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はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

近代石橋

橋梁 構造

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スイスのヴァルス村の中央に架かるヴァルサーライン橋(Valserrheinbrückeか?)も、先日のグレンナー橋と同じユルグ・コンツェットが設計した橋であり、2010年に供用された。

見るからにユニークな橋だ。両サイドに縦方向に積層された石材が重要な構造部材になっているらしい。橋梁形式はコンクリートと石のハイブリッドによる下路桁橋ということかね。また、高級感のある石材を、路面にも側方にもじゃんじゃん使っている。これは周辺の住宅の屋根に使用されているものと同じであり、テルメ・ヴァルスにも使用されている。そのためか、これほどモダンでミニマルなデザインであっても、地域環境にしっとり溶け込んでいる。各所がすごく丁寧に仕上げられているってのも、すごく効いているしね。

それにしても、重厚感がすごいね。実際に重い橋なんだろう。堤防と思われる擁壁がこの橋の近傍にだけ設置されているので、もしかすると洪水時の浮き上がりを考慮しているのかもしれない。なお、不思議な堤防区間について、国士舘大学の二井さんがスイス独自の共同体システム「ゲマインデ」の説明とともに触れられているので、ご興味がある方は参照していただきたい。この橋の外側からの眺めも確認できるよ。

エンジニアアーキテクト協会「共同体の意思が生み出す風景」/二井昭佳