はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

鉄の分子模型

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ベルギーの首都のブリュッセルの観光名所といえば、絢爛たる広場のグランプラスか、華麗なアールヌーボー様式の建築か、過度な期待は禁物の小便小僧あたりだろうか。いやいや、鉄の分子構造を1650億倍という訳の分からない拡大率で高さ100mを越えるサイズにしちゃった「アトミウム」こそが、ベストな観光名所だと思うよ。

もともとは1958年に開かれたブリュッセル万博におけるパビリオンで、現在は展望施設および展示施設として利用されている。科学技術が拓く明るい未来が信じられていた素敵な時代の構造物だ。階段やエスカレーターの色、手すりの造形、サイン類のグラフィックなんかもすごくかわいい。全体的にあまり洗練されていない微妙にゆるい雰囲気が漂っているのだけど、そこらへんがベルギーらしい魅力なんだと思うな。

こんな時代だからこそ、明るい夢のある近未来像を、あらためてしっかり見ておきたいね。