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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

どちらが先か


リグーリア海に面する海洋貿易都市・ジェノバへ行ってきた。都市観光も楽しい街ではあるが、構造物好きは郊外に行かなければいけない。Riccardo Morandiが設計した、ユニークな構造形態を持つコンクリート斜張橋・Polcevera Viaductを見るために。まあ橋梁全体の話はいずれまた。今回は4枚のコンクリート板で構成されたV字のラーメン橋脚に、ゲルバー桁が架けられたアプローチ部について。
僕はできる限り効率良く橋梁巡礼をするために、事前にグーグルマップの航空写真やストリートビューを駆使して、良好な視点場や駐車可能な場所を探すようにしている。今回もそうした作業をしていたところ、どう見てもおかしな箇所を見つけてしまい、テンションが一気に上がった。橋脚のすき間に道路が通っていたり、橋脚が一部だけ敷地からはみ出していたり、橋脚の表面が工場の壁と一体化していたり、橋脚を車両の衝突からまったく防護していなかったり、どうもカオスな空気を醸し出しているのだ。
そんなわけで謎解き気分で現地に乗り込んだのだけど、見れば見るほど疑問は深まる。日本の場合こうした高架橋をつくるときには、まず事業者が高速道路が占有する用地を取得し、それに沿うように元々あった交差道路や平行道路を切り替えて区画を整えるのが普通だと思う。しかし、ここの用地はどうなっているのかさっぱりわからない。ここまで計画性が感じられない大規模土木事業はなかなかお目にかかれないんじゃないか。
もともとの敷地境界や道路を遵守したのだろうか。だとしても、建設時に壊した壁や道路をこんな使い勝手の悪い中途半端な状態に復元することはないだろう。高架橋が先にあってそこに工場が無秩序に進出したのだろうか。だとしても、権利関係をわざわざ複雑にするようなことはあり得ないだろう。なんでこうなったのか、やっぱりよくわからない。
こんな状況ってイタリアでは普通のことなのかしら。ここら辺の事情に詳しい方からの情報や、これが正解なのではという推理をお待ちしております。