はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

大地の断面


年末から風邪を引いてしまい、数日間すっかり寝込んでいたために、体がこわばってとてもつらい状況になっていた。これをなんとかしようと、1泊2日で東京湾ぐるり一周「大地の断面」新春ツアーを敢行した。千葉の自宅を起点に、房総の採砂場採石場をいくつか見て、地層マニアにはたまらないはずの「海底地すべり地層」を訪問し、館山に一泊。翌日は「崖観音」を参拝して、鋸山を眺めつつも対岸の久里浜にフェリーで渡り、余興として「YOKOSUKA軍港めぐり」クルーズを挟み、横浜の山を開発しまくったところにぽっかりできた調整池をいくつか巡って、横浜の夜景を楽しんでから帰宅するというコース。天候に恵まれたこともあり、充実の二日間であった。
そんな旅をしていると、切土法面に対して過剰に敏感になる。館山バイパスを南下していると、右手に気になる雰囲気の切り通しがチラリと見え、これは近寄って見に行かねば!となってルート変更。これが想像以上にすごかった。
まだ切りたてほやほやと思われるこの法面は、風化も見られず、表面の保護工も全くなく、ついでにグーグルマップにもまだ載っていない。まさに大地をスパッと平面で切った状態であり、めくるめく地層の世界が描かれている。とてつもなく大きな力が加わって曲がった地層の断末魔が、神々しさを伴って聞こえてくる。興奮しすぎて、そんな気がした。
もしこんなのを子供の頃に見ちゃったら、地質学者になりたくなるに決まっているよな。