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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

駅前の大穴


ミラノからユーロスターに乗ってフィレンツェに行ったときのこと。
電車を降りるなり、モダンながらもファシズムのテイストが感じられるサンタ・マリア・ノヴェッラ駅にガツンとやられた。観光ガイドブックを見ると、ドゥオモやベッキオ宮やジョットの鐘楼やメディチ家礼拝堂なんかはさんざん出てくるのに、こんなすてきな駅舎が載ってないなんて全くなってないな、なんてぶつくさ言いながら駅前広場に出てみると、そこにはぽっかり大穴が空いているではないか。
おおお?もしや円筒分水か?などとあり得ない妄想を抱きながら、スーツケースの存在も忘れて駆け寄ってみると、それは地下駐車場のらせんスロープだった。こりゃすてき、隠しアイテムのクオリティがすごく高いじゃん、フィレンツェっていい街じゃん、実はこれが本当のクーポラなんじゃないか、と最初から好印象だったな。
あと、フィレンツェついでに言っておくと、元カノ元カレとの昔の口約束に従ってドゥオモのクーポラの上で待ち合わせをするってのは、センスがないと思うな。かなりの急勾配を一気に上がるので、完全に息が上がるし足もがくがくになる。そんな状態で昔の恋人と会ったら険悪な雰囲気になるに決まってるじゃないか。ねえ。