はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

整列コンクリート


千葉ポートタワーにはイベントやら取材やらで何度も行ったことがあるけれど、プライベートでお金を払って登ったのは、もしかすると今回がはじめてかもしれないな。先週末訪れたとき、展望フロアからの眺めには大興奮した。間違いなく入館料410円をはるかに上回る価値がある。だって、足下の荷捌ヤードに、膨大な数のプレキャスト・コンクリートの巨大ブロックが整然と並べられているんだよ。ものすごくきっちりと。そのスペースインベーダーのような形態にはいくつかのバリエーションがあり、ミニマルな中にも微妙な変化が隠されていて、じっくり眺めていても全く飽きることがない。ほんとに素敵なものを見せていただき、千葉ポートタワーには感謝している。
当然のことながらこの素敵なブロックたちはなに使われるのかが気になったが、現地では全くわからなかった。そこでフェイスブックで質問を投げかけてみたところ、港湾の設計をしたことがある方からあっさりと正解をいただいた。「ワーロック」という商品名の、港湾の防波堤や護岸に用いる直立消波ブロックだという。なるほど、一体護岸壁として設計できるし、空隙には魚も棲めるし、面で波圧を受けないから経済的だろうし、ブロックになっているから輸送もやりやすそうだし、なにかと良さそう。これはぜひ据え付けられた姿も見たいものだ。まあヤードに並べられている眺めの方がかっこいいだろうけどね。