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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

白くて薄い太鼓


周辺の植生さえそれっぽければ、「これ、スイスの山奥で見かけたきれいな橋だよ」と言ってもそのまま通りそうな橋。アーチ状の薄いコンクリート床版がそのまま構造部材になっていて、ミニマルで緊張感のある見事なフォルムが素敵すぎる。こんな切れ味鋭い構造デザインの物件が、なんでこんなにひっそりと、というシチュエーションにある。北九州の名ダム・河内堰堤の堤体のすぐ下流にある。草場助士郎という人物が設計したらしいのだが、不勉強のため知らなかった。すんません。
この橋は1927年(昭和2年)につくられたものだというから、さらにびっくり。ちょっと調べてみたら、最初の「鉄筋コンクリート標準示方書」は1931年(昭和6年)に制定されたので、ルールブック以前の橋と言うことになる。参考までに、RCアーチの金字塔であるマイヤールの「サルギナトーベル橋」は1930年。スケールは全然違うけどね。
名称は「太鼓橋」となっているようなんだけど、もう少し気の利いたネーミングはなかったのかね。うっかり赤い高欄に擬宝珠が付いている木橋かと思うじゃないか。
参考:九州建設弘済会「土木遺産in九州:太鼓橋」