はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

アルプス越え


 現代の私たちは、雄大な氷河や名峰が連続するスイスアルプスならではの絶景の数々を、比較的容易に目撃することができる。なぜなら、そこに峠道があるからだ。どれほどの苦労の末にこの道がつくられ、維持されているのかに思いを馳せながら、峠越えをしたいね。
 上の写真の正面が有名なフルカ峠であり、やや左に見えるのがローヌ川の源流たるローヌ氷河である。フルカ峠もグリムゼル峠も、ローヌ川とライン川の分水嶺である。峠のこちら側に降った雨はフランスを通って地中海に注ぐけど、背中側に降った雨はフランスをかすめてドイツとオランダを通って北海に注ぐのだ。やっぱりスケールでかいよな、アルプス山脈って。