はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

トリノのダンメン


昨年の今頃は何をしていたのかなとふと気になってカレンダーを見てみたら、11月後半に入居したミラノのアパートをはじめて離れ、2泊3日でトリノに行っていた日だった。あれからまだ1年しか経っていないとは驚きだ。この短い旅はネタが豊富に得られたんだよな。(空中サーキット展示物のない展示空間鋼列柱宙づりエレベーターゆがんだ主塔
この3日間のアルバムを見返してみてみると、きちんと下調べをして橋梁や工場跡地や建築物などの見どころポイントを押さえつつも、精力的に街を徘徊していたことがよくわかる。えらいじゃん、自分。やればできるじゃん、自分。トリノフィアットが拠点を置く街なので、イタリアの中でも有数の工業都市である。なので、僕にとってはとても刺激の多い街なんだよね。あらためてまた来ようと思っていたのだけど、2ヶ月間のミラノ滞在では実現できなかった。他に行くべきところが山ほどあったので。
上の写真は、宙づりエレベーターがある国立映画博物館「モーレ・アントネリアーナ」の近くで見かけた壁。駐車場のフェンスにカメラを突っ込んで無理やり撮影したと記憶している。古びたレンガが醸し出す質感や重厚感がたまらない。よく見ると、うっすらとアーチの痕跡を確認できるし、窓だかドアだかの痕跡も、それでいいのかと問いただしたい。転写された斜めの屋根のラインも負けていない。こうした時間の積層がグラフィカルにプリントされた壁が気になる方は、ぜひ素敵サイト「キョート*ダンメンロシュツ」をご覧いただきたい。街歩きの楽しいアイテムを、またひとつ手に入れられるよ。