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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

円筒分水の必要性

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円筒分水ってのは、水争いがシビアな地域の象徴として捉えていた(参照:可視化された公平性)ので、水がとんでもなく豊かな富山平野には縁遠いと思い込んでいた。なので、富山県の方から東山円筒分水槽の存在を聞いたとき、よく理解できなかった。よくわからないものは実際に見に行ってみなきゃねえ、という勢いで、先日の富山訪問の際に半ば無理やり見に行ってきた。

このくらいのサイズ(直径9.12m)だと適度な存在感があるので、感動とともに受け入れやすいよね。最大で2mほどはあるんじゃないかという落差もすごい。全面が滝のようになっているので,そこら辺の噴水なんか目じゃない大迫力。分水された先も含めて、樋門の上から見下ろすことができるので、いろいろ理解しやすい。つまり、鑑賞するのにふさわしい円筒分水と言えるね。最近補修されたらしい部分が若干浮いて見えるけど、じきに馴染むだろう。

そして、あらためて富山平野の地形図を眺めてみると、この円筒分水がある片貝川下流域は独立した扇状地であることがわかる。もしかすると片貝川は雨が降らなければその急流さゆえにあっという間に枯れてしまうのかもしれないねえ。案内看板にも「水争いが絶えなかった」という記述も見られたし。同様に下流域に扇状地が発達している急流河川の黒部川や常願寺川は、3000m級の日本アルプスを背負っているので夏でもほとんど枯れることのない水源を持っている。それらは平野部ではつながっているけど、一緒くたに語ってはいけなさそうだね。もしかすると、水系ごとに異なる文化が形成されているかもねえ。