正義なんだと言わんばかりだ。
ブッシュをかき分けて桁下まで行ってみると、ひんやりとした空気と静寂に包まれて、とても清々しい気分に浸ることができたよ。