はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

巨大ミニチュア

f:id:hachim:20140711035254j:plain

先週、福井を訪問する機会があった。高校生のときに修学旅行で永平寺や東尋坊に行って以来のことだった。申し訳ないことに、福井にはほとんどイメージがなかったのだが、なかなか興味深い街だった。

中でも一番気になったことは「歴史」に対する執着心。石垣やお堀の形跡などの古い遺構を解説する案内板が、街の中でたくさん目に付いた。周囲にそれっぽい古い建物がないので、妙に目立つのだ。たまたま僕が歩いていたのが、城址である県庁の周辺だけってことなのかもしれないけど。

少し調べてみると、立て続けに起こった1945(昭和20)年の福井空襲と1948(昭和23)年の福井地震によって、街が壊滅状態になってしまったようなのだ。もしかすると、こうした惨事があったために、歴史にこだわるマインドが醸成されてきたのかもしれないね。

そんなことをいっそう強く感じさせるのが、上の写真の「北庄城(きたのしょうじょう)復元模型」。縦横4m、高さ5.7mというビッグサイズで、主にFRPでつくられているとのことである。コンクリートのビルを背景に、ばかでかいのに丁寧につくられているミニチュア城を見上げると、少しゆがんだ愛を感じてしまい、キュンとなるよ。