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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

インディーズ・ツアー

産業 観光


先週末は山口県宇部市の工業地帯をバスで巡る「ドボ年会」に参加してきた。「ドボ年会」とは全国各地の工場や土木構造物を愛でることを目的とした忘年会であり、「工場萌え」著者の大山顕さんの主催によるものである。一応忘年会らしく飲み会も二次会として開催されるのだが、実態としてはひとりではなかなか行く機会がない地方都市の工業地帯をみんなで実際に体験しちゃおうというものだ。今回は2010年の四日市2011年の北九州に続く3回目の開催であり、ようやく僕も初参加させてもらうことができた。というか、いろんな現実に目をつぶって、歳末逃避行を強行してきたわけだ。
宇部の工業地帯のおおらかさはすごかった。ただでさえあまりのかっこよさにしびれてしまう素敵な各種装置たちが、簡易なフェンス越しにすぐ目の前に存在しているのだ。こんなシチュエーションは興奮せざるを得ない。もちろん僕もだけど、多くの参加者が夢中でシャッターを切っていたよ。カメラ店に勤務する方と北九州市の市議会議員の方がタッグを組んでコーディネートしてくださった企画は、極めて充実した刺激的なものだった。
いろいろな方からお話を伺うと、宇部を含む地域は工場愛好家に対して比較的寛容な地域だと感じられた。全国的に見てもかなり早い時期から産業観光に取り組んでおり、オフィシャルにもすごく魅力的なツアーを多数開催している。こうしたツアーにもいつか参加せねばと思っているのだが、なかなかタイミングが合わないんだよね。2007年に京葉臨海コンビナートでいろいろ画策したときは、タイミングが良かったこともあり企業の協力を得られたけど、それ以降はなかなか厳しかったんだよな。
大山さんはこの「ドボ年会」のように個人的にツアーを企画運営している。それはまったく営利とは無縁であり、また、なにかのプロモーションでもなく、ただ単に鑑賞対象をみんなで楽しもうとするものである。つまり、個人的な集いを拡大させているに過ぎない。保険等の問題はどうしても生じるので、基本は参加者の自己責任であることを十分に承知しておかなければならないが。
もちろん観光産業にとっては直接的なメリットは少ないのだけど、こうした動きはフラット化する情報化社会における観光のありようとして、極めて意義深いものであろう。これからも注視して行きたいね。