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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

道半ば

地形 装置

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東日本大震災の津波によって、信じがたいスケールの被害を受けた陸前高田。まるごとなくなってしまった街を再生するための高台造成工事が、現在も粛々と進められている。そのための大量の土砂を素早く運ぶためにつくられた仮設のベルトコンベアが、本日で引退するそうだ。(産経フォト:“任務完了” 陸前高田の巨大コンベヤー【東日本大震災パノラマ】Vol.373

今年のお正月に目撃したこの眺めは壮絶だった。「良いか悪いか」や「好きか嫌いか」などの感情は完全にすっ飛んで、身震いするほどの衝撃を受けた。現地では様々な感情が次々と沸き起こって混乱してしまったが、実のところ、今も整理できないままだ。

防災に関わる事業の多くは、気象や地震や噴火といった自然の活動の影響を拒むことに結びついている。つまり、自然由来の地形を人為的に更新することは土木の基本的な役割であり、それによってすべての近代都市における生活がかろうじて成立しているわけだ。

そんなことを頭では理解しているつもりでも、ベルトコンベアが縦横に走って新たな土地を生み出す光景は、「人間すごい」あるいは「人間やばい」としか思えない。そういえば、オランダの干拓事業防潮事業ドイツの発電事業などを目撃したときも、同質の動揺があったなあ。

大規模な土地造成の是非は脇に置いておいて、仮設にしておくにはもったいない立派なベルトコンベアは、しっかりねぎらわないとね。まだまだ時間はかかりそうだけど、引き続き復興への歩みを進めよう。

【追記】
ちゃんと市長が出席した「終了式」が執り行われたんだね。観光対象としての位置付けが認められてきたことは、本当に素晴らしいと思うな。(日刊スポーツ:陸前高田で土砂運搬の巨大コンベヤーが役目終える