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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

汚れのデザイン


いよいよ梅雨の時期が来てしまった。昨年は海外逃亡していたので、極めて快適に過ごすことができたのだが、今年はあの不快感を避けられそうもない。かなりマイナーな気分ながらも、いつもの通勤路のそばに、梅雨らしい風情を醸し出す素敵な壁を見つけた。
階段のステップから盛大に垂れた汚れが、斜めに取り付けられたパイプのところでスパッと途切れている。そして所々にまとまっている。この汚れは雨水の通り道を示している。パイプが雨樋代わりになって、下の面は美白を保っているわけだ。
なにしろ雨水は汚れを呼んでくる。空気中のちりやほこりをまとめる作用があるし、日当たりが悪いところではカビも発生する。上面のある屋外の壁は、重力に従う雨水の影響を受けるのだ。しかし、雨水の通る道を意図的につけてあげることで、壁の汚れもある程度はコントロールできる。
もちろん多くの構築物でそうした工夫がなされているので、少し気にしてあたりを見回してみると、丁寧な設計者のやさしい気遣いを感じることができるかもしれないよ。まあ汚れなど気にしていないワイルドなものも素敵だけどね。