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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

狭小国家の水資源

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F1グランプリが開催されたシンガポールの観光スポット「マリーナ・ベイ」の一帯からは、広大な水面にそぐわない違和感を強く覚えた。周辺をさらっと歩いた訪問初日には、マリーナ・ベイ・サンズをはじめとするトンデモ建造物たちがそう感じさせているのだろうと思っていた。しかし最終日に再訪したときに、ここにあるべき港湾機能が失われたことが違和感の主要因だと気がついた。

2008年、マリーナ・ベイのすぐ下流の河口に「マリーナ・バラージ」という可動堰が完成した。マリーナ・ベイは海から完全に分離され、船舶の往来は基本的になくなり、淡水化された。つまり、この水面は港湾を廃業して「貯水池」になったことで、水資源の安定供給と、洪水や高潮という都市災害リスクの低減の両立を実現したのだ。

このことが急速に進行しているシンガポールのバブル、つまり、狂乱の経済発展や都市づくりや観光施策の引き金になったように思える。2008年って、F1グランプリが開催された最初の年だしね。シンガポールを訪問し、少しでもこの国の状況を理解しようとするならば、必ずここに立ち寄るべきだね。ポンプ室や学習展示施設などが一体的に整備された建物の屋上は全面的に緑化されて多くの人々が集っているし、そこから見える街の様子はものすごく印象的だし、海を見れば入港待ちの大型船舶をじっくり堪能できるし。現在のシンガポールを象徴する景観を一気に見られるよ。