はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

三国国境

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なんともビシッとしていない石碑を境に、左奥がオランダ、右の林がドイツ、手前がベルギーに分かれている。「B」の文字が見えることがその証左。「1032」の意味は知らないが、見えない側にはやはり素っ気なく「NL」「D」と書かれているよ。なお、写真左奥にちょこっとだけ見える白い塔状の物体は、オランダの最高標高地点322.5mを示す石碑。

三国国境はもっぱら「がっかりする」という評判だったので、2年前の正月旅行の際にワクワクしながら立ち寄った。観光シーズンではなかったためか、うわさ通り極めて寂れた雰囲気だった。オランダ側の展望台も、ベルギー側の展望台も閉まっていたし。さらにドイツの無視っぷりはなかなかのものだった。
物々しさや象徴性がないゆるゆるの三国国境は、ややこしさの上に獲得した欧州の平和の証とも言えるのかもしれない。国際平和の難しさをしみじみと感じさせてくれる。いまさらながら、行ってよかったと心から思うな。

ちなみに、ベルギーとオランダの交通事情は全く異なる。道路の構造、線形、維持管理、運転マナーのどれを取ってもオランダの圧勝。過去の体験で感じたことは、ベルギーでの運転は苦痛そのもので、オランダでの運転は快適そのもの。ある一線を越えた瞬間に道路の印象がガラリと切り替わるって、日本ではなかなか味わえない。