はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

ネガティブマウンド


このところ採石場ネタが続いているので、さらにもうひとつ。
先月札幌に出張に行った際、「石山緑地」という採石場の跡地を活用した公園に行ってきた。もう15年くらい前になると思うが、はじめて訪れたときには、すごく感激した記憶がある。特に露岩した切羽面を背景とした「ネガティブマウンド」と呼ばれるスリバチの風景にはしびれた。ネーミングも素敵だし。
まあしかし、少々記憶を美化していたようだ。産業遺産をうまい具合に活用した意義深い先進事例であることは再確認できたのだけど、あれっ?こんなもんだったっけ?と感じてしまった。おそらくここ数年、ぐうの音も出ないほどリアリティに満ちてスケールのでかいものを見過ぎているからなんだろうね。設計側の意図をわかりやすく表現したアイテム(たとえばローマの遺跡風のアーチとか)には押しつけがましさを感じてしまい、少しがっかりしちゃったな。
鑑賞する側の経験値で風景の評価は変わるということが、身に染みてわかったよ。いや、基本的には好きな公園であることに違いはないのだけど。