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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

毒虫の部屋

建築 改修


先日紹介したオランダ空撮写真集「nlxl」に出会ったアムステルダムのホテルの話は、すでにブログに記載したはずだよなーと思ってごそごそ探したのだけど、どうやら書いていなかったようだ。もはや欧州紀行の記憶が混乱しはじめていて、とても焦る。
「LLOYD HOTEL」というこのホテルは、もともと移民のための宿泊施設として1921年に建てられ、捕虜収容所、刑務所、少年院、アーティストスタジオを経て、2004年に現在の姿にリノベーションされた。ロッテルダムを本拠地とする建築家集団のMVRDVが手がけ、そこら中にDroogのメンバーをはじめとするダッチデザイナーが手がけたものがちりばめられている。つまり、ダッチデザインを生体験するのに最適なホテルなのだ。詳細は公式ホームページJDNのレポートなどを参照していただきたい。
上の写真は最初に通された部屋。入った瞬間、なにやらおかしな雰囲気を感じた。よく見ると、通路というか部屋の中にシャワーヘッドが突き出していて、壁にはモップが立てかけてある。なにこれ、部屋を水浸しにしてシャワーを浴び、自分でモップがけするのかね、ううむまいったな、などとぶつくさ言いながら部屋を一回り。部屋の広さは申し分ないのだが、なにやら不穏な気配はぬぐえない。おや?と思って壁ににじり寄って、タイルの模様をよくよく見てみると、ひええっ!む、虫だ!!しかもゴキブリやら蛾やらムカデやら、個人的に受け入れにくい種類の虫たちのシルエットが描かれているではないか。さすがにこれはムリだ。そそくさとフロントに戻って部屋を替えてもらった。次に通された部屋はポップな雰囲気で結構よかったよ。今度は便器が室内空間に露出していたけどね。
ダッチデザインはエレガントな方向ではなく、気取っていないところが大好きなのだが、そこに含まれているダッチジョークはときどき尖りすぎでわからないときがあるね。身を切ってでも心豊かに遊ぼうとするオランダ人の寛容さというか人なつっこさというかケチくささが垣間見えて楽しい。アムステルダムに行くことがあれば、ぜひともダッチデザインが体験できるこのホテルを利用してみてほしい。